ECサイト構築方法5種を比較|おすすめツールや手順を徹底解説【2026年最新版】
ECサイトの構築方法は、大きく分けてASP・オープンソース・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチの主要5方式があり、これに加えてECモール・SNSといった出店型の選択肢もあります。どれを選ぶかは、事業規模・予算・公開までの期間によって変わるため、自社の状況に合った方式を見極めることが重要です。
本記事では、主要な構築方法それぞれの特徴・費用・構築の流れから、方式の選び方、おすすめの構築ツール、申請できる補助金までを順番に解説します。
「自社にはどの方法が合うのか」を判断できるよう、比較表も交えながら整理していきますので、ぜひ参考にしてください。
なお、ECサイトを構築する際には、必要な機能を備えることが欠かせません。下記にECサイトの機能をまとめた調査レポートを用意していますので、あわせてご活用ください。
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ECサイト構築の主要5方式と特徴【比較表】
ECサイトの構築方法は、自社でオリジナルのサイトを持つ「自社EC型」と、既存のプラットフォームに出店する「モール型」に大きく分かれます。このうち自社ECを構築する手段として、主要な5方式があります。
- ASP:事業者が提供するクラウド型サービスを利用して構築する方法。専門知識がなくても始めやすく、低コストかつ短期間でリリース可能
- オープンソース:無償公開されているソースコードを使う方法。カスタマイズの自由度が高い一方、セキュリティ対応や保守を自社で担う必要がある
- パッケージ:ECに必要な機能を備えた市販システムを購入して構築する方法。自社向けの個別カスタマイズができ、中〜大規模サイトに向く
- クラウドEC:クラウド上のプラットフォームを使う方法。機能が常に最新へ更新され、カスタマイズ性と運用のしやすさを両立可能
- フルスクラッチ:ゼロからすべてを開発する方法。要望どおりに作り込める反面、費用と期間が大きくなる
これらに加えて、Amazonや楽天市場などに出店する「ECモール」、InstagramやFacebookで販売する「SNS」という選択肢もあります。次章以降で各方式を詳しく解説していきますが、まずは全体像をつかむため、主要5方式にECモール・SNSを加えた計7方式を比較表で見てみましょう。
|
構築方法 |
初期費用の目安 |
月額費用の目安 |
構築期間の目安 |
拡張性 |
セキュリティ責任 |
向いている年商規模 |
|
ASP |
無料〜10万円程度 |
無料〜数万円 |
最短即日〜1ヶ月 |
低〜中 |
サービス提供側 |
〜1億円 |
|
クラウドEC |
100万~500万円程度 |
10万円以上 |
数ヶ月 |
中〜高 |
サービス提供側 |
1億〜数十億円 |
|
オープンソース |
無料〜 |
10万円以上 |
3ヶ月以上 |
高 |
自社 |
1億〜数十億円 |
|
パッケージ |
100万円以上 |
10万円以上 |
数ヶ月 |
高 |
自社(一部ベンダー) |
1億円以上 |
|
フルスクラッチ |
数千万円〜 |
数十万円以上 |
半年〜1年以上 |
非常に高い |
自社 |
数十億円以上 |
※費用・期間はサービスやカスタマイズ内容により変動します。導入時は各サービスの最新情報をご確認ください。
ECサイト構築5方式のメリット・デメリットと費用
ここからは、自社ECを構築する主要5方式を1つずつ詳しく見ていきます。
ASP(年商1億円以下向け)
ASP(Application Service Provider)とは、事業者がクラウド上で提供するサービスを利用してECサイトを構築する方法です。サーバーを自社で用意したり運用保守をおこなったりする必要がなく、専門知識がなくてもECサイトを構築可能。ECサイト運営に必要な機能があらかじめ用意されているため、初めてECに取り組む事業者に向いています。
ASPのメリット・デメリット
メリットは、低コストで始められること、短期間でリリースできること、運用保守をサービス提供側が担ってくれることの3点です。ASPカートはECサイトごとにシステムを開発・カスタマイズしないため、安価に利用できます。運用保守や機能追加はすべてASP側でおこなわれるため、専門知識をもつ人材を自社で抱える必要がありません。
