- 更新日 2024.10.17
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WebコンテンツのCMS移行を成功させる7つのコツ。移行時の注意点も解説
Webサイトのコンテンツを管理するのに便利なCMS。現在活用していない場合や利用しているCMSに不満を感じているときは、CMSへの移行を検討するケースもあるはずです。
本記事では、WebのCMS移行を成功させるためのコツをはじめ、大まかな流れやCMS選びのポイントを解説します。
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WebコンテンツのCMS移行の際に知っておくべきこと
CMSへのWebコンテンツ移行は手間やコストがかかるため、移行方法や手段については、慎重に検討する必要があります。CMS移行を成功させるためにも、まずはWebサイトのCMS移行の基本的な概要から理解しておきましょう。
CMSとはWebサイトの構築・管理ができるシステムのこと
CMSとは、コンテンツ(C)・マネジメント(M)・システム(S)の略で、Webサイトのコンテンツを作成・管理するためのシステムです。搭載されている機能を活用して、レイアウトや画像、テキストなどを作成・管理できます。
CMSを導入すると、作業の効率化を図ることが可能です。テンプレートやプラグインをはじめとする機能を利用することで、HTMLやCSSの知識が少ない方でも、Webサイトの制作や管理がしやすくなります。
サイトをCMSに移行させるのにはそれなりの手間がかかる
既存のWebサイトをCMSに移行させる際にはCMSの選定をはじめ、入稿やマークアップなどの作業が必要となり、それなりの時間と労力がかかります。もし誤ったやり方で作業を進めてしまうとデータが消滅してしまう恐れもあり、バックアップを取るといった作業も必要です。
また、既存Webサイトのコンテンツのボリュームが多い場合には、移行完了までに相応の時間を要するため、自社が理想とするタイミングに公開が間に合わない可能性もあります。とくに公開タイミングを重視するときは、余裕をもったスケジューリングをおこないましょう。
CMSにサイトを移行させるタイミング
WebサイトのCMS移行を考えたほうが良いタイミングとしては、主に以下の2つに該当するケースです。
サイトの大幅なリニューアルを検討するとき
Webサイトの大幅なリニューアルは、必要な作業が多くなりがちなため、CMSへの移行を検討してもよいでしょう。テンプレートやプラグインなどを活用することで、作業時間や労力を大幅に軽減できる可能性があります。
CMSを活用しないサイトリニューアルの場合、それなりのクオリティを確保しようとすると、専門的なコーディングやHTMLなどの知識・スキルが必要です。社内にスキルをもった従業員がいないときは、人材の確保からおこなわなければなりません。
しかし、CMSを活用すれば1からサイト構築するよりも専門的なスキルが必要なく、社内でもサイト構築をしやすいでしょう。「できるだけ社内で作業を進め、無理な部分のみ外注する」といったことも可能なため、外注を検討する場合であっても、制作コストの削減を図れます。
現在使用しているCMSが使いにくいと感じるとき
CMSは、サービスごとに搭載されている機能や操作性が異なります。もしも、現在使用しているCMSが使いにくく、Webサイトの運用に支障が出ているようであれば、別のCMSへ移行を検討したほうが良いかもしれません。
とくに業務効率が悪いと感じているときや、目的に沿ったコンテンツ制作ができていないと思う場合は、Webサイト運用における目標達成の妨げになっている可能性があります。自社に合ったCMSを導入し、現在の課題を解決することで、コンセプトに沿ったサイト運用を図りやすくなるでしょう。
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CMSにコンテンツを移行させるメリット
CMSへコンテンツを移行させるメリットとしては、主に以下の3点です。
- コンテンツの作成・管理・更新が効率よく行える
- 機能やタグを活用したSEO対策を実施できる
- サイト制作費用を削減できる
CMSにはサービスごとに、制作に役立つさまざまな機能が搭載されているので、コンテンツの作成・管理・更新の効率化が図れます。また、パンくずリスト(サイト内でユーザーの位置を表す内部リンク)の設定を容易にしてくれる機能や、XMLサイトマップ生成ができる機能はSEO対策としても有効です。CMSの機能を活用することで、効率よくSEO対策を実施できるでしょう。
作業効率化に加え、社内で対応できる範囲が広がるため、サイト制作費用の削減にも期待できます。
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CMSにコンテンツを移行させるときの流れ
