- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー ECサイト
EC販売とは?始めるメリットやデメリット、手順を解説|参考事例付き【2024年最新版】
自社商品の製造・販売をしている会社のマーケティング担当者で、これからEC販売を行いたい方には下記のような悩みがあるでしょう。
「EC販売って何をすること?」
「EC販売を行うメリットを知りたい」
「EC販売を始める手順を知りたい」
経済産業省の電子商取引に関する市場調査の結果によると、国内EC市場は拡大している傾向にあり、とくにBtoC物販系の分野は毎年右肩上がりに市場規模が大きくなっています。今まではEC販売に興味があっても、価格競争に負けると売れない可能性があることなどを理由に、EC参入に至らなかった方もいるでしょう。
EC販売は実店舗よりも低コストで始められ、リスクなく始められ、実店舗では難しい遠方や海外などの顧客を集客でき販路拡大が可能です。しかし、今までにEC販売を行った経験がないと、何から始めたら良いかわからないでしょう。まずはEC販売の基本情報から把握するのが重要です。
本記事では、ECで販売することの基本を中心に、ECを展開するメリットや主な販売戦略、始める手順を解説します。注意点やEC販売の事例も紹介します。
※EC販売を始めたい方はこちらもご活用ください。
ECサイト運用で失敗したくないあなたへ D2Cサイトの調査レポート&ECサイト運用の心得 製造から販売まで、仲介業者を挟まずに自社でおこなう「D2C(Direct to consumer)」モデル。日本でもD2Cモデルを採用したブランドが登場し、EC業界に新たな市場をつくりはじめています。 そんな中 ・ECサイトをつくりたいけど、どこまでの機能を付ければ良い... 無料でダウンロードする
そもそもEC販売とは?
まずはEC販売の基本情報を把握しましょう。EC販売の概要を把握することで、始める際に必要なことを明確にできます。
- ECサイトの種類
- EC販売の業務
- ECサイトの構築費用
ECサイトの種類
種類 |
費用・相場 |
代表的なショップ |
特徴 |
---|---|---|---|
自社サイト (ASP) |
無料〜100万円 |
・Shopify ・BASE ・カラーミーショップ |
・構築費用・維持費が低コスト ・カスタマイズにも対応 ・集客は自助努力が必要 |
ECモール |
無料〜10万円 |
・Amazon ・楽天市場 ・Yahoo!ショッピング |
・ECモール自体に集客力がある ・カスタマイズしにくい ・売上手数料が引かれる |
EC販売の仕方には主に「自社EC」「モール型EC」の2つがあります。
自社EC
画像出典:Shopify
自社ECとは自社独自でECサイトを構築して、運用・メンテナンスを行う方法です。0からサイトを構築することになるので、レイアウトやデザインなどは自由にアレンジでき、サイトに搭載する機能を自由に作れるのが特徴です。自社オリジナルドメイン以外にも、ショッピングカートASP(ネットショップ)を利用する方法もあります。
※ASP:ECサイト(ネットショップ)のプラットフォームをレンタルする形で利用できるサービス
インターネット上のクラウドサービスを利用してECサイトを構築し、ASPであらかじめ用意されたデザインや機能を設定してサイトを構築していくため、サイト構築スキルがなくても簡単に作れます。ショッピングカートASPには、以下のようなプラットフォームがあります。
- カラーミーショップ
- Shopify
- BASE など
例えば皮革製品の企画・製造・販売をする老舗ブランド「土屋鞄製造所」のECサイトはShopifyで構築されています。
画像引用:土屋鞄製造所
ただし、自社ECを構築する際では集客を自分で講じなければなりません。ECサイトを立ち上げたばかりの時期は、検索エンジンからの評価を受けづらく、検索順位の上位に表示されるまでに時間がかかります。ECサイトを運用し始めて、すぐには検索からのアクセスは見込めないことに注意しましょう。ECサイトの種類や構築、開設について、詳しく知りたい方は以下の関連記事をチェックしてみてください。
関連記事:ECサイトの種類を徹底解説。ECサイト構築・開設に必要な知識ガイド
モール型EC
画像出典:Yahoo!ショッピング
モール型ECとは、オンライン版のショッピングモールに自店舗を出店したり商品を出品する方法です。オンラインショッピングモールの中で商品販売するので、自分でサイトを構築する必要がありません。販売に必要な項目を入力するだけで商品を出品できるので、思い立ったらすぐに始められるのが特徴となります。