一方、デメリットはカスタマイズ性の低さと外部システム連携のしにくさです。基本的に用意された機能しか使えず、個別のニーズに応じた機能拡張は難しい傾向にあります。また、外部システムとの連動や連携がしにくいのが一般的で、事業規模が大きくなるとECパッケージなどへの移行が必要になる可能性があります。
ASPの費用相場
ASPには大きく分けて「無料ASP」と「有料ASP」の2種類があります。無料ASPは初期費用・月額費用が0円で個人や小規模事業者向け、有料ASPは月額数千円〜のプランで、集客や売上向上の機能まで備えたものが中心です。価格帯ごとに、無料、月額数千円〜1万円以下、月額1万円以上の3つに整理できます。
無料ASPは初期コストをかけずに始められる反面、手数料がかさむこともあるため、想定する売上規模に合わせて選ぶことが大切です。
オープンソース(年商1億〜数十億円向け)
オープンソースとは、一般に公開(オープン)されているソースコードを使ってECサイトを構築する方法です。多くのプログラムが無償で利用でき、ソースコードを自由に改変できるため、独自性の高いECサイトを比較的低コストで構築できます。代表的なプログラムには「EC-CUBE」などがあります。
オープンソースは、年商1億〜数十億円規模で、独自性の高い中規模以上のECサイトを構築したい企業に向いています。
オープンソースのメリット・デメリット
メリットは、無償で利用できることと、カスタマイズの自由度が高いことです。ソースコードが公開されているため、デザインを自社オリジナルにしたり、自社の業務プロセスに合わせて機能をカスタマイズしたりできます。有償・無償を問わず、デザインを変更できるテンプレートや機能を拡張できるプラグインが豊富に揃っているのも特徴です。
デメリットは、専門知識が必要なこと、セキュリティ対策が自社責任になること、システムの陳腐化対策が欠かせないことです。デザイン変更にはHTML・CSS・JavaScriptの知識が、プログラムのカスタマイズにはPHPの知識・スキルが求められる場合があります。
また、実行環境の保守、プログラムの運用・保守、セキュリティの確保、システム障害時の対応は、すべて自社の責任で実行しなければなりません。
オープンソースの費用相場
オープンソースによるECサイトの構築費用・料金相場は10万円〜です。ソースコード自体は無償のため、自社でプログラミングできる場合は初期費用を抑えられるでしょう。
ただし、自社で構築・運用する場合はコストが低い一方、制作会社に依頼する場合は相応のコストがかかります。サイト公開にはサーバーなどのインフラ費用が発生し、運用を外注する場合は月額10万円以上を見込む必要があります。
パッケージ(年商1億円以上向け)
パッケージとは、カート機能や顧客管理などECサイト構築に必要な機能を備えたシステムを購入して構築する方法です。オープンソースとは異なり、開発ベンダーが有償で提供するシステムを利用します。ASPと違って自社用に個別カスタマイズができ、機能の追加も柔軟におこなえます。
パッケージは、年商1億円以上で、独自機能やブランディングを重視したい企業に向いています。初期投資を回収できるだけの売上が見込め、かつ中〜大規模のECサイトを構築したい場合に適した方式です。
パッケージのメリット・デメリット
メリットは、カスタマイズ性の高さと外部システムとの連携のしやすさです。必要な機能を備えたシステムをカスタマイズしながら使うため、ほぼオリジナルに近いECサイトを、フルスクラッチほどのコストをかけずに構築できます。さまざまな外部システムとの連携も可能です。
デメリットは、システム更新を自社で対応する必要があることと、初期費用が大きいことです。パッケージは購入して利用する形のため、サービスとしての自動的なシステム更新はおこなわれません。機能追加やバグ対応などのメンテナンスは、基本的に自社(またはベンダー)で対応する必要があります。
パッケージの費用相場
パッケージの費用は、システムの購入費用やベンダーによるカスタマイズ費用が必要なため、初期費用は百万〜数千万円を見込む必要があります。サイト公開にあたってはサーバーなどのインフラ費用や保守費用も発生するため、月額費用は10万〜100万円程度が目安です。