CMSにコンテンツを移行させるときは、大まかに以下の流れで進めます。
1.サイト運営目的と運用イメージを明確にする
まずは、サイトの運営目的と運用時のイメージを明確にしましょう。目的に適したCMSを導入することで、課題の解決を図れ、Webサイトをスムーズに運用しやすくなります。
たとえばCMSの操作性に不満を感じているのであれば、シンプルで直感的な操作ができるものがおすすめです。一方で社内に専門的な知識をもつ人材が在籍しており、コンテンツをより充実させたいときは、機能が充実したものが選択肢となるでしょう。
また、運営の目的を考慮することも大切です。Webサイトを通じてリード獲得を増やしたいのであれば、SEOやアクセス分析などの機能が充実したものを選びましょう。
2.自社の課題やサイトの現状をもとに移行するコンテンツを整理する
運営の目的やイメージを定めたなら、自社の課題やサイトの現状についても把握できているはずです。つづいては自社の課題やサイトの現状をもとに、どのコンテンツを移行するか整理しましょう。
まず、コンテンツの整理では、Webサイト内のコンテンツを「ページ名・担当者・被リンク数」などをピックアップし、一目で分かるように整理します。整理がおわったら重要度または人気度といった自社の基準を加味しつつ、コンテンツを評価し、移行するページの優先順位を設定しましょう。
3.CMSや業者の選定
移行させるコンテンツが決まったら、CMSを選定します。もし制作会社に移行作業を依頼する場合には、「サポート体制が整っている」「対応実績が豊富」など、信頼できる制作会社を探しましょう。
なお、よく利用されるCMSには、以下のようなものが挙げられます。
- WordPress
- Movable Type
- FREECODE
- HeartCore
- Connecty CMS on Demand
CMSには、マーケティングに関する機能が充実したものや大規模サイトに対応したものなど、さまざまな種類があるため、自社に合ったサービスを選びましょう。
4.CMSへの移行作業
移行先のCMSが決まったら移行作業に移りますが、移行方法としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 移行先のCMSへコンテンツを1つずつ移行させる
- コンテンツをCSVファイルにエクスポート(出力)したあと、CMSにインポートする(読み込ませる)
- プラグインを活用してコンテンツのエクスポート・インポートをおこなう
CSVファイルを活用したコンテンツの移行は、専門的な知識が必要となります。自社のみで対応が難しいときは、制作会社への依頼を検討しましょう。CMSの移行を丸ごと制作会社に依頼するのであれば、移行作業は自社でおこなう必要はありません。
5.サイトの運用ルールを定める
CMSへの移行が完了したら、Webサイトの運用ルールを定めましょう。運用ルールを明確に定めておくことで、業務フローも明確になり、スムーズに運用をおこなえます。
ルールをつくるときは、トラブル発生時の対応についても明確に定めておくのがおすすめです。あらかじめルールを定めておくことで、緊急事態が発生した際の混乱を防ぎ、トラブルを迅速に解決しやすくなります。
CMSへの移行を成功させるための7つのコツ
CMSへの移行を成功させるには、以下の7つのコツをおさえておきましょう。
必要な分のみを移行させる
CMSへの移行を検討する際は、はじめにコンテンツの整理をおこないましょう。必要な分のみを移行させることで、作業工数を減らすことができ、コストの削減にもつながります。
移行が不要なページの候補としては、「PV数が少ない」や「掲載期限が過ぎている」などです。移行作業をスムーズにするためにも、あらかじめ社内で必要なものと不要なものを選別しておきましょう。
URLはできる限り変更しない
CMSの移行時は、WebサイトのURLはできる限り変更しないことがポイントです。URLを変更した場合、被リンクが見込めなくなってSEOの効果が減少したり、内部リンク切れによるユーザーのサイト内回遊率(PV数)が低下したりする可能性があります。
なお、やむを得ずURLの変更が必要な場合は、「301リダイレクト」の設定で対処が可能です。この設定は、URLの転送に関する仕組み(リダイレクト)の1つで、旧URLにアクセスがあった際、新URLに自動的に転送できるもの。永続的に転送したいときは「301リダイレクト」、一時的に転送する場合には「302リダイレクト」を設定します。
ただし、設定時にミスが発生するリスクもあるため、できることならURLはそのまま利用するのがおすすめです。
作業時間は余裕をもって考えておく
CMSへの移行は、さまざまな作業が発生するため、作業時間は余裕をもって考えておくことが大切です。ぎりぎりのスケジューリングだと急ぎ足で作業を進めなければならず、トラブルやミスが生じる可能性があります。