モール型ECはすでにショッピングモールに多くのバイヤーが会員登録をしています。しかもショッピングモールは検索エンジンからサイトに対する評価が高いため、検索でも上位表示しやすいことから、検索からの集客力を利用できます。そのため、自分で顧客を集める必要がありません。販売実績が少なくても、多くの顧客に商品ページを閲覧される可能性があります。国内モール型ECを始められるプラットフォームには、以下のようなものがあります。
- Amazon
- 楽天市場
- Yahooショッピング
- ZOZOTOWN
例えば楽天市場では電化製品の販売をしているJoshinが「Joshin web 家電とPCの大型専門店 楽天市場店」を出店しています。
画像引用:Joshin web 家電とPCの大型専門店 楽天市場店
ただし、モール型ECを始めるには、出店料や手数料がかかります。楽天市場の最も安い「頑張れ!プラン」では、月額出店料が19,500円で、システム手数料が月間売上高の3.5〜7.0%です。その分、自社ECよりも利益が減ってしまうので注意が必要です。モール型ECは気軽に始めやすい分、競合が多くいます。商品の価格競争が起きやすく、自分の希望価格で販売できないかもしれません。
また、基本的にショッピングモール内での出品になります。あらかじめサイト内のレイアウトが決められていることから自分でページデザインがしづらく、自社オリジナルサイトを構築することは難しいです。
ECモールについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事をチェックしましょう。
関連記事:ECモールを徹底比較!人気のモールや料金も解説
関連記事:楽天ECサイトの作り方を解説!初心者でも簡単に出来るツールも紹介
【参考】オムニチャネル
オムニチャネルとは、企業とユーザーの接点になるチャネルを連携させて、ユーザーにアプローチする戦略です。チャネルとは実店舗・ECサイト・SNSなどを意味します。それぞれのチャネルを統合し連携することで、仮に実店舗で商品が在庫切れでも、ECサイトで在庫を確認できます。そして在庫があれば後日商品を届けられるので、顧客の利便性を高められます。すると、顧客満足度を高められ、売上のさらなる向上も実現可能です。また、オムニチャネルによって各チャネルの在庫を一元管理できると、受発注・発送業務の効率化を実現できます。
オムニチャネルを行う際は、マーケティング・店舗といった各部門との連携が重要です。会社全体の意思を統合したうえで行うようにしましょう。
※これからECサイト構築を検討されている方はこちらもご活用ください。
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EC販売の業務
EC販売の業務内容は大きく分けて2つあります。それぞれの内容を把握することで、具体的な業務をイメージできるようになります。
フロント業務
フロント業務とは商品が売れるまでに発生する業務のこと。ECサイトで商品を販売するために、メルマガ配信や広告の掲載といったマーケティングやサイトの改善なども行います。また、商品企画・調達・在庫管理といったマーチャンダイジング業務も行います。
フロント業務では商品販売の戦略に関係する業務を行うことになるので、売上に直結することになり、重要な役割をになっているのです。フロント業務を行う際は、商品情報の管理・書き換えをするために一括処理できるCSVファイルや、検索順位を素早く取得できるGoogle Search Consoleを使用すると業務を効率化できます。
バックエンド業務
バックエンド業務はフロント業務とは対照的に、商品が売れた後に発生する業務のこと。商品の登録・保管・発送といった業務が該当します。ECサイトのメンテナンスや顧客からの問い合わせへの対応もバックエンド業務に含まれます。
バックエンド業務は売上に直結することは少ないですが、顧客満足度につながります。丁寧で迅速な対応ができると、顧客満足度が高まってリピーターを獲得できるかもしれません。顧客からの問い合わせには丁寧に回答することや、梱包の中にお礼メッセージを入れるといったことを行うと満足度を高められるでしょう。
ECサイト運営の業務について詳しく知りたい方は、以下の関連記事を確認してみてください。
関連記事:【初心者向け】ECサイト運営の業務7つと必要なスキルを解説!
