東京都渋谷区を拠点とする株式会社コスパ・テクノロジーズ。ブランディングを極めたホームページや、多言語サイトの実績も豊富な制作会社です。今回は代表取締役の中島様にお話を伺いました。
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株式会社コスパ・テクノロジーズの会社概要
ーーまずは会社の成り立ちと事業領域をお教えいただけますか?
当社は2012年に上海で創業しました。当時は日本企業の中国語サイト制作が主な業務でしたが、2017年に本社を渋谷区に移転してからは、Webサイト制作に加えて、日本企業の国内外マーケティングやブランディングを支援するプロジェクトも数多く手がけるようになりました。この経緯から当社のクライアント様の多くはBtoBの企業様です。現在特に力を入れているのもBtoB企業様のブランディングです。日本市場が縮小していく中で、高品質な製品やサービスをどのように世界に知っていただくか。単に「高品質」を謳っても響きません。高品質の裏側にある会社の姿勢、すなわちなぜその製品でその品質を追求し続けるのかを訴えないといけないのです。これはまさにブランディングの一環です。これができていないことが日本のBtoB企業の最大の課題であり、グローバル展開を阻んでいる要因だと思っています。
私自身も新卒で電機メーカーに入社し中国の工場でモノづくりのマネジメント経験を積んだので、日本企業の品質の高さと細部へのこだわり、企業努力の素晴らしさをよく理解しています。しかし一方でそれを世の中に伝えきれていない歯がゆさがありました。ダイレクトに世界と繋がるためには、まず自社自身を正しく認識し、伝える術を持たなくてはなりません。当社のパーパスである「世界をシームレスにつなぐ」にはそのような思いを込めています。政治も経済も分断されつつある現代だからこそ、直感的に理解し合える方法を開発したい。「マーケティング」ではなく「つなぐ」。「情報発信」ではなく「つなぐ」。シームレスになれば、日本にとって生きやすい世界になります。
ーー社名「株式会社コスパ・テクノロジーズ」の由来は何でしょうか?
元々コスパ志向が極めて高い中国でビジネスをしてきたことと、私自身もコスパ好きであることに端を発しています。その中で「コスパが良い」とはどのようなことかと日々追求してきた結果、「最上のコスパとは人の心を動かすことである」という結論に達しました。さまざまな技術や手法を使って、心に響くWebサイトを制作しコンテンツを配信しています。
情報に溢れる今日、人々は自分を防御するために不必要な情報には耳を閉ざします。ありきたりの言葉や美辞麗句を本能のフィルターで弾き、面白いものや新しいものだけをキャッチしようとします。だから、心の琴線に触れる、他とは違う表現でなければ、見る人に興味を持ってもらえず、結果的に効率が悪いコミュニケーションになってしまうのです。AI盛況の時代、正しく美しく合理的な表現はいくらでもあります。「非合理的かもしれないがユニークで新しいもの」をクライアント様の生きざまの中から探して表現するのが私たちコスパ・テクノロジーズ。最高のコストパフォーマンスを実現してみせます。
株式会社コスパ・テクノロジーズの強み
BtoB企業こそブランディング
ーーBtoB企業のブランディングが得意だとお聞きしましたが、詳細教えてください
日本では長らく「BtoB企業にはブランディングは必要ない」とされていたように思います。「自社でマーケティングをしたことがない」という企業様もいらっしゃいます。メインの取引先が大手企業様である中小中堅企業様にその傾向が強く感じられます。しかし今や大手企業様の部品調達手段は多岐にわたっているので、注文が急増する見込みはあまりありません。新たな取引先を探すしかありませんが、そこで従前の取引先から求められてきた「早い、安い、品質が良い」をさらに極めるとすると泥沼が待っています。価格競争に晒されるのです。日本のBtoB企業様が取るべき道は「良いものを適正な価格で売る」こと。そのための一つの方法がブランディングです。
「ブランド企業」と聞くと、洗練されたビジュアルに奇抜なコピーがあしらわれた広告をイメージしますが、ブランディングは目に見えるカッコいいことではありません。私たちは、ブランディングを「事業を推進している根源的な動機と目指している世界を社会に訴えること」と考えています。
例えばある精密部品の会社。幼いころからオルゴールのシリンダーや電車の接合部などを眺めるのが好きで、細かいパーツを組み合わせて何かを作るのが好きな人が集まっており、時間を忘れて細かいチューニングをするような会社だと想像してみてください。この会社の根源は「すごく小さいものを作るのが好き」というところにあります。それが彼らの目指す世界である「バリアフリー社会」への想いと結びつき、車いすやVR機材、介助補助機などを開発製造する。とにかく好きなことなので研究開発に没頭し、とことん突き詰めたものを創り出す。頼まれてもいないのに、10の精度が求められるところを30にまで高める。仕事は苦行ではなく、楽しみながら世の中の役に立つ。こういう会社にはファンがつき、利益が出れば開発スピードが上がり、よりファンが増えるという好循環になることは容易にイメージできます。
