- 更新日 2024.08.20
- カテゴリー Webマーケティング
地方のWebマーケティングのポイントをプロが解説!地方企業にホームページは不要?【2024年最新版】
地方にある企業はどのようにのebマーケティングを行うべきか知りたい方もいるのではないでしょうか。
本記事では、地方企業のWebマーケティングのポイントを、岡山県のホームページ制作会社「株式会社CODE54」代表兼Webディレクターの筆者が解説します。
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地方でWebマーケティングは本当に必要?
地方企業にホームページは、本当に必要でしょうか?
地方に行けば行くほど、リアルやアナログな影響力は大きくなります。
ホームページは必要なく、商売がまわっている会社様や店舗様もあると思います。
ただし、特定のお客さん以外の離れた場所の方に知ってもらったり、来てもらったりするには、ホームページが最終的な判断材料になるといっても、過言ではありません。
今回はWebディレクターである筆者が、地方のホームページの実情を踏まえた視点で「地方でホームページを活用する際のポイント」を解説します。
地方こそWebマーケティングを強化すべき理由
地方企業こそWebマーケティングを活用することで集客や売上向上が期待できます。ここからは、地方企業がWebマーケティングを強化すべき3つの理由を解説します。
比較的競合が少ない
地方の企業こそWebマーケティングを上手く活用することで競合他社に差をつけられます。地方は大都市圏に比べてWebマーケティングを強化している企業がまだまだ少ないからです。比較的競合が少ない分、ビジネスを成長させるチャンスが広がっているのです。
例えば、地域特化型のキーワードを用いたSEO対策を行うことで、検索エンジンの上位表示を獲得しやすくなります。「〇〇県 △△サービス」といった地域名を含むキーワードは、競合が少ないため上位表示が比較的容易です。
Webマーケティングを取り入れている企業が少ないからこそ、早期に導入して施策を行うことで、成果が出やすいといえます。
より広い客層に自社を知ってもらえる
Webマーケティングを強化することで、幅広い顧客層に自社を知ってもらえるメリットもあります。
従来の地方企業のマーケティングは、チラシやローカルメディアが中心でしたが、Webマーケティングを活用することで、地理的な制約を超えて情報を発信できます。従来のターゲット層だけでなく、新たな顧客層の開拓につながるのは、大きなメリットだといえるでしょう。
例えば、SNSマーケティングを活用することで、若年層へのアプローチが容易になります。また、コンテンツマーケティングを通じて、自社の専門性や独自性をアピールすることで、遠方の顧客をに興味を持ってもらうことも可能です。
Webマーケティングでの伸びしろが大きい
地方企業がWebマーケティングを強化すべき理由として、伸びしろの大きさも挙げられます。
地方には、特産品や伝統的な商品、地方特有の魅力的なサービスがあるものの、世の中に知られていないケースが多いです。Webマーケティングを強化すれば、より多くの人に情報を届けられます。
例えば、地方の小売業者がECサイトを立ち上げ、Google広告とSEO対策を組み合わせることで、認知度や売上アップを図れます。
適切なWebマーケティング戦略を展開することで、大きな成果を上げられる可能性が高いでしょう。伸びしろがあるWebマーケティングは、地方企業の成長に効果的な戦略といえます。
地方と大都市圏とのWebマーケティングの違い
Webマーケティングは、地域を問わず重要な戦略ですが、地方と大都市圏では特性やアプローチに違いがあります。
地方と大都市圏におけるWebマーケティングの主な違いを3つの観点から詳しく解説します。
ターゲットの人口と属性
地方と大都市圏でのWebマーケティングにおける大きな違いは、ターゲットの人口と属性です。大都市圏は人口が多く、多様な属性の人々が集まっているのが特徴で、細分化されたターゲティングが可能です。
一方、地方は都市部に比べて人口が少なく平均年齢も高いです。そのため、自社のターゲットとなるユーザーがいるか事前の調査が必要になります。
企業の組織・予算
Webマーケティングの実施体制にも、地方と大都市圏で違いがあります。
大都市圏の企業は比較的規模が大きく、Webマーケティングの専門部署や担当者を置いているケースが多い傾向があります。SEO対策やSNS運用、コンテンツマーケティングなど、各分野に専門家を配置しているのです。また、外部の専門会社と連携するケースも多く見られます。