また、CMSの移行時には、予期せぬ問題の発生もよくあることです。ゆとりをもった計画を立てておけば、動作不良やエラーなどの問題が発生した場合でも、対応する時間を確保できます。
加えてゆとりをもったスケジューリングをしておくと、CMS移行後にWebサイトのテストをしっかりと実施することが可能です。慎重に動作確認をしたうえで公開することで、トラブルが発生するリスクを少なくできます。
こまめにデータのバックアップをとる
CMS移行時には、こまめにデータのバックアップをとりましょう。事前にバックアップをとっておけば、移行作業の中で問題が生じたり、データが消失したりしても対処しやすくなります。
たとえば、移行作業がある程度進んだあとに、問題が発覚することもあるでしょう。バックアップをとっておけば、すぐに元の状態に戻せるため、元に戻す作業の手間を簡略化できます。
保険として定期的にバックアップをとることで、スムーズに作業を進めやすくなるでしょう。
リニューアルは移行したあとに実施する
Webサイトをリニューアルするときは、CMSへ移行したあとに実施するのがおすすめです。CMSによるコンテンツのテンプレート化や、CSS設定ができるため、リニューアル作業の効率化が図れます。
また、WebサイトのCMS移行では、CMSでのサイトデザインを早めに確定させるのがコツです。CMSはサービスごとに実装できる機能やデザインが異なります。移行前に実施したリニューアルのデザインが適用できなかった場合、移行時にデザインの変更が必要となり、理想的な仕上がりにならない可能性があります。
まずはある程度コンテンツを移行し、できる限り早くCMSでのサイトデザインを確定させましょう。
なお、作業効率化の面からいえば移行作業と並行して、CMSでのコンテンツのテンプレート化やCMS設定をおこなうのがおすすめです。テンプレートを活用しながら作業を進められるため、移行作業の効率アップを図れます。
自社の目的に適したCMSを選ぶ
移行するCMSは、自社の目的に適したものを選ぶのが、WebサイトのCMS移行を失敗しないためのポイントです。
そもそもCMSにはいくつかの種類があり、大きく以下の3種類に分けられます。
種類 |
特徴 |
オープンソース型 |
・ソースコードが公開されているタイプ。 ・無料で利用できるものが豊富で カスタマイズ性に優れている一方で、セキュリティ対策が必要。 |
クラウド型 |
・クラウド(Web)上で利用するタイプ。 ・サーバーやソフトウェアなどは提供元が用意してくれるので、 導入の負担が少ない。 ・ほかのタイプと比べて、カスタマイズ性が低めなことが デメリット。 |
パッケージ型 |
・システムベンダーが開発した製品を自分のサーバーに インストールして利用するタイプ。 ・サポートが手厚い一方でライセンス料をはじめとする 初期費用がかかる。 |
まずは上記の中で、自社の現状や目的に合ったタイプがどれかを検討しましょう。そこから、自社が使いやすいものを絞り込んでいきます。
また、CMSを比較するときは、さまざまな要素を踏まえ、総合的に判断することが大切です。たとえば、社内に専門知識をもつ従業員が少ないのであれば、簡易的な操作ができたり、サポートが充実していたりするCMSを選びましょう。
外注の際は信頼できる業者を見つける
WebサイトのCMS移行をおこなう場合、Web制作会社への依頼を検討する方もいるはずです。Webサイトの移行や構築には、それなりの費用がかかるため、外注先は信頼できるWeb制作会社を選ぶ必要があります。Web制作会社選びでは、以下のポイントをチェックしましょう。
- CMSによるサイト構築の実績は豊富か
- 見積書や料金体系は明確であるか
- サポート体制が充実しているか
- 担当者とのやり取りはスムーズにできるか
信頼できるWeb制作会社に依頼することで、作業がスムーズに進められ、理想的な仕上がりにも期待できます。
移行先のCMSを選ぶときの5つのポイント
移行先のCMSを選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
自社が目的とする機能が搭載されているか
CMS選びでは、自社が目的とする機能が搭載されているかをチェックしましょう。
【CMSに搭載されている主な機能】
- コンテンツ作成・管理機能
- ユーザー管理機能
- マーケティング機能
- プラグイン
- 外部ツールとの連携機能
- SEO関連機能
- テンプレート機能
導入費用が安くても、必要な機能が使用できなければ、理想的なサイトに仕上げることはできません。WebサイトのCMS移行を成功させるためには、コストを踏まえつつも、最低限の必要な機能が搭載されたものを選びましょう。