クラウドEC(年商1億〜数十億円向け)
クラウドECとは、クラウド上にあるプラットフォームを使ってECサイトを構築するサービスです。ECサイトに必要な機能が網羅されており、サーバーやOSなどのソフトウェア、システムが自動でアップデートされ、常に最新の状態で利用できます。パッケージのカスタマイズ性と、ASPのような運用のしやすさを両立した方式といえます。
クラウドECは、年商1億〜数十億円規模で、運用の手間を抑えつつカスタマイズも行いたい企業に向いています。すでにASPなどで運営しており、機能拡張のために乗り換えを検討している企業にも適しているでしょう。
クラウドECのメリット・デメリット
メリットは、システムが自動でアップデートされること、常に最新機能を使えること、個別カスタマイズが可能なことです。サービス提供者がプラットフォームを定期的に更新し、流行の機能を追加してくれるため、サービスの陳腐化を防げます。
また、利用者向けに個別調整できる機能を設けていることが多く、自社システムとの連携や機能のカスタマイズもおこなえます。
デメリットは、社内のサーバールームや自社契約のデータセンター内への構築が必須という要件には対応できないこと、そしてプログラムコードが開示されないことです。コードが非開示のため、脆弱性診断やソースコードレビュー、他サービスへの流用はできません。
クラウドECの費用相場
クラウドECは、ECに必要な機能をプラットフォームとして提供しつつ、個別にカスタマイズする箇所も多いため、導入には初期費用初期費用100万〜500万円以上がかかります。
サービスの管理費用なども含まれるため、月額費用は10万円以上が目安です。スモールにビジネスを始めたい場合には費用感が合わないこともありますが、ある程度ビジネスが軌道に乗り、機能拡張が必要になった際の乗り換え先としては有力な選択肢になります。
フルスクラッチ(年商数十億円以上向け)
フルスクラッチとは、既存のサービスやシステムを流用せず、ゼロからオリジナルのECサイトを開発する方法です。サイトのデザインから機能に至るまで、すべてを思いどおりに構築できます。大規模かつフルオリジナルのECサイトを長期的に運用したい場合に選ばれる方式です。
フルスクラッチのメリット・デメリット
メリットは、自由度の高い設計ができることと、ブラックボックスとなる部分がないことです。自社の要望に合わせて細部まで作り込めるうえ、ゼロから自社開発するため、トラブルにも迅速に対応できます。
デザインやシステムをすべて自社で開発・管理するため、社内で保守や機能追加をおこなえます。提供サービス終了の概念がなく、長期的に使えるメリットもあります。
デメリットは、費用と期間が大きくなることです。ゼロから独自システムを開発するため費用が数百万円以上かかり、サイト構築に年単位の時間を要する場合がほとんどです。加えて、近年はクラウドECやパッケージの品質が向上しているため、フルスクラッチでなくとも同等のECサイトを実現できるケースが多くなっています。
フルスクラッチの費用相場
フルスクラッチは、開発費用やインフラ構築費用を含めて、初期費用が数百万〜数千万円規模になります。サイトの規模が大きくなると5,000万円以上の費用がかかる可能性もあります。月額費用としても、システムの改修やインフラ費用などで数十万円程度の発生を見込む必要があります。
補足:5方式以外のECサイト構築手段
ここまで紹介した主要5方式のほかにも、ECで商品を販売する手段があります。主要5方式と並列の選択肢というより、状況に応じて検討する補足的な選択肢として整理しておきましょう。
SNSショッピング(Instagram/Facebook)
SNSショッピングとは、InstagramやFacebookといったSNS上で商品を販売する方法です。例えばInstagramの「Instagramショッピング」では、プロフィール内の「ショップ」から商品の検索や購入ができます。SNSに投稿した商品をそのまま購入してもらえる点が特徴です。
メリットは、集客と販売を同時に実現できることと、手軽に始められることです。SNSで集めたフォロワーがそのまま商品ページにアクセスできるため、集客と販売を一連の流れでおこなえます。SNSのアカウントがあれば誰でも始められる手軽さも魅力です。一方、SNSの集客力がそのまま売上に直結してしまう点がデメリットといえます。
