- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー Webマーケティング
BtoBのWebマーケティングに有効な手法9選|自社に合った選び方と注意点・成功事例も紹介【2024年最新版】
「Webマーケティングに力を入れたいけれど、BtoB企業にピッタリの手法は何?」
「Webマーケティングに成功したBtoB企業の事例を知りたい」
「BtoB企業がWebマーケティングに注力する際に気を付けるべきことはある?」
フィールドセールスに限界を感じ、Webマーケティングに活路を広げたいBtoB企業が増えています。しかし、手法が多様化しているため、どの施策が効果的なのか分からない会社は少なくありません。動くお金も大きいため、極力失敗のリスクを避けたい企業が多いでしょう。そこで本記事では、以下の内容に沿って紹介します。
- 自社に合うWebマーケティング手法の選び方
- BtoB企業におすすめのWebマーケティング手法
- BtoB企業がWebマーケティング施策を打ち出す際の注意点
- BtoBWebマーケティングの成功事例
この記事を読めば、自社に合ったWebマーケティング手法を選ぶヒントが見つかるので、ぜひ参考にしてください。
※Webマーケティングの外注を検討している方はWeb幹事にご相談ください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な会社を選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
BtoBのWebマーケティング手法の選び方
BtoB企業におすすめのマーケティング手法を9つ紹介しますが、全ての施策を実行するのは現実的ではありません。どのマーケティング手法が自社に合うのかを選ぶヒントを3つ紹介します。
- お金をかけてでもすぐに結果を求めるか
- 時間はかかるが継続的な集客が良いか
- ライバルか強くないか
聞きなれない用語を目にすると思いますが、手法の章で詳しく解説します。
お金をかけてでもすぐに結果を求めるか
有効な施策例:ペイドメディア、交通広告、リスティング広告等
よほど知名度がない限り、立ち上げたてのサービスに集客するのは困難です。「最速で認知を広げたい」などすぐに結果が欲しい場合は、ペイドメディアやリスティング広告などのWeb広告、交通広告などの広告施策がおすすめです。
初期費用やランニングコストなどがかかりますが、投資するほど目に触れる機会は増えます。ただし、サイトに訪問してもらうためには、キャッチコピーやデザインなどのノウハウも必要になるので注意してください。
時間はかかるが継続的な集客方法が良いか
効果的な集客方法:コンテンツマーケティング
時間はかかっても継続的に集客できる施策をしたい、大きな初期投資ができない会社は、SEOや動画配信などのコンテンツマーケティングがおすすめです。
軌道に乗るまでは時間とランニングコストがかかりますが、一度作れば社内資産として蓄積できます。例えば作った動画をSNSでシェアする、展示会やウェビナーなどで流す、営業資料に使うなど幅広く二次利用もできます。
またサイトのコンテンツが増えてドメインパワー(検索エンジンからのサイト評価)が強くなれば、検索結果の上位表示も早くなるため、雪だるま式に集客が増えることも期待できます。
広告は新規顧客を獲得するには向いていますが、ランニングコストがかかり続けるため、長期的な施策を打ち出すならコンテンツマーケティングは外せません。
ライバルが強くないか
上記2つのいずれかを選ぶにしても、真正面からライバル企業・競合サイトとぶつかるため、競合のリサーチは欠かせません。
もしライバルの数が多い、すでに力が強い場合では、せっかく施策を打っても効果が期待できないかもしれません。
例えば比較サイトに出稿する場合、自社より知名度が高く、製品のラインナップなどの条件が良い会社があれば、そちらのサイトに流れるでしょう。せっかく広告費をかけても競合性で勝てなければ損です。
また、事業の内容がYMYL(Your Money or Your Life:財務や医療など人生に大きな影響を与える情報)に関するサイトは、Googleなどの検索エンジンも国や専門機関の情報を優先的に上位表示します。