ECサイトを作る費用相場
自社ECサイトを構築する費用を把握していると予算を組みやすくなります。ECサイトの構築費用は高額になる傾向なので、あらかじめ把握するのが重要です。
目的 |
制作費の相場 |
制作期間 |
低コストで始めたい |
〜10万円 |
1週間〜1ヶ月 |
費用を抑えながら独自性を出したい |
10万〜100万 |
1ヶ月〜2ヶ月 |
オリジナルのしっかりしたショップにしたい |
100万〜500万 |
2ヶ月〜5ヶ月 |
事業に合わせた本格ショップが欲しい |
500万〜 |
4〜8ヶ月 |
本格的なサイト構築になるほど、制作費が高くなり期間も長くなります。あらかじめ自社の目的を明確にしてから、制作会社に依頼しましょう。
ECサイトの構築費用を詳しく知りたい方は、以下の関連記事をチェック。
関連記事:ECサイト構築の費用と料金、月額費用(維持費)を解説!【相場早見表・事例あり】
EC販売を行うメリット
EC販売を行うメリットは5つあります。メリットを把握することで、EC販売に参入する際の決め手にできます。
少ない資金で始められる
EC販売はインターネット上で商品の売買を行うので、実店舗に比べて初期費用が少ないです。実店舗は商品を販売するための店舗が必要で、家賃・固定費・人件費などが毎月かかります。販路を拡大するために店舗数を増やすほど、必要な費用が大きくなるでしょう。一方でEC販売は実店舗を構える必要がないので、家賃がかかりません。ECサイトは実店舗運営よりも人員を減らせる効果があり、人件費の削減にもつながります。
ショッピングカートASPを使うと、月額数百〜数千円でECサイトを利用できます。モール型ECでも月額利用料と販売手数料を支払えば、誰でもオンライン上で商品を販売可能です。自社ECをフルスクラッチで構築する場合は、場合によって数百万円以上かかるケースがあります。販売実績を蓄積するまでは、ショッピングカートASPやモール型ECを活用するのが無難でしょう。
顧客データを取得・獲得できる
実店舗では商品を購入する際、その場で代金を受け取るだけで取引が完了することが多いです。顧客の年齢・住所・電話番号・購買履歴といった情報を取得するのが難しいです。一方でEC販売では商品を購入する際に、氏名や住所・連絡先などの顧客情報をサイト上に入力することで、自然に顧客情報を取得できます。加えて、ECサイトの会員を獲得できると、連絡先や購買履歴といった顧客情報の管理が可能です。
蓄積した顧客データをマーケティングやアフターサポートに活用することで、新規顧客の獲得・リピーターの育成につなげられます。EC販売を行う際は顧客データを取得できるように、会員登録に促す導線を設計しましょう。例えば新規会員登録限定の割引クーポンを利用すると、顧客に登録してもらいやすくなります。
初心者でもチャレンジしやすい
EC販売は低リスク・低コストなので、初心者でも始めやすいのが特徴。そのため、上手くいかなかったときの撤退もスムーズに行えるのです。実店舗のように物件の契約もないので、撤退の意思決定から完了するまでの時間が短いです。
また、EC販売ではカラーミーショップやBASEといった無料のショッピングカートASPが豊富にあります。サイト制作のスキルがなくても必要なデザインや機能を設定するだけで、ECサイトを作れます。いきなりフルスクラッチで自社ECを始めると100万円以上の初期費用が必要です。初心者はASPやモール型ECを活用すると良いでしょう。
遠方の地域や海外にも販売できる
実店舗運営は現地に足を運べる顧客が対象であり、近場の顧客しか集客できません。EC販売では取引がオンライン上になるので、遠方の地域や海外にも商品販売できます。EC販売は場所の制約がないことから、実店舗よりも顧客の集客がしやすいのです。
海外向けに商品を売る際は海外対応のASP・越境ECを利用すると、自動的に外国語へ翻訳する機能によって販売できます。顧客の国籍に合わせたECサイトを構築する必要がなく、国内の顧客に向けて商品を販売する方法で出品できます。
関連記事:越境ECとは?おすすめの商材や注意点、日本企業の事例など基本を解説
ユーザーは価格を手軽に比較できる
実店舗で商品価格を比較するには、複数の店舗を回らなければなりません。EC販売を行うと顧客が店舗に行く必要がなく、顧客がインターネット上で手軽に商品の価格を比較できます。低価格の商品を販売できると、自社商品を閲覧してもらいやすくなり、売れる確率が高まるでしょう。また、EC販売では在庫を問わず購買できるのも特徴の1つです。ECサイトでお目当ての商品が品切れでも、検索することで在庫がある他の店舗を見つけやすくなっています。