初期費用・月額費用ともに無料で始められますが、販売時には売上に応じた手数料が発生する場合があるため、最新の料金体系を各SNSの公式情報で確認しておきましょう。
ECモール出店(Amazon/楽天市場)
ECモール出店とは、Amazonや楽天市場といったオンライン上のショッピングモールに出店する方法です。既存のモールに出店するため、自社でサイトを構築する必要はありませんが、集客力は出店先のモールに左右されます。
メリットは、モール自体が持つ知名度と集客力です。Amazonや楽天市場のような大手モールは誰もが知る存在のため、出店するだけで一定の集客を見込めます。モール側がマニュアルを用意しサポートも整っているため、初心者でも商品を販売しやすい環境です。
デメリットは独自のカスタマイズができないこと、規約変更のリスクがあること、顧客情報を自社で取得しにくいことです。販売方法やシステムがモールに依存するため、一方的に利用規約が変更され、モール側の都合で不利益を被る可能性もあります。
初期費用・月額費用ともに無料〜数万円程度で出店できますが、モールごとにさまざまな手数料が設定されているため、事前にコストを確認しておくことが大切です。
楽天市場での具体的な出店手順やページの作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
楽天ECサイトのページの作り方を解説|初心者でも簡単に出来る作成ツールも紹介
制作会社に依頼する
ここまで紹介した方法は自社で構築・運用することを前提としていますが、構築をECサイト制作会社などに依頼する方法もあります。最短即日で構築できるサービスがある反面、フルスクラッチのように高度な知識が求められる方法もあるため、自社では構築が難しい場合に外注を検討するとよいでしょう。
メリットは、自社だけでは作れないクオリティの高いECサイトを構築できることです。制作会社によっては、サイト公開後も売上向上や機能拡充のための相談に対応してくれます。
一方、デメリットとして注意したいのが、事業者と制作会社で見据えるゴールが異なる場合があることです。事業者はECサイトを通じた売上の獲得・向上を目的とするのに対し、制作会社側はサイトの構築・公開までをゴールとしているケースがあります。
このギャップを埋めるため、制作会社に求めるものと、制作会社が応えられる範囲を事前にすり合わせておくことが重要です。
費用は、依頼内容によって幅があります。職種ごとに定められた単価と作業時間を掛け合わせて算出するのが一般的で、依頼内容によっては10万円程度で済むこともあれば、数百万円かかることもあります。
制作会社は得意とする構築方法が異なるため、作りたいECサイトの要件を明確にしたうえで、その分野に強い会社を選ぶことが成功の鍵となります。ECサイト制作に強い会社を具体的に比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ECサイト構築方法を選ぶ際の5つのポイント
ここまで紹介した構築方法から自社に合うものを選ぶには、判断軸を持っておくことが大切です。それぞれのポイントを確認していきましょう。
必要な機能が含まれているか
まず確認したいのが、自社のECサイトに必要な機能を実装できるかどうかです。構築方法によって実装できる機能の範囲は異なり、ASPは提供元が用意した範囲内、オープンソースやフルスクラッチは自由度が高い、といった違いがあります。そのため、まずは欲しい機能を洗い出してリスト化しておきましょう。
このとき大切なのが、「必須の機能」と「あると望ましい機能」を区別しておくことです。欲しい機能をすべて盛り込むと費用は高額になり、逆に必須機能が漏れたまま進めると後から追加費用が発生します。現時点では必須でなくても、将来的に導入したい機能があれば、それに対応できる構築方法を選ぶことで、中長期の成長にも対応しやすくなります。
リスト化した機能要件をもとに、各構築方法で実装可能かを照らし合わせれば、自社に合う方式を絞り込めるでしょう。
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セキュリティ対策は十分か
ECサイトは氏名・住所・クレジットカード情報など、多くの個人情報を扱います。情報漏洩は損害賠償や社会的信用の失墜につながり、事業の継続を揺るがしかねないため、セキュリティは優先して確認すべき項目です。