その場合、せっかくコンテンツを大量に作っても上位表示されず集客できない可能性が高いため、YMYL領域のサイトは慎重な集客施策が必要なため、競合もチェックしましょう。
関連記事:YMYLとは?E-A-Tとの関係性とSEO対策で上位表示させる方法
BtoBのWebマーケティング手法9選
手法 |
概要 |
メリット |
ペイドメディア |
有料メディアに出稿 |
・ノウハウ不要 ・不特定多数の層に認知 |
リスティング広告 |
広告費を払い 検索エンジンに上位表示 |
・競合が強くても上位表示 ・ユーザーの関心興味に対応 |
SNS広告 |
SNSのタイムラインに 広告を配信 |
・他社と比較されにくい ・自社PRやCVなど活用の幅が広い |
交通広告 |
交通機関に広告出稿 |
・幅広い層から認知を獲得できる ・経営層にアプローチしやすい |
ウェビナー |
オンラインセミナーで集客 |
・サービスを理解しやすい ・認知を拡大しやすい |
動画配信 |
YouTube等の動画媒体で コンテンツを配信 |
・微妙なニュアンスを伝えやすい ・インパクトが大きい |
SEO |
検索エンジンで コンテンツを上位表示 |
・長期的な集客を見込める ・自社のブランディングができる |
SNS運用 |
SNSのアカウントを 作って運用 |
・問い合わせのハードルが低い ・広告宣伝費を削減できる |
メールマーケティング |
メールマガジン等を送信 メディアへ誘導 |
・見込み客と長期的な関係を構築 ・関心度に応じたコンテンツ配信 |
数あるWebマーケティング手法の中で、BtoB企業におすすめの手法を9つ紹介します。自社の課題や予算、達成したい目標を踏まえて適した手法を選びましょう。
またBtoBマーケティングは効果が出るまで時間がかかる一方で、早く成果を求められることも多いので、成果が出やすい順番に紹介します。
ペイドメディア
ペイドメディアとは、有料メディアまたは広告メディアを指し、お金を払って自社を掲載してもらうメディアのことです。
テレビCMや、雑誌の広告枠などもペイドメディアに含まれます。BtoBの代表例としてIT製品比較サイトの「ITトレンド」や製造業向けのデータベースサイトの「イプロス」などが挙げられます。
メリット
- ノウハウが必要ない
- 他社の集客力を利用できる
この後に説明するリスティング広告やSEO(自社サイトを検索結果の上位表示させる施策)の場合、サイト設計やキーワード分析などのノウハウが必要になります。一方ペイドメディアは、他社メディアに掲載するだけなのでサイトのメンテナンスや運用戦略の立案など必要なく、人的リソースも必要ありません。メディアとのコミュニケーションも電話やメールで完結します。
また、既にアクセス数があるメディアに掲載されるため、自社の集客だけでは限界がある層にもアプローチできます。
デメリット
- 広告費用が負担になる
- 掲載メディアの規定によっては利用できない
広告を掲載し続けるために、常に資金を投下し続ける必要があります。特にペイドメディアの代表ともいえる記事広告だと、総額で100万円を超えることも珍しくありません。
また多くのメディアでは、関連ジャンル以外のコンテンツや不安を煽る表現を含むコンテンツの掲載を禁止するなど、厳しい規定を設けています。
画像引用:ITトレンド
規定に違反しコンテンツを載せると、出稿停止になるだけでなく損害賠償を請求される恐れもあります。出稿先の規定に反してないか必ず確認しましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに関連して表示される広告のこと。上位3つほど「広告」と表示されるサイトがリスティング広告です。検索結果に合わせて表示されるため「検索連動型広告」とも呼ばれています。
メリット
- 競合性の強いキーワードでも上位表示できる
- ユーザーの関心興味に焦点を当てやすい
リスティング広告は、指定したKWに対して入札額が高いほど上位表示されます。SEOの場合、コンテンツを公開して上位表示されるまでに3ヶ月から半年ほどかかり、競合が強いと上位表示されないことも少なくありません。