EC販売を行う際は顧客が価格を見やすいように、文字サイズ・色などを変更しましょう。肝心の価格が見えづらいと、ユーザーも「どこに価格が書いてあるかわからない」「この価格以外にも実は小さい文字で追加料金発生条件などどこかに書いているのでは?」と警戒して、注文してもらえにくくなる恐れがあるので注意しましょう。加えて、サイト内では価格帯で商品を検索できるようにすると、顧客が価格帯ごとに商品を探しやすくなります。
ECサイトのメリット・デメリットの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:ECサイトのメリットとデメリット。ECの定義から構築方法まで徹底解説
EC販売のデメリット
EC販売を行う際にはデメリットが3つあります。把握していないと、EC販売でトラブルが発生するかもしれません。EC販売をするなら、デメリットは必ず把握しましょう。
Webの専門知識が必要になる
EC販売ではサイトを運用することになるので、少なからずWebページ作成・HTMLなどの知識が必要です。場合によっては、写真撮影や加工などのスキルも必要。ある程度の専門知識がないと、ECサイトの運営で苦労するかもしれません。
自社だけでECサイトの運用を行うことが不安なら、コンサルを受けることやEC販売代行会社に依頼するといったことも1つの方法です。
集客に時間がかかる
ECサイトを立ち上げたとしても苦労するのが集客です。実店舗であれば近所にチラシを配ったり、情報誌に掲載したりしますが、ECサイトはWebの集客の知識が必要になります。
集客方法 |
優先度 |
メリット |
---|---|---|
リスティング広告 |
高 |
|
SEO対策 |
高 |
|
コンテンツ |
高 |
ユーザーの購買意欲を向上できる ブランドのファン化を促進できる |
SNS |
中 |
|
インフルエンサー による紹介
|
中 |
短期間で一気に知名度を上げやすい 客観的視点での感想を発信してもらえる 口コミが拡散しやすい |
自社ECは立ち上げたばかりの頃だと、ユーザーや検索エンジンからの評価を受けづらくSEOが弱い状態です。そのため、検索結果の上位に表示されづらく、アクセス数が伸びにくい傾向です。サイトを立ち上げてから軌道に乗るまでに時間がかかるので、すぐには購入につながらない可能性があります。EC販売サイト運用が軌道に乗るまでは、SNS運用やWeb広告なども行うと、すぐに集客しやすくなります。
関連記事:ECサイトの集客を伸ばすには?効果的な集客方法や成功事例について解説
送料の設定はサイト公開前に明確にしておく
EC販売を行う際は送料設定をあらかじめ明記しておくことで、想定よりも高い料金が請求されるといったトラブルの回避が可能です。サイトには発送方法や送料といった情報を記載しましょう。とくに地域別の送料を記載しておくと、顧客が購入に必要な料金を計算しやすくなります。すると、顧客の利便性が高まるので、リピーターにつながるかもしれません。
EC販売を始める手順
EC販売を始める手順は大きく分けて7ステップです。今までにEC販売の経験がないと、何から始めたら良いのかわからないでしょう。EC販売の手順を把握していると、スムーズに始められます。
ターゲット・コンセプトを決める
顧客 |
・30〜40代の独身男性がメインターゲット ・髪の衰えが気になり始め、成分数が多い種類を求める傾向にある ・買い替えの手間の少ない大容量シャンプーがニーズが強い |
---|
ターゲット・コンセプトを決めることで、効率よく見込み客を集客できます。ECサイトを立ち上げたばかりの時期は、実績が少ないのでアクセス数が伸びにくいです。その状態でターゲット層を決めないでいると、誰にも刺さらない内容のサイトになってしまい、サイトに訪問した顧客が「このサイトには欲しい商品がなさそう」と感じます。
例えば、実績がない状態で手当たり次第で幅広いジャンルにて商品を販売するよりも、特定のジャンルにて商品を専門に扱うサイトのほうが、ターゲットからの認知を拡大しやすいです。「〇〇といったらこのサイト」というイメージがユーザーの間で定着しやすくなります。また、特定のジャンルに特化していると、関連商品も同時に購入してもらえる可能性があります。
ECサイトのターゲット・コンセプト決めでは「誰に商品を届けたいのか」「顧客にどんな価値を提供したいのか」を軸にして決めていく必要があります。その中でオーダーメイドといったオリジナリティを出せると、競合他社との差別化ができるようになります。