一方、地方企業では、少人数で多くの業務を担当することが一般的です。Webマーケティングも他の業務と兼任で行われることが多く、専門知識を持つ人材が不足しがちです。予算面でも違いがあります。大都市圏の企業は比較的潤沢な予算を確保できる傾向があります。一方、地方企業は限られた予算内でのマーケティングを実施しなければならないケースが多くあります。
このような状況下で地方企業がWebマーケティングを効果的に行うには、費用対効果の高い施策を選択することが重要です。例えば、無料のSNSを活用したり、地域密着型のコンテンツを自社で制作したりするなどの工夫が必要になります。
商習慣
地方と大都市圏では商習慣にも違いがあり、Webマーケティングの方向性にも影響を与えます。大都市圏の消費者は、最新のトレンドや新しいテクノロジーに敏感で、オンラインショッピングやデジタルサービスの利用に慣れています。そのため、革新的なWebマーケティング手法を取り入れやすい環境にあります。
一方、地方では伝統的な商習慣が根強く残っていることが多く、対面でのコミュニケーションを重視するケースが多い傾向があります。地域のつながりや信頼関係が商取引の基盤となっていることも少なくありません。また、情報の流入源がテレビや人からの口コミ中心になりやすく、信用獲得のために長期のイメージ作りが必要です。
商習慣の違いは、Webマーケティングの戦略にも反映させる必要があります。大都市圏では最新のデジタルマーケティング手法を積極的に導入できますが、地方では従来の商習慣とWebマーケティングをうまく融合させることが求められます。
地方でWebマーケティングを活用する際のポイント
地方でホームページを活用するには、アナログな施策との組み合わせが重要です。地方のユーザーは、お問い合わせや依頼をするかを検討する場合に、ネットだけの情報ではなく、アナログな情報収集を行うことがよくあるからです。
その際、知り合いや友人、同僚などに、評判を聞いたりします。
つまり、ネットの情報とリアルな情報の組み合わせで、問い合わせたり、依頼したりするかを最終的に判断するわけです。
リアルな知名度をどうやって上げていくか・口コミの力
それでは、リアルな知名度は、どうすれば上がっていくのでしょうか。
地方の中小企業や店舗では、予算を膨大につぎこんで知名度を上げていくという手段はなかなか選択しづらいケースがほとんどではないでしょうか。
その場合、費用対効果の高いことを地道にコツコツとやっていくことが大事だといえます。
たとえば、下記のような手段です。
- 商工会などの各種団体への所属
- 勉強会、交流会への参加
- チラシ配り
自社ですぐに実践できるところから始めて、コツコツと継続していくことが、リアルな知名度を上げていくことにつながります。
アナログなマーケティング施策の掛け合わせが大事
アナログなマーケティング施策の掛け合わせが重要な理由は、消費者の情報収集プロセスにあります。
多くの人は最初から「目的+地域名」でネット検索をするわけではありません。その代わり、リアルな口コミや紙面広告、看板広告などのアナログな方法で情報を得ることが一般的です。これらの方法で会社名や店舗名を知った後、その名前でネット検索を行うケースが多いのです。
そのため、Webマーケティングの入口として、アナログな媒体との組み合わせが重要になってきます。
地方でWeb集客・マーケティングを成功させるための手順
1:リアルで会社を知ってもらう取り組みを行う
地方では「知っている」「聞いたことがある」「〇〇さんの知り合い」「よく見かける」という親近感が、安心感につながる傾向があります。
そのためには、商工会などの団体に所属したり、勉強会や交流会に顔出ししたりすることも、重要な営業活動の1つです。
2:会社名で検索された時は、検索結果に表示されるように
はじめの一歩としては、会社名や代表者名の固有名詞のキーワードで検索される「指名検索」でしっかりと上位表示されることに取り組んでいきましょう。
名刺交換やチラシ、看板、口コミなどのアナログ媒体で会社名を知った場合はその後の行動として、会社名で検索されるケースが多いからです。
それでは、どうすれば、指名検索で出てくるようになるのでしょうか。
そのためには、会社名や代表者名をテキストとして、きちんとページのコンテンツに埋め込んでいくことが大切です。
また、画像を配置する際にもalt属性にキーワードを埋め込むなど、細部にわたって作りこみを行うことが、検索の際に上位表示させる有効な手段の1つになります。ユーザーが欲している情報を漏れなくホームページに掲載していくのが重要です。
3:自社のホームページに来たユーザーに、問い合わせしてもらう
ホームページを閲覧された後の、問い合わせの導線もしっかりと用意しておきましょう。
問い合わせボタンを配置したり、問い合わせの際に入力してもらう項目をなるべく少なくしたりするなど、問い合わせされやすくするしかけ作りを考える必要があります。