また、キーワード単位で広告の出稿ができるため、ユーザーの興味・関心に訴求しやすいのも魅力。例えば経費精算のサイトに集客したい場合、「経費精算」「経費精算ソフト おすすめ」「経費精算システム クラウド」など関連性のあるキーワードで検索されたとき、上位に表示できます。
そして、何らかの課題や悩みを解決したくて検索したユーザーが訪れるので、モチベーションも高いことが期待できます。
デメリット
- 自然検索よりクリック率が低い傾向にある
- 潜在層へ認知を広げにくい
リスティング広告に限りませんが、Web広告の場合、「広告だから…」と敬遠される傾向にあります。下の表は自然検索とリスティング広告の平均クリック率を比較したものですが、1位のクリック率に2.3倍もの差が生じています。
自然検索結果 平均クリック率 |
リスティング広告 平均クリック率 |
1位:約23% |
1位:約10% |
2位:約17% |
2位:約8% |
3位:約10% |
3位:約5% |
※ジャンル業界問わず、あくまで平均の目安です。
またリスティング広告の場合、ユーザーは目的意識を持って検索している一方で、潜在層(課題を意識していない層)に届きにくい側面があります。
自社の認知を広げたい場合は、後に紹介するSNS広告や交通広告も活用しましょう。
関連記事:リスティング広告運用代行の費用・相場を解説!代理店の選び方も紹介
SNS広告
画像引用:Asana公式Twitterアカウント
SNS広告は、InstagramやTwitter、LINEなどに有料で出稿する広告のことです。上の画像はTwitterに表示された広告の例です。
SNSの使用ユーザーが多く、市場として魅力で認知獲得から購入・申し込みなど、様々な用途に利用できます。
メリット
- 他社と比較されにくい
- 自社PRやCVなど活用の幅が広い
SNS広告はリスティング広告と違いライバルサイトと並んで表示されないので、他社に流れる心配が少ない点が魅力です。
細かなターゲティングも可能で、ユーザーが入力したキーワードやユーザーの興味関心、性別、年齢、居住地などに絞って広告を打ち出せます。このようにターゲットを絞りやすいことから、CVに結びつきやすいのもメリットです。
デメリット
- 年齢が高い層へ訴求しにくい
- ターゲティングを誤ると効果がない
SNSは年齢が高くなるほど、ユーザーが減る傾向にあるため、年齢層が高い企業への宣伝が難しい傾向にあります。特に50代以上になると、媒体によってはユーザーの割合が2割を切っています。
画像引用:総務省
またターゲットの興味関心、年齢、居住地などをうまく掘り下げられなければ、的外れな層に広告を表示しかねません。
このようにSNS広告ではユーザーのバックグラウンドを正確に掴む必要があるため、それなりの運用スキルが求められます。
交通広告
交通広告もBtoBのWebマーケティングに有効な施策です。交通広告とは電車やバス、タクシーなどの公共交通機関や関連施設に掲載される広告のこと。例えば電車の天井にあるトレインビジョンやタクシーのディスプレイ広告などが挙げられます。
メリット
- 幅広い層から認知を獲得できる
- 媒体によっては経営層にアプローチしやすい
公共交通はたくさんの人の目に触れるため、幅広い層から認知を取りやすい点が魅力です。首都圏を走る公共交通機関の場合、路線によっては1週間で1,000万人以上の乗客の目に触れます。
また、タクシーのようにビジネスマンや経営者がよく使う乗り物に広告を出せば、効率よく経営層に自社サービスをPRできます。
デメリット
- 効果を測定しにくい
- すぐに広告を掲載してもらえない
SEOやリスティング広告であればアクセス数やCVR(コンバージョン率)、サイト滞在時間などを解析できますが、交通広告ではデータが残りません。
広告を見た人のバックグラウンドや関心レベル、その後の行動が分からないままです。そのため、交通広告の効果を測定するためには、アンケートなどの別途調査が必要になります。
また広告出稿が決まっても、交通広告はすぐに掲載されません。公共性が高い分審査が厳しいため時間がかかるからです。