販売商品を決める
強み |
・男性シャンプーに特化したお店なので顧客が探しやすい ・男性用シャンプーの品揃えは競合より多い ・自社のオリジナルシャンプー(PBブランド)が安く買える ・ビジュアルで見せるよりも、商品の説明テキストを強化する |
---|
ターゲット・コンセプトをもとに「何を販売したいのか」「どのような商品を顧客に届けたいのか」を決める必要があります。例えば、洋服に悩んでいる大学生をターゲットにするのであれば、比較的安価で購入できる洋服や、着回しができるようなものを販売すると決められるでしょう。
開業の許可を取得する
許可・資格 |
届け出先 |
法律 |
|
---|---|---|---|
食品 |
食品衛生法に基づく営業許可 食品衛生責任者 |
管轄の保健所 |
食品表示法 食品衛生法 |
中古品 |
古物商許可申請 |
管轄の警察書 |
|
化粧品 |
製造販売業許可 製造業許可 |
各都道府県の薬務課 |
医薬品医療機器等法 |
酒類 |
酒類の販売業免許 |
所轄の税務署 |
酒税法 |
医薬品 医療機器 |
製造販売業許可 製造業許可 |
各都道府県の薬務課 |
薬事法 医薬品医療機器等法 |
ペット |
動物取扱業 |
都道府県の動物保護センター |
動物愛護管理法 ペットフード管理法 |
輸入品 |
関税手続き |
税関 |
商品によっては販売に許可が必要なケースがあります。必要な許可を取らないで販売した場合、法律違反となって懲役または罰金が課せられる可能性があるのです。例えば取り扱い商品によって、以下のような許可が必要です。
- 中古品(警察署):古物商許可証
- 食品(保健所):食品衛生責任者免許、食品衛生法に基づく営業許可
- 酒類(税務署):一般酒類小売業、通信販売酒類小売業免許
医薬品や化粧品などの薬機法のように、広告の表示にも法的な規制がされているケースがあります。販売する商品が決まったら、必ず開業の許可の有無を確認しましょう。例えば古物商許可証の申請は、営業所の所在地を管轄する警察署に行くことで手続きを進められます。
関連記事:はじめてのネットショップ開業手続き~届け出から許可申請まで~
必要な機材を揃える
EC販売はパソコンがあれば始められますが、以下のような機材があると効果的な取引ができます。
- カメラ:商品の写真を撮影する
- 画像編集ソフト:撮影した写真を編集する
- 電話・ファックス:商品・取引の問い合わせに使用する
- プリンター:納品書や請求書などの印刷に使用する
とくにEC販売では、ユーザーが手にとって商品を確認できないので、写真が重要な役割を担います。写真1つで売上が変わることもあるので、時間かけてでも綺麗な画像を用意しましょう。写真を撮影する際は、商品のアップと全体がわかるものと色んなアングルから撮影した画像を用意すると、顧客が商品のイメージをしやすくなります。
関連記事:ECサイトの売上につながる写真の撮り方、注意点まとめ!
開業方法を決める
種類 |
費用の目安 |
特徴 |
代表的なショップ |
---|---|---|---|
ASP |
無料~300万円以上 |
・構築費用・維持費が低コスト ・カスタマイズにも対応 ・他社へ乗り換えがしにくい |
・BASE ・Shopify ・カラーミーショップ |
オープンソース |
10万〜500万円 |
・乗り換えがしやすい ・カスタマイズにも対応 ・サーバーが必要 |
・EC-CUBE ・Magento |
パッケージ |
100万〜500万円 |
・導入スピードが早い ・他社への乗り換えがしにくい ・機能が提供サービスに縛られる |
・EC-ORANGE ・ecbeing ・ebisumart |
開業方法を決める際は「自社EC」「モール型EC」「オムニチャネル」から選択します。自社ECではASP・パッケージ・フルスクラッチなどがあり、オリジナリティを出せてブランディングの効果が期待できます。一方でモール型ECはすでに登録ユーザーがいる状態なので、始めたばかりの実績がない状態でも効率よく集客が可能です。
自社の目的に応じて開業方法を決めましょう。最も効率良くEC販売を行うなら、オムニチャネルが効果的です。オムニチャネルであれば、ECサイト・実店舗・SNS・動画配信といった複数の媒体で顧客との接点を作れるので、短期間でアクセス数の増加を見込めます。
関連記事:ECプラットフォームとは?選び方、4つのサービスを徹底比較!