プライバシーマークなどのセキュリティに関わる認定を取得しているか、内部の監視体制が確立されているかなどを確認し、適切な企業を選定しましょう。
一方、オープンソースはソースコードが公開されているため、誰でも中身を分析でき、弱点を狙われやすいという側面があります。自社の体制でセキュリティを維持できるかどうかも、方式選びの判断材料になります。
拡張性は将来の事業規模に耐えうるか
ECサイトは、立ち上げ時の規模だけでなく、数年後の事業規模を見据えて構築方法を選ぶことが大切です。まずは数年後の年商目標を設定し、そこから逆算して必要な機能や処理能力を考えてみましょう。
注意したいのが、構築方法の乗り換えには相応のコストがかかる点です。ASPからパッケージやクラウドECへ乗り換える際は、構築費用だけでなく、商品データや顧客データの移行作業も発生します。
将来的に大きくサイトを成長させる見込みがあるなら、最初からカスタマイズ性・拡張性の高い方式を選んでおくほうが、結果的にコストを抑えられるケースもあります。現在の規模と将来の目標、その両方を踏まえて判断しましょう。
希望のオープンスケジュールで構築可能か
ECサイトをオープンしたい時期が決まっている場合は、その期間内に構築できる方式かを確認する必要があります。構築方法によって、立ち上げにかかる期間は大きく異なるためです。
|
構築方法 |
構築期間の目安 |
|
ASP |
最短1日〜1ヶ月程度 |
|
オープンソース |
3〜6ヶ月程度 |
|
ECパッケージ |
3〜6ヶ月程度 |
|
フルスクラッチ |
6ヶ月〜1年以上 |
短期間でオープンしたい場合はASP、じっくり作り込みたい場合は開発系、というように、希望スケジュールから逆算して方式を選びましょう。オープン日が決まっているなら、そこから構築期間・テスト期間を差し引いて、いつ着手すべきかを把握しておくと安心です。
サポート体制は充実しているか
ECサイトは売り上げの向上を目指して機能拡張していくので、構築だけでなく、運用などについても相談できる会社を選定するのがいいでしょう。構築方法やベンダーによって、受けられるサポートの範囲は変わるので注意が必要です。
また、問い合わせの窓口が電話・メール・チャットのいずれに対応しているか、システム障害が起きた際にどのような体制で対応してもらえるかも、事前に確認しておきたいポイントです。
ECサイト構築の手順【6ステップ】
構築方法と方向性が決まったら、いよいよECサイトを作っていきます。実際の構築は、企画・要件定義から公開・運用開始まで大きく6つのステップに分かれます。なお、ここでかかる工数は選んだ構築方法によって大きく変わります。
自社の方式・規模に照らしながら、各ステップを確認していきましょう。
Step1.企画・要件定義
最初のステップは、ECサイトの目的を明確にすることです。「何を・誰に・どれくらい売るのか」を具体的な数値目標まで落とし込みます。売上は「訪問者数×購入率×顧客単価」で構成されるため、それぞれの目標値を設定しておくと、後の施策が立てやすくなります。
目的を固めたら、コンセプト設計と競合調査を行いましょう。競合サイトは眺めるだけでなく、実際に商品を購入し、購入者目線で良い点と改善点を洗い出すと、差別化の方向性が見えてきます。
これらをまとめたら、要件を文書化します。必要な機能、サイトに載せるページ、目標数値などを書き出しておくことで、社内メンバーや制作会社との認識のズレを防げます。要件があいまいなまま進めると、後工程での手戻りが大きくなり、費用と時間の両方を余計に使うことになるため、この段階を丁寧に行いましょう。
Step2.構築方法とベンダーの選定
次に、自社に合う構築方法を選びます。その際、判断軸を整理すると選びやすくなるのでおすすめです。
|
重視するポイント |
向いている構築方法 |
|
集客力を借りたい |
ECモール(Amazon・楽天市場など) |
|
初心者で手軽に始めたい |
ASP |
|
独自性を出したい |
オープンソース |
|
資本力があり本格的に作りたい |
パッケージ・クラウドEC |
ただし、近年は各サービスの進化が速く、たとえばASPのShopifyもカスタマイズ性を強化しているなど、一概にどれが優れているとは言い切れません。費用や機能だけでなく、サポート体制や将来の拡張性も含めて選ぶことが大切です。