審査に合格した後も既存広告の差し替えに2週間から1ヶ月ほど時間を要します。今すぐにでも広告を出したい場合は、SNS広告やリスティング広告を利用しましょう。
以上がBtoBのWebマーケティングにおける主な広告施策です。広告の運用に自信がない人はプロに依頼することをおすすめします。
ウェビナー
ウェビナーとは、Webセミナーの略称でZoomやGoogle meetsなどのオンライン会議ツールを使って開催します。
ネットさえつながればスマホでも見られ、見る側もマイクとカメラをオフにしながら参加できる気楽さがポイントです。
メリット
- サービスを理解しやすい
- 認知を拡大しやすい
テキストや画像だけでは伝えにくいサービスの魅力も、映像を通じてプレゼンすれば参加者も理解しやすくなります。登壇者のトークが上手ければ、より参加者を惹き込むこともできるでしょう。テキストや音声だけでなく、実際の人がプレゼンをするので、熱意も伝わり、参加者が自分ごと化しやすくなるメリットもあります。
また、一度のセミナーで日本全国、もしくは世界各国に向けて同時配信できるため、効率よく認知を獲得できます。
デメリット
- 集客力が必要
- 印象が悪いと評判が落ちる
当然ですがウェビナーに参加してもらうためには集客力が必要です。SEOやSNSで集客するのも一つの手ですが、効果が出るまで時間がかかるのがデメリット。集客力に自信がない企業はSNS広告やペイドメディアを活用して、早期集客を図りましょう。
また、ウェビナーでプレゼンが分かりにくかったり、機材の不具合で進行が滞ったりすると、参加者からの評価が下がってしまいます。せっかく集客しても、悪い口コミが広まれば以降のウェビナーの参加率が下がるかもしれません。
ウェビナーは見込み客と長期的な関係になる入り口でもあるので、プレゼン時に不適切な言葉遣いをしていなか、通信環境は良好かしっかり確認しましょう。
動画配信
画像引用:三菱電機公式チャンネル
YouTubeやTiktokなどのプラットフォームを活用した動画配信は、最も注目されているWebマーケティング手法の一つです。タブレット端末の普及に加え、5Gの誕生で動画コンテンツに注力している企業が増えており、BtoB企業もチャンネルを開設しているケースが増えています。
特に、自社の事業やサービスがイメージしにくいBtoB企業に動画配信はおすすめです。
メリット
- 微妙なニュアンスを伝えやすい
- インパクトが大きい
動画を使えば、文章では伝わり切らない製品の魅力を伝えられます。例えば、ツールの導入手順や操作方法の場合、デモを見せた方が直感的に分かることが多いです。
また、製品によっては文章より動画の方がインパクトが強いケースがあります。例えばロボットのような産業機械は、実際にオペレーションしているところを見せたり、導入前後を比較した動画を入れると、効果が一発で伝わります。
オーダーメイドの産業機械は完成するまで製品の質を確かめられません。スペック表だけ見ても自社が求める品質に達しているか判断が難しいこともあります。
このように、BtoBはサービスや事業内容が伝わりにくいことが多いため、動画を見せた方が魅力が伝わりやすくなります。
デメリット
- コストがかかる
- 時間がかかる
現在は簡単に動画を作れるツールも登場していますが、慣れていないと撮影や編集に時間を要します。社外に出せるくらいのクオリティに仕上げるなら、外注も検討しなければいけません。動画の種類や長さにもよりますが、実写動画で3ヶ月前後です。
外注含めて動画制作には以下の費用がかかり、相場は30万円以上です。
- 企画構成費
- 撮影費
- 撮影機材費
- 音響効果費
- 編集費
実写動画の撮影はキャストやスタッフを含めると何十人という規模の人員が関わることになります。また産業機械のように大規模な製品のデモとなると、ロケ地も確保しなければいけません。
動画制作を外注する際に発生する費用について詳しく知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。
関連記事:動画制作の相場・料金を徹底解説!費用を抑えるコツも紹介!