決済方法を選択する
対応する決済方法の種類によって、顧客の利便性に関わり、ECサイト利用率に影響がでます。複数の決済方法を用意して顧客が選べるようにすると、決済画面で購入を取りやめて離脱する可能性を低くできるのです。例えば、EC販売には以下のような決済方法があります。
- クレジットカード決済
- 銀行振込
- コンビニ決済
- キャリア決済
- 代金引換
- ポイント決済
- QRコード決済
とくにクレジットカード決済の準備は必須です。なぜなら、株式会社ジェーシービーの全国の一般消費者を対象にした「クレジットカードに関する総合調査」では、キャッシュレスの保有率でクレジットカードが86%と非常に高い水準でした。多くの顧客がクレジットカードを保有しているので、決済方法に加えると良いでしょう。
参考:JCB
加えて、現金でも商品を購入できるように銀行振込や代金引換なども用意しておくと、顧客の要望に応えられるでしょう。決済方法を選択する際は、ECサイトのターゲットの年代に合ったものを選んでみてください。例えば学生をターゲットにするのであれば、クレジットカードよりも電子マネーやコンビニ決済のニーズが高いケースがあります。
集客を行う
とくに自社ECは自分で集客を行わなければならず、何もしないままだとアクセスを集められません。有料になりますが、短期的に集客効果を得たいならWeb広告やSNS広告が適しています。また、効果発揮に時間はかかるものの無料でできるものなら、ブログやSNS運用などがいいです。うまくいけば、継続的な集客効果が生まれます。
EC販売で集客を行う際は、ターゲットに合わせた施策を行いましょう。例えば10代を集客したいのであれば、比較的利用率が高いSNS広告やSNS運用を開始できます。
ECサイトで行うWeb広告の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:ECサイト運営者のWeb広告・マーケティング戦略完全ガイド!広告からメルマガ、コンテンツマーケティングまで
ECサイトの作り方の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:【プロ監修】売れるECサイトの作り方を準備から開設・集客まで徹底解説
【ジャンル別】EC販売の参考事例
ジャンル別のEC販売の参考事例を把握することで、自社サイトにも活用でき、効果的なサイトを構築できるでしょう。
アパレル・ファッション
画像引用:.st
.stは1,100万人以上の会員が利用するファッションECです。「GLOBAL WORK」「 niko and ...」といった有名アパレルブランドを中心に33ブランドの洋服が購入できます。最大の特徴は、ショップスタッフによるスタイリングや動画での商品レビューを掲載していること。実際にショップスタッフが洋服を着用することで、顧客が購入後の着回しをイメージできるようになっています。レビューでは商品の感想をプロ目線で聞けるので、購入の参考にできるでしょう。
トップページのファーストビューではセール情報や、ライブ配信サービス・SNSのリアルタイム映像を通じて商品の購入を促すライブショッピングの予告といった顧客に注目してほしい情報を発信しています。すると、顧客の目に留まりやすいので、興味を持ちやすく思わずクリックしてみたくなる印象を与えます。
アパレルECサイトで成功する対策については、以下の関連記事をチェック。
関連記事:アパレルのECサイトで成功する対策、成功事例まとめ
食品
画像引用:職人醤油
職人醤油は全て100mlの醤油を販売するECです。日本人の食卓には欠かせない醤油の販売を行っています。最大の特徴は、販売されている醤油が全て100mlであること。内容量が少ないことで、顧客が気に入った醤油を気軽に購入して味を試せるようになっています。日本各地の400以上の醤油蔵を訪問して商品をセレクトしているので、普段の生活では買えないような希少なものを購入できます。
同ECでは「おいしい醤油の選び方」や「九州の醤油が甘い理由」といったコンテンツを掲載することで、検索キーワードからの流入を獲得しています。醤油の種類や使い方、レシピなど豊富なコンテンツが用意されており、顧客に有益な情報を届けることで、顧客育成効果を高めているのです。
ECサイトの運用に加えてSEOでの集客も行っていきたいなら、同ECを参考にしてユーザーの悩みを解決できるコンテンツを発信しましょう。
趣味・おもちゃ
画像引用:セガトイズ.com