Step3.サイト設計・デザイン
構築方法が決まったら、サイトの設計とデザインに進みます。まずは家の設計図にあたる「サイトマップ(構造図)」を作成し、必要なページと階層構造をすべて書き出します。商品点数が多いECサイトでは、この構造図があることでページの抜け漏れを防ぎ、制作を効率化できます。
サイトの設計が決まったら、デザインを作成します。参考にするサイトをいくつか選び、買い物のしやすさや情報の伝わりやすさといった「売れる仕組み」を参考にするとよいでしょう。
デザインで特に意識したいのが、モバイルファーストの考え方です。ECサイトを訪れるユーザーの半数以上はスマートフォン経由のため、まずスマートフォン向けのデザインを軸に考え、それをPC向けに調整していくのが現在の主流です。
Step4.商品登録・コンテンツ作成
サイトの枠組みができたら、商品を登録し、各ページのコンテンツを作成します。ECサイトでは実物を手に取れないため、商品写真と説明文がそのまま「接客」の役割を果たします。写真は正面だけでなく、横や斜めなど複数の角度から用意し、アパレルであれば着用イメージも添えると、購入後のミスマッチを防げます。
あわせて、カテゴリを整理し、ユーザーが目的の商品にたどり着きやすい導線を作ります。また、商品ページはSEOを意識して作成することが大切です。商品名や特徴を適切に盛り込み、検索したユーザーに見つけてもらえるページを目指しましょう。
Step5.決済・配送設定
ECサイトの離脱を防ぐうえで、決済と配送の設定は重要です。決済手段は利用者のニーズに合わせて複数用意しておきましょう。ECサイトを始める時点でそろえておきたい決済手段は、以下のとおりです。
- クレジットカード決済:ECサイトの決済の多くを占める基本の手段。運営者が入金確認をおこなう必要がない点も利点
- コンビニ決済(後払い含む):クレジットカードを持たない層も利用できる。24時間支払いが可能
- ID決済(Amazon Pay、PayPay、楽天ペイなど):住所やカード情報の入力を省け、購入率の向上が期待できる
- キャリア決済・QRコード決済:スマホユーザーの利便性を高める
配送面では、配送業者を選定し、送料を設定します。送料の設定方法(全国一律・地域別・一定額以上で無料など)は購入率にも影響するため、競合の設定も参考にしながら決めるとよいでしょう。
Step6.テスト・公開・運用開始
公開前には、テスト注文を行います。商品をカートに入れてから決済が完了するまでの一連の流れを実際に通し、決済処理や在庫連携が正常に動作するかを入念に確認しましょう。特にオープンソースやフルスクラッチでは決済関連を自分で設定するため、念入りなテストが欠かせません。
公開後は、運用体制を整えて改善を続けます。利益率・売上高・アクセス数・購入率(CV率)・顧客単価・生涯顧客単価(LTV)などを定期的に分析し、購入率の改善や入力フォームの最適化(EFO)といった施策を継続することで、売れるECサイトへと育てていけます。
あわせて、在庫管理やカスタマーサポートといった運営体制も、公開と同時に動かせるよう準備しておきましょう。
ECサイト構築を外注する際の注意点
ECサイト構築を制作会社に外注する場合、会社選びでつまずくと「費用をかけたのに成果が出ない」という事態になりかねません。こうした失敗を避けるため、外注時に確認したい5つのポイントを見ていきましょう。
担当者・ディレクターの実績と稼働状況
プロジェクトが円滑に進むかは、どの会社を使うか以上に、自社を担当するディレクターの質に左右されることが多くあります。
経験豊富なディレクターでも、多くの案件を抱えすぎていると、対応が遅れたり品質が落ちたりする可能性があります。逆に経験の浅い担当者でも、ベテランのフォロー体制があればプロジェクトを円滑に進められるケースも。
担当者がどのような経験を積んできたか、現在いくつのプロジェクトを兼任しているか、フォロー体制はあるかを確認しておきましょう。
見積もりの妥当性
見積項目が自社の想定と過不足ないかは、事前に確認しましょう。項目が不足していると、完成したECサイトが想定と違う結果になる恐れがあります。