例として、下記のようなお問い合わせフォームをご紹介します。
ポイントは以下の通りです。
- 画面上部のわかりやすい位置に配置されている
- お問い合わせのリンクが着色されていて、認識しやすい
- 電話番号も記載されている
- 返信されるめやすの期間が記載されている(〇営業日以内に返信など)
- 記入する項目が必要最小限であること
- 記入例が記載されている
このように、お問い合わせフォームひとつにおいても、はじめてサイトを訪れた人が、問い合わせしやすくなるように、配慮していくことが大切です。
地方でWeb集客・マーケティングによる集客加速させるための施策
地方の方がSEOのマーケティング効果が高い
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語でいうと、「検索エンジン最適化」を指します。検索結果の上部に、自社のWebサイトが表示されるために行う取り組みが、俗に言われる「SEO対策」です。
地方では都市圏に比べると、SEOによるマーケティング効果が高い傾向があります。
それは「ネット広告」=「自分の求めていない売り物」
という意識があるからです。
このように、地方ではネット広告に対しての拒否感がやや強い傾向もあり、ネット検索後の広告リンクがクリックされる率が低いです。検索結果の1ページ目に表示されているならば、そちらのリンクのほうがクリックされやすく、ネット広告よりもSEOをしっかりと行ったほうが費用対効果が高いといえるでしょう。
ただし、ここで注意してほしいことがあります。SEO業者に丸投げしたり、キーワードをやみくもに連発したり、リンクを多くもらえば(買えば)順位が上がるといった古い、誤った情報に飛びついてはいけません。
ユーザーにとって欲しい情報をコンテンツとして、地道に掲載していくことが大事です。健康法と同じで、これを行えば検索順位が上がるというものはないので、ユーザー目線に立って、有益なコンテンツを作ることを心がけましょう。
SNSの活用(Instagram・Facebook・X(Twitter))
地方ではネット広告よりもSNSの活用をしたほうが効果が出やすいケースが多く見受けられます。SNSでは制作業者に依頼することなく、タイムリーな情報を発信ができる上、ユーザーと直接やりとりすることが可能です。
SNSではユーザー層に適したプラットフォームを選ぶのが大事です。
例えば、BtoCではInstagram、BtoBではFacebook、若い世代層向けや話題作りではX(Twitter)のように使い分けるのです。
また、SNS運用の発展としてSNS広告があります。
SNS広告は何気なく眺めているタイムラインに表示されることから、広告と気づかずに閲覧されるケースも多く、費用対効果は大きいでしょう。
ローカルビジネスはMEOを活用しよう
MEOとは、Map Engine Optimization の略で、日本語でいうと、「地図エンジン最適化」を指します。
Google検索で、地域名+サービスの組み合わせとして、例えば「岡山 美容院」というキーワードで検索した際に、Googleマップとともに表示される検索結果があります。
そこで自社、店舗などの施設を上位表示させるための対策になります。
MEOを行うには、Googleアカウントを作成してGoogleマイビジネスへの登録が必要です。
できるだけ多くの項目を記入して登録すると良いでしょう。
最近、MEO業者による悪質なトラブルなど何かと話題のMEOですが、自分自身で活用することに関しては、費用対効果の高いWebマーケティングだと考えられます。
スマートフォン利用者の増加とともに、Google Mapで検索されるユーザーも増えているからです。
デジタル広告の活用
地方企業がWebマーケティングで集客を加速させるための施策の1つに、デジタル広告の活用が挙げられます。
特に、Google広告やSNS広告は、効果的なツールとして注目されています。Google広告は、検索意図の高いユーザーにアプローチできる点が大きな魅力です。地方企業の場合、地域特化型のキーワードを使用することで、効率的に見込み客にリーチできるでしょう。
SNS広告は、ターゲットの属性や興味関心に基づいて広告を配信できる点が強みです。年齢や性別だけでなく、趣味や行動パターンなどの詳細な条件を設定できます。
デジタル広告を活用する際は、まず小規模な予算で試験運用し、効果を測定しながら徐々に規模を拡大していくと良いでしょう。地域に即したメッセージや、地元の人々の共感を得られるような広告にすることで、より高い効果が期待できます。
O2O(オフラインtoオンライン)を意識した施策を試す