SEO
SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の意味で、ユーザーに有益な情報を届けてサイトの評価を高め、検索結果の上位表示を目指す施策です。
コンテンツが検索画面の上位に表示されると、自然検索からの流入が増え、アクセス数・CV数(サービス成約や資料ダウンロードなどの成果)の増加を期待できます。
SEO対策には主に2つのセオリーがあります。
- 自社サイトの指名検索を目指す
- 事業に関連したキーワードのコンテンツで上位表示を目指し、自社サービスに誘導
最もオーソドックスな手法は後者です。例えばWeb幹事では、事業に関連するキーワードで上位表示させ、自社サービスに誘導しています。
メリット
- 長期的な集客を見込める
- 自社のブランディングができる
SEOの効果が出てコンテンツが上位に掲載されると、長期的な集客に効果的です。また、コンテンツを要約したものをTwitterやInstagram等のSNSに投稿、メルマガ配信などで転用すれば、コンテンツブランディングにもなり、自社の信頼度も高められるでしょう。
デメリット
- 上位表示に時間がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要
SEOの効果が出るまでに数か月から半年ほど時間がかかります。特に立ち上げたばかりでコンテンツが少ないメディアだとドメインパワー(検索エンジンからの評価)が低いため、上位表示に時間がかかります。
また、定期的にコンテンツを作ったりサイト構造を変更したりしなければ、サイトの評価が落ち、検索順位が下がってしまいます。一つ一つのコンテンツも品質を保つためのノウハウも必要になります。
SEO集客を狙う際には、長期的にコンテンツ制作できるように、人員と予算を確保しましょう。
関連記事:SEO対策とは?上位表示のやり方・方法を初心者にわかりやすく解説
SNS運用
画像引用:TOSHIBA USA Twitter公式アカウント
FacebookやTwitter、Instagramのアカウントを開設、運用するのもおすすめの手法。ユーザーの反応を見られたり、コミュニケーションが取れたりできるのが大きな特徴です。
メリット
- 問い合わせのハードルを下げられる
- 広告宣伝費を削減できる
公式サイトのフォームや電話での問い合わせは興味があってもハードルが高いですが、SNSだと相談しやすくなります。特に社員同士のアカウントで活発にやり取りしている会社は好印象を得やすく、社員のアカウントを通じて問い合わせが来ることも珍しくありません。
また、SNSコンテンツは無料で投稿できるため、広告費を削減できるのも魅力。著名人とのコラボや、PRTIMES、東洋経済オンラインといった大手メディアへの掲載など注目が集まるタイミングでシェアをすると、通常の広告宣伝以上のCVも期待できます。
デメリット
- 口コミが発生しにくい
- 成果が出るまでに時間がかかる
BtoBサービスを探す際には、知り合いに尋ねたり直接サイトを訪問するケースが多いです。そのため、自社アカウントを作って発信しても口コミが広まりにくい点がデメリット。
またSNSもSEOと同じくある程度の成果が出るまでに最低でも3ヶ月から半年ほど時間がかかります。特に運用初期は注目度も低いため、投稿数が多くてもなかなか手応えはありません。このようにSNS運用は難易度が高いことは念頭に置きましょう。
メールマーケティング
画像引用:京都リサーチパーク
メールマーケティングとは、メールを通じて見込み客とコミュニケーションを取り、サービスの成約につなげるマーケティング手法です。主に以下のような手段があります。
- メルマガ:同じ内容のメールを見込み客に一斉配信する手法
- ステップメール:ユーザーのアクションに合わせてメールの内容を変える手法
- ターゲティングメール:見込み客の年齢や行動履歴から特定の層に絞ってメールを送る手法
メリット
- 見込み客と長期的な関係を築きやすい
- 見込み客の関心度に分けて内容を変えやすい
後ほど解説しますが、BtoB向けのサービスは契約するまでの検討期間が長い傾向にあります。そのため、自社への関心レベルを落とさないためにも、定期的なアプローチが必要になります。
メールで新サービスやキャンペーンの告知、お役立ち情報などを定期的に配信すれば、メディアへの遷移を期待できます。日常生活に例えるなら、毎月投函されるスーパーマーケットのチラシのようなもの。普段は何となくしか見ないチラシでも、旬の食材や特売日の情報が入っていればお店に行く心理と同じです。
また、Webサイトのアクセス履歴やメルマガの開封率、セミナーの参加履歴などのデータを基にメールの内容を変えやすいのも魅力。
例えば、サイトは見るけれどCVしない見込み客は関心レベルが低いため、コラム系のメルマガを配信すると興味を持ってもらいやすくなるかもしれません。メルマガの開封率が高く、セミナーへの参加履歴がある見込み客であれば、ターゲティングメールで直接商品を訴求することもできます。
このように