たとえば、リニューアル時にリダイレクト設定が抜けていてページが消失し、集客が減ってしまった事例もあります。また、見積書が「ECサイト構築一式◯◯円」のように大雑把な場合は、対応範囲が不明確で追加費用が発生しやすいため注意が必要です。
なかには、必要な作業を省いたり、不要な作業を上乗せして請求したりする業者もあるため、項目の妥当性を見極めることが大切です。
構築実績・得意分野
制作会社によって得意な構築方法は異なるため、作りたいECシステムに強みを持つ会社に依頼するのが望ましいです。ECパッケージなどには認定パートナー制度を設け、構築が得意な会社を公開しているケースもあるため、確認してみるとよいでしょう。
実績は、自社のイメージに近いデザインや、同じ構築方法・業界の事例が豊富かという観点でチェックします。採用するシステムが決まっていない場合は、複数のシステムを扱う会社に依頼し、選定から協力してもらうのも有効です。
運用・サポート体制
ECサイトは公開後に機能拡張や改善を重ねていくため、構築だけでなく運用についても相談できる会社を選ぶのがおすすめです。ただし、サービス内容が充実していても、外注先が倒産すればサイトの運用が困難になります。
サービス内容だけでなく、企業規模や実績、事業の継続性も判断材料にしましょう。なお、運用を外注する場合の費用感も把握しておくと安心です。
運用に強い会社を具体的に比較したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
セキュリティ体制
ECサイトは氏名や住所、クレジットカード番号など多くの個人情報を扱うため、外注先のセキュリティ体制の確認は欠かせません。
近年は、外注先が個人情報の入った記憶媒体を紛失した事例もあります。プライバシーマークなどセキュリティに関する認証を取得しているか、内部の監視体制が確立されているか、再委託先まで含めた管理がなされているかを確認し、適切な企業を選定しましょう。
ECサイト構築のおすすめツール6選
ここまで紹介した構築方法を踏まえ、代表的なツールを6つ紹介します。それぞれの特徴をつかみ、自社に合うツール選びの参考にしてください。
BASE
※画像引用元:BASE
BASEのおすすめポイント
- 初期費用・月額費用0円から手軽に始められる
- 専門知識がなくても直感的にネットショップを構築できる
- 拡張App(Instagram販売・テイクアウトなど)で機能を追加できる
BASEは初期費用、月額費用無料で始めることのできる、ASPサービスです。クレジットカードや銀行振り込みだけでなく、AmazonPayやキャリア決済など7種類の決済方法を利用可能です。SNS広告などの集客やマーケティング、顧客管理機能も提供しているため、手軽に高品質なECサイトを開設できます。
特徴は、HTMLなどの専門知識がなくても、テンプレートを選んで商品画像と説明を登録するだけでショップを作れる手軽さです。審査なしでクレジットカード決済を導入でき、Instagram販売やテイクアウトなど豊富な拡張Appで機能を追加できます。
「まずは低コストでネットショップを立ち上げたい」「スマホ中心で運営したい」個人・小規模事業者に向いています。
EC‐CUBE
※画像引用元:EC-CUBE
EC‐CUBEのおすすめポイント
- ダウンロード版は無料でインストールでき、初期コストを抑えられる
- ソースコードが公開されており、カスタマイズの自由度が高い
- 300種類以上のプラグインで必要な機能を追加できる
EC-CUBEは、2006年に公開された純国産のオープンソース型ECサイト構築システムです。ダウンロード版は無料で利用でき、サイト制作費をかけずに商品管理や受注管理などの基本機能を使えます。EC-CUBEが提供する決済サービスだけでなく、GMOやAmazonが提供する多様な決済サービスが利用可能です。
特徴は、ソースコードが公開されているためカスタマイズの自由度が高く、PHPやAPIの知識があれば基幹システムや外部サービスとの連携も実現できる点です。豊富なプラグインで機能を拡張でき、ECサイトのデータを自由に取得・活用できるのも強みです。
メルカート
※画像引用元:メルカート
メルカートのおすすめポイント
- 集客やマーケティングなど充実したサポート体制
- システムが自動で最新化され、メンテナンスの手間を抑えられる
- サポート・セキュリティが料金に含まれており安心して運用できる