機能をチェックするうえでは、将来性も踏まえて検討することが大切です。たとえば将来的にサイトや機能の拡張を考えている場合、機能を絞り込み過ぎると、拡張時にまた別のCMS移行が必要となる可能性もあります。
現時点で将来的に実装したいコンテンツがあるときには、必要となる機能について慎重に検討しましょう。
操作が複雑でないか
導入するCMSは、使いやすいものを選ぶのがおすすめです。操作性がシンプルであれば、複数人で運用をおこなうことができ、業務効率化を図れるのに加え、業務の属人化を防げます。
専門的な知識や複雑な操作を要するCMSの場合、作業にあたれる従業員が限られてしまい、特定の人に負担が偏るケースも発生しがちです。しかし、作業が偏ると担当者の負担が大きくなるだけでなく、サイト運用がスムーズにいかない可能性もあります。
もし導入を検討するCMSが、お試し利用を実施していれば、担当部署で使用感を確かめたうえで、導入の是非を判断しましょう。加えて最終判断時には、担当者一同で使いやすさを検討し、意見を判断に反映させるのがおすすめです。
セキュリティ対策は充実しているか
セキュリティ対策は、CMS選びで忘れてはならないチェック項目の1つです。不正アクセスやハッキングにより、情報漏えいや改ざんなどが発生すると、企業の信用を大幅に損なうことになりかねません。状況によっては業績の低下だけでなく、損害賠償を請求される可能性もあります。
CMSで実施できるセキュリティ対策としては、以下のようなものです。
- 最新のバージョンを維持する
- ログインパスワードを簡易的なものにしない
- WAF(ウェブ・アプリケーション・ファイアーウォール)を活用する
- WebサイトをSLL化する
一般的にオープンソース型は、セキュリティ面でよく不安視されています。導入を検討するときは、上記例を参考にできる限りのセキュリティ対策を講じましょう。
費用対効果は合っているか
CMSは、費用対効果に合ったものを選びましょう。CMSで発生する費用には、初期費用や月額費用などがあり、充実した機能が搭載されているほど、費用も高く設定されている傾向です。
ただ、どれだけ高性能であっても使わない機能が多いと、収支のバランスが悪く、費用対効果が低くなってしまいます。CMSの選定においては、収益と費用を明確にし、できるだけ費用対効果が高いものを選びましょう。
なお、費用対効果を比較する際は、収益と費用を正確に算出することが大切です。費用には、初期費用や月額料金だけでなく、人件費をはじめとする間接的な費用も含める必要があります。
サポート体制は整っているか
Webサイト運用では、快適な環境を維持することが大切です。サポート体制が充実したCMSを導入することで、不具合やトラブルが生じても円滑な対応が望め、快適な環境を維持しやすくなります。
充実したサポート体制がないCMSを選んだ場合、トラブルが発生すると社内で対応しなければなりません。しかし、社内に専門的な知識とスキルをもった人材がおらず、トラブルが長引いてしまうと、顧客離れをはじめとする損失が発生する可能性があります。
担当者の負担軽減にもつながるため、CMSはサポート体制が充実したものを選びましょう。
CMSによるサイト制作を業者に依頼する際の費用相場
CMS移行を業者に依頼するときの費用は、移行するページ数や実装する機能によって大きく異なるため、依頼先に問い合わせて見積りを取る必要があります。ちなみにCMSによるサイト制作の費用相場としては、以下のとおりです。
小規模サイト |
10~300万円 |
中規模サイト |
100~500万円 |
大規模サイト |
500万円~ |
上記はあくまでも目安です。サイトの種類や制作会社によっても費用は大きく変わるため、見積りは複数の業者から取り、費用を比較しましょう。
【まとめ】自社に合うCMSへコンテンツを移行しサイト運用の効率化を図ろう
WebサイトのコンテンツをCMSに移行する際は、コツや流れを把握したうえで移行作業に取り組むことが大切です。CMSの移行にはさまざまな作業が発生し、それなりの時間と労力がかかるため、計画的に進めないとうまくいかない可能性があります。
また、移行先のCMSは自社に適したものを選ぶことが必要です。クオリティを重視するのであれば機能が充実したもの、社内での使いやすさを考慮する場合にはシンプルな操作性の製品の導入を検討する必要があります。自社のみでの対応が難しいときは、Webサイト制作会社への依頼を検討してみましょう。
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この記事を書いた人
Web幹事運営事務局
ホームページ制作会社経験者を中心に構成されたWeb幹事の編集メンバーです。ホームページ制作に関する情報を、業界で培ってきたプロならではの経験とノウハウをもとに分かりやすくご紹介します。
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