地方企業にとって、オフラインとオンラインの双方からマーケティングアプローチを行うO2O(Online to Offline)戦略も効果的です。
O2Oでは購買活動の流れが以下のように、オンラインとオフラインの両方で行き来する状態になります。
- 店舗(オフライン) → WEBサイト(オンライン)へ
- WEBサイト(オンライン) → 店舗(オフライン)へ
たとえば、服屋で直接商品を見てネットで購入する、あるいは、ネットで商品を見つけて店舗で直接購入するなど、現代では購買体験が実店舗とネットの垣根を越えて行われています。
とりわけ地方では、地域の人と人とのつながりが強く、対面でのコミュニケーションが好まれることが多いです。店舗やイベントなどのオフラインでの交流を起点に、ホームぺージやネットショップなどのオンラインへの集客が期待できます。
地方では店舗までの移動も大変になりがちなので、配送サービスも重宝されています。地方の企業こそ、O2Oを意識した施策を試すことをおすすめします。
Webサイトのリニューアル
地方企業の多くは、まだWebサイトを十分に活用できていない状況にあります。何年も同じWebサイトを使い続けている企業も少なくないでしょう。
そのため、Webサイトのリニューアルは、集客を加速させるための一助となります。特に、ライバル企業のWebサイトが古い場合は、自社サイトをリニューアルすると有利に働く可能性があります。
Webサイトのリニューアルで、見た目や機能面が改善され、企業イメージの向上を図ることが可能です。さらに、 サイト内の導線を最適化し、問い合わせフォームへのアクセスを容易にすることで、見込み顧客の獲得にもつなげられます。
地方のWebマーケティング成功事例
最後に、我々の地元「岡山」で高品質なホームページを展開している事例をご紹介します。
藤田病院
画像引用:藤田病院
藤田病院のホームページでは、採用情報の先輩の声のコンテンツでは、実際に勤務されている方の写真と、メッセージが掲載されているのが特徴です。求人への応募を考えている方からのアクセスを獲得しており、求人応募の増加にもつながっています。
岡山アークバレー交流会
画像引用:岡山アークバレー交流会
岡山アークバレー交流会のホームページでは、毎月の交流会の告知内容がトップページにわかりやすく配置されており、交流会のレポートも写真つきで更新されているのが特徴です。
Facebookも運用しており、イベントの告知から、参加者募集まで行っています。
また「交流会 岡山」というキーワードで検索した際に上位表示できていることから、安定した参加者数を確保しています。
【コラム】業者に丸投げは失敗の元
ホームページはよくわからない、SNSはめんどくさい…など、詳しく調べないまま、業者に丸投げしてしまうと失敗してしまうリスクが高まります。
もちろん、デザインや専門的な技術部分は、業者任せで構いません。
しかし、何を売りにして、どのような人をターゲットにするか、運用をどうやって目的に近づけるか、などは当事者である自社が考える必要があります。
そのプロセスを怠ってしまうと、結果もついてこずに、委託業者のせいにして終わってしまうという結果になりかねません。
失敗例としては、ただ単に作成しただけという何の魅力もないホームページだと、検索にすら出てこなかったり、検索に出てきても離脱されて終わったりといった結果になってしまいます。
ただ単にホームページが存在しているだけという、本末転倒な結果に終わってしまうことになります。
このように、制作会社に依頼する場合でも、すべてを丸投げするのではなく、自らもコンテンツ作りに参加して「一緒に作っていく」という姿勢が大事です。
地方のWebマーケティングまとめ
地方のユーザーは、リアルやアナログな入口から、ホームページを閲覧するというケースが多いため、オンライン以外での活動が重要です。
インターネットやホームページだけに固執せず、リアルな部分の力も一緒に使ったネット戦略をやっていくことが大事です。
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この記事を書いた人
後藤 誠
専門分野: ホームページ制作,Webシステム開発,ディレクション
株式会社CODE54代表取締役。ディレクターとして500社以上のホームページ制作に従事。2004年に「CODE54」として起業し、2005年に法人化。2010年より、岡山WEBクリエイターズ、CSS Nite in Okayamaの代表としてセミナーイベントの運営にも携わる。2016年には複合ビル「ファイブ・ジャンクション」を建設。異業種交流会の企画・運営も行っており、幅広い経営視点からのWebプロデュースを得意としている。
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