これに対して、よくある「お客様第一主義」を掲げる会社はどうでしょうか。本気でお客様を第一と考えて何でもいうことを聞く会社などないし、もし本気で何でも聞くとすればそれは奴隷に他なりません。奴隷のように仕事しても、やらされているのであれば、前述の精密部品会社と同レベルのクオリティは出せない。となると、見る側は「お客様第一主義」は真実ではなく、単に仕事を増やしたいがためのセールストークに過ぎないことを感じ取ります。ファンにはなり得ません。
私は、極めて個人的で根源的な動機があってこそ高クオリティのものが生み出されると考えています。そして目指す世界が明確であれば、お客様の心の琴線にも触れます。ブランディングは人の心を動かし社会の推進力になるのです。
ーー他にもこだわっている点があれば教えてください
BtoBマーケティングに対しても私たちは独自の考え方を持っています。多くのクライアント様が「Webマーケティングをしたい=お客様に買っていただきたい」と相談にこられるので、ここではマーケティングを「販売促進」と狭義で捉えますが、この「販売促進」のマーケティングはBtoBとBtoCで決定的に異なります。なぜならお客様の「買いたい」という欲求の生じ方は、BtoBとBtoCでは全く異なるからです。
BtoCの場合、「それを手に入れた自分」のイメージが好ましいものであった時に「買いたい」という欲求が起こります。例えばイタリアの小型車。オシャレなカフェの前に停車して爽やかな男女が談笑しているシーンに「素敵な毎日を」というコピーがついていれば、このような生活に憧れる人の心が動きます。機能や必要性だけでなく、個人の感性が購買行動を大きく左右するのです。
片やBtoBはそうはいきません。イメージではなく機能と必要性が全てです。工場で使うフォークリフトの広告にはオシャレなカフェも爽やかな男女は必要ない。「安全性、操作性が大幅に向上」「AIを搭載しリモート操作を実現」というようなコピーと、それが可視化されたビジュアルがあればいい。フォークリフトを必要としない人には全く意味がない広告ですが、BtoBにおいては、自分の役に立つ情報を求めている人の心を動かすことが目的です。そのためには、イメージではなく事実を言葉で伝え、ビジュアルでそれを補完すること。客観性、合理性、妥当性が何よりも重要だと考えています。
イメージは、雰囲気や気分をうまく伝えられますが、厳密に意味を伝えることはできません。この曖昧さがBtoCはポジティブに作用し、BtoBではネガティブに作用します。だから私たちはBtoB企業のWebサイトや広告に「品質No.1」「ワンストップソリューション」「お客様第一主義」といったコピーを載せることに反対しています。せっかく言葉を使っているのに、ユーザーが求める情報になっていないからです。私たちは、企業や製品が持つ力、本来の価値にスポットライトを当てて、それをまずはコンセプトに落とし込み、それからコピーやビジュアルを考えます。開発者が莫大な労力と時間を投入し、知恵を絞って完成させた製品を正しく伝えようとしたら、凡庸な表現に留まることはなく、オリジナルな表現になります。
私たちのBtoBマーケティングにおける強みは、言葉にこだわって以下の手順を踏むことです。
・企業や製品を十分に理解する
・それをコンセプトという形で言語化する
・そのコンセプト(言葉)に沿って情報を整理し、シンプルかつ理知的なサイトを設計する
・そのコンセプト(言葉)を起点に全てのクリエイティブを企画し、創る
・そのコンセプト(言葉)を起点に最適なメディアミックスを企画し、情報を発信する
私たちがB2Bマーケティングを愛して止まないのは、企業や製品の背景を学びオリジナルな表現を考える過程で、私たち自身も感動する瞬間があるからです。
中国向けWeb施策について
ーー中国向けのWeb施策が得意だとお聞きしましたが、詳細教えてください
上海で中国語サイト専門会社として創業した経緯もあり、中国向けWeb施策に関して私たちは日本で最も実績と知見のある会社だと自負しています。中国はポテンシャルの塊のような国ですが、一方でビジネスリスクが高く、最も難しい国のひとつであることに疑いの余地はありません。リスクを最小限にする方法はただ愚直に「相手を知ること」です。Web施策においてはサーバー問題やグレートファイヤーウォール問題などがよく挙げられますが、これも制度の背景と現地の情勢や温度感を知ることで対策できます。私たちのメンバーの中には中国に住んでいる人もいますし、ビジネス仲間も多くいます。きっとお力になれると思います。
ーー他にもこだわっている点があれば教えてください
世界の中の中国という視点を大切にすることです。中国はたしかに巨大ですが、一国だけで存在するわけではありません。アメリカとの作用反作用のような関係がもっとも重要です。アメリカの政権はどちらが取るのか、GAFAの戦略はどうなのか、オピタイド危機にどのように対応するのか、こういったアメリカの国内問題が中国に影響し、それに対する中国の反応がアメリカに影響する。アメリカ以外にも、ロシア、中東、台湾などとの作用反作用もあります。そういった大きな枠組みの中で日中関係があるので、常に世界情勢に気を配って中国の動きの裏側を考える必要があるのです。そうしないと、クルクル変わる政策に振り回されることになります。
株式会社コスパ・テクノロジーズの実績・料金
実績
ーーこれまでの制作における成果・実績を教えていただけますでしょうか?