セガトイズ.comは子供から大人まで楽しめるおもちゃを販売するECです。セガトイズ.comの特徴はトップページから「おすすめ商品」「対象年齢」「キャラクター別」などの情報で商品を探せる点です。顧客が欲しい商品を素早く探せる設計になっているので、利便性を向上できるようになっています。
トップページのファーストビューでは画像のスライドショーを使用して、新商品・人気商品の宣伝を行っています。顧客に興味を持ってもらいやすく、ついクリックして商品ページを閲覧してしまう設計です。ヘッダーに「送料無料まであと◯◯円」という表記がされているので、複数商品をまとめて買ってもらいやすくなっています。1人あたりの購入単価を高める効果を期待できます。
インテリア・生活雑貨
画像引用:こどもと暮らし
こどもと暮らしは、お子さんがいる家庭向けのインテリア・雑貨を販売するECです。同サイトではメニューバーやボタンに、お子さん向けの可愛いイラストを使用しています。ECサイトのターゲット・コンセプトに合うデザインとなっており、サイトの訪問者が一目で「子ども用の家具・雑貨」を販売していると判断できます。加えて、オリジナリティを演出できるため、競合サイトとの差別化ができ、顧客に覚えてもらいやすい効果があるのです。
また、新規会員登録で300ポイントをもらえることを記載しており、会員登録を訴求。EC販売で会員登録者を増やしたいなら、割引やポイント付与といった特典をつけてみるとよいでしょう。
化粧品・コスメ
画像引用:華密恋
華密恋はカモミール(地中海沿岸原産のハーブの一種)のエキスを使用した化粧品を販売するECです。同社では農薬を使わずに有機肥料でカモミールを栽培するほど成分にこだわっており、ベージュやブラウンといったナチュラル志向を演出できるカラーを、サイトに使用。すると、化粧品には体に良い成分が含まれているというブランドイメージを与える効果があります。
トップページでは、初めての方限定のお試しセットへのアクセスするコンテンツを掲載しています。「初回限定」「送料無料」「在庫限りで終了」という言葉を使用して、特別感を演出してお試しセットを訴求。これにより商品の良さを実感してもらい、継続的な購入につなげることが可能です。
化粧品のEC販売を検討している方は、初回限定のお試しセットを提供することで、多くの方に商品の良さを知ってもらえるでしょう。
【参考】ECの販売戦略
代表的なEC販売戦略を把握すると、効率的に集客を行えるようになります。適切な販売戦略を行えないと、アクセス数の増加につながらない可能性があるので、しっかり把握しましょう。
複数のECモールに出店する
複数のモールに出店すると、顧客との接点を増やす効果があります。とくにECモールは知名度が高く集客数を増やせるので、商品の購入確率を高められるのです。国内で認知度が高いECモールには、Yahoo!ショッピングやAmazon、楽天市場があります。人によっては1つのモールしか利用していないケースもあるため、複数モール展開をすることで、自社の出店ページの知名度を拡大でき、より多くの新規顧客の獲得につながるでしょう。
オリジナルECサイトを構築してブランディングを行いたいなら、自社ECとモールの双方を活用すると効果的です。自社ECは成果が出るまでに時間がかかる傾向にあるので、ECモールで新規顧客を獲得します。自社ECでキャンペーンやクーポンを活用することで、リピーターの育成を実現可能。そして自店舗のファンにさせることも可能です。
海外への販売をするなら越境ECを活用する
越境ECとは、海外の消費者に向けて商品を販売できるプラットフォームです。国内のショッピングモールではほとんどが国内の消費者なので、海外向けに商品を販売できません。海外に商品を販売するには、越境ECを利用する必要があります。越境ECの登録顧客の多くが外国人なので、海外に販路を拡大できます。例えば越境ECには、以下のようなものがあります。
- 米国版Amazon
- eBay
- タオバオ
基本的に取引の流れは国内販売と大きく変わりません。発送先が海外になるだけなので、難しい作業はないです。ただし当然ですが、越境ECを活用する際は顧客が外国人になります。顧客との取引メッセージは外国語を使用することになるでしょう。語学力が不安なら、翻訳サービスを利用すると問題なく取引を行えます。
関連記事:越境ECとは?おすすめの商材や注意点、日本企業の事例など基本を解説
SNSを活用する
直接利益につながりませんが、TwitterやInstagramなどのSNSを利用することで、顧客との接点を作れます。例えば、SNSでEC販売の告知を行うことで、興味を持った顧客がECサイトに訪問してくれます。そのため、SNSからの流入につながるので、購入を促すことも可能です。