メルカートは、EC専門スタッフによるWeb広告運用といった集客や、コンテンツマーケといったマーケティングなどのサポート体制が充実したクラウドECサービスです。
クラウドECのため、システムのアップデートは提供元が行い、常に最新の状態で利用できるのが特徴です。自社でサーバーを構築・保守する必要がなく、運用負担を抑えられます。自社でシステムを構築せず、中〜大規模のECサイトを運用したい企業に向いています。
shopify
※画像引用元:shopify
shopifyのおすすめポイント
- 世界的に高いシェアを誇り、利用実績が豊富
- 多言語・多通貨に対応し、越境ECに強い
- 拡張性・カスタマイズ性が高く、事業拡大にも対応できる
Shopifyは、世界175か国以上で利用されているECサイト構築プラットフォームです。日本語・日本円に対応しており、用途や事業規模に応じて複数のプランが用意されています。
特徴は、多言語・多通貨に対応し、海外販売にも強い点です。豊富なテーマ(テンプレート)やアプリで機能を拡張でき、商品数や事業の拡大にも柔軟に対応できます。初期費用を抑えて始めつつ、本格的なEC戦略まで見据えられるため、「将来的に事業を拡大したい」「越境ECに挑戦したい」企業に向いています。
Shopifyの使い方マニュアル|立ち上げから販売まで、初めての方向けに解説【2026年最新版】 | Web幹事
カラーミーショップ
※画像引用元:カラーミーショップ
カラーミーショップのおすすめポイント
- フリープランなら初期費用・月額費用0円で始められる
- SNS、メディアと連携可能なので集客も行える
- 映像・音楽・電子書籍などデジタルコンテンツも販売できる
カラーミーショップはGMOペパボが運営するASPサービスで、豊富なのデザインテンプレートを自在にカスタマイズして利用可能です。InstagramやLINEといったSNSやブログなどのメディアと連携可能な集客機能を有しています。「受注」「発送」「在庫管理」「商品管理」などの機能を有するモバイルアプリが提供されており、どこでもサイト運営が可能です。
基本的な機能だけを搭載した月額の安いプランから始められるため、コストを抑えたい方に向いています。映像や音楽、電子書籍などのデジタルコンテンツも販売できる点も特徴です。
makeshop byGMO
※画像引用元:makeshop byGMO
makeshop byGMOのおすすめポイント
- 豊富な機能を搭載し、機能性・カスタマイズ性が高い
- アパレルECやBtoB-ECサイトの構築に強い
- 月額制で販売手数料がかからない
makeshop byGMOは売上手数料が0円なので、低コストで運用可能。売り上げ手数料も無料なため、売上を伸ばすほど利益も伸びるASPサービスです。
多彩な機能を標準搭載しており、機能性・カスタマイズ性の高さが特徴です。アパレルECサイトの事例が多く、取引先別に価格・送料・ポイントを設定できるなど、BtoB-ECサイト向けのオプション機能も充実しています。事業の成長を見据えて本格的に運営したい企業に向いています。
【まとめ】自社の規模・予算に合った構築方法でECサイトを成功させよう
ECサイトの構築方法には主要5方式があり、それぞれ費用や特徴が異なります。大切なのは、費用対効果を考えて自社に合った方法を選ぶこと。次の観点を判断軸に、優先順位をつけて検討しましょう。
- 事業規模・予算:年商規模と確保できる予算に見合う方式か
- 構築期間:希望のオープン時期に間に合う方式か
- 拡張性:将来の事業成長に耐えられるか
- セキュリティ・サポート:安全に運用でき、相談できる体制があるか
ここで意識したいのが、構築方法は「現在の年商」ではなく「3年後の事業規模」で判断することです。立ち上げ時の規模だけで安価な方法を選ぶと、成長時に乗り換えコストがかさみます。逆に過剰な投資も初期の負担になりかねません。数年後の目標から逆算し、過不足のない方法を選びましょう。
各方式やツールの特徴は幅広く、「結局どれが自社に合うのか判断できない」という方も多いはずです。構築方法の選定や制作会社選びに迷ったら、Web幹事の無料相談をご利用ください。Web制作・運用を経験したプロが、貴社に合った制作会社を紹介します。相談料・紹介料は無料で、紹介された会社への発注義務もありません。