私たちは制作会社の実績は参考にならないと考えています。なぜなら作品は一期一会の産物。クライアントの担当者、プランナー、ディレクター、デザイナー、コーダー、写真家、ライターなど多くの人がある時にたまたま出会い、クライアントの姿勢や製品、サービスに共感し、一生懸命考えて産まれたものなので、再現性はほぼないと思うからです。
とはいえ、私たちの名前を耳にすることもあるかと思います。デジタルマーケティング研究機構の第11回Webグランプリで企業BtoBサイト賞をいただいた東洋紡株式会社様のコーポレートサイトは私たちが企画制作パートナーとして携わった作品です。同Webグランプリでコーポレートサイト賞の最終選考まで残った環境開発工業様のコーポレートサイトも私たちの自信作です。
実績を気にするのは大企業の名前を見て安心したいという気持からではないでしょうか。コンプライアンス面での心配を払拭したいのは分かりますが、ビッグネームを見て「こんな感じのデザインか」などと思ってしまうのは思考停止でしかありません。思考停止の上に作られたサイトは人の心を動かしません。私たちは新たな一期一会を求め、再現性のない作品を創り上げていきます。
東洋紡株式会社様 - https://www.toyobo.co.jp/
環境開発工業様 - https://www.kklp.co.jp/
料金(目安)
ーー可能であれば、制作料金の目安などを教えていただけますか?
ご予算に応じます。100万円であれば100万円でできること、1,000万円であれば1,000万円でできることを考えます。いずれもクラアント様が求めていることがどの程度達成できるのかを率直にお伝えし、必要に応じて何度も協議します。合意に至ればプロジェクトがスタートします。当たり前のことですが、ご予算だけなく何をしたいのかが重要です。まずはご相談ください。
サイト制作を検討されている方へ
ーー発注者が制作会社に上手くサイト制作を依頼するポイントは何でしょうか?
「料金」でも触れましたが、何をしたいのか、そのためのリソースとして何があり、制作会社に何を求めるのかを明らかにしていただけるとプロジェクトがスムーズに進行できます。
ーー「特にこんな相談があれば是非」というアピールをお願いいたします。
閉塞感を感じている会社様は私たちの会社に価値を感じていただきやすいと思います。他の制作会社の提案に対して「ちょっと違うな」とか「芯を食っていない感がある」などと感じていらっしゃる場合はまず私たちとおしゃべりをしましょう。たくさん話してたくさん笑うと、それから方向性が見えることがよくあります。
しかし、この過程は実は時間がかかります。前述した「事業を推進している根源的な動機と目指している世界」に迫っていくことになるからですが、この過程を経るとコンセプトが明確になります。多くのクライアントとワクワクして議論しています。
したがって、困っていることがない会社様、すでにやるべきことが明確になっている会社様は、もっと使い勝手がいい制作会社の方がいいかもしれません。
Q.
株式会社コスパ・テクノロジーズはどのような会社ですか?
「なぜ」「なぜ」が繰り返される会社です。Webサイトデザインでも、「このデザインがお勧め」と言われると「なぜいいと言えるのか?」、理由を言うと「いいの基準は何か?」と終わらない、本質に迫ろうとする会社です。
Q.
株式会社コスパ・テクノロジーズが成功したポイントは?
本質を追求し、クライアントに忖度しない提案を実施していることがポイントとして挙げられます。