SNSは拡散性に優れている特徴があり、多くの顧客にEC販売の告知を閲覧してもらえる可能性があります。EC販売でSNSを活用する際は、ライブ配信機能を使うのが効果的です。ライブ配信機能を使うと視聴者にリアルタイムの映像を配信できるので、商品の説明や使用した感想などを伝えられます。ECサイトへ促す導線づくりになり、売上アップを期待できます。
ECサイトに必要な機能
ECサイトに必要な機能を把握すると、顧客の満足度を高められるサイトを構築・運用できます。ECサイトに必要となる機能には、以下のようなものがあります。
機能 |
詳細 |
商品系の機能 |
商品管理 在庫管理 商品レビュー 商品検索 |
会員系の機能 |
会員登録・管理 問い合わせ メール配信 FAQ マイページ |
注文系の機能 |
注文管理 決済管理 出荷管理 ショッピングカート |
販促系の機能 |
キャンペーン クーポン |
商品管理とは、ユーザー側がサイト内で商品を検索して見つけやすくする機能。マイページとは、サイトに登録した会員限定のページで、氏名・住所・決済情報などを保存できる機能です。
ECサイトにあると便利な機能は以下のとおりです。
- SNS連携
- 商品ランキング
- チャット
ECサイトの立ち上げに必要な機能を選定する際は、顧客の利便性を高められるのかを意識しましょう。例えば商品レビューページがあると、他の購入者の生の声を聞けるので購買の判断をしやすくなります。顧客の利便性を高められると、満足度がアップしてファンの獲得につながります。継続的な購買を見込めるので、売上を安定させられるでしょう。
ECサイトに欲しい機能について、詳しく知りたい方は以下の関連記事をチェック。
関連記事:ECサイトに欲しい機能・仕組みを徹底解説!売上をアップするための機能要件
※EC販売について相談したい方は、Web幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
EC販売まとめ
EC販売とはインターネット上で商品・サービスを取引すること。EC販売では実店舗を構える必要がないので、低コストで始められるのが特徴となります。万が一上手くいかなかった場合でもスムーズに撤退できるため、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。
EC販売を始める際はターゲット・コンセプトを決めることや売る商品を選定するといった手順が必要です。とくにターゲット・コンセプトを決めないと、効率的な集客ができなくなります。まずはEC販売のターゲット・コンセプトを決めることから始めましょう。
それでも、自社でEC販売をすることに不安があるなら、Web幹事にご相談ください。
※EC販売について詳しく知りたい方は、Web幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
コンサルタントのご紹介
代表取締役
岩田 真
2015年にWeb制作会社を設立し、
3年間で上場企業を含む50社以上制作に携わらせていただきました。
ホームページ制作のオンライン相談窓口「Web幹事」は、35,000件を超える豊富な相談実績と幅広い知識で、お客様のあらゆるニーズにお応えします。
Web制作業界のプロが丁寧にヒアリングしますので、
初心者の方でも安心してご相談ください!
Q. EC販売には何種類ありますか?
EC販売には自社ECサイトとECモールの2種類があります。EC販売を開始する前に、まずはどちらで始めるかを決めなければなりません。
Q. EC販売のメリットは?
EC販売のメリットは「少ない資金で始められる」「顧客データを取得できる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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・コーポレートサイト
・ランディングページ
・ECサイト
・オウンドメディア
・採用サイト
の相場の情報を徹底解説。
さらに相場を理解するためのポイントや
ホームページを業者に依頼する前の準備方法も
合わせて解説。
ホームページを依頼したいが、相場が分からず心配
という方はぜひダウンロードしてください。
この記事を書いた人
坂田憲亮
専門分野: Webマーケティング
フリーランスのSEOマーケター/Webライター。業界大手の採用メディア制作部を経て30歳を機に独立。各種オウンドメディアのSEO構築、ディレクション、ライティング、取材撮影、デザインまで一環して担当する自称・マルチクリエイターとして多岐にわたり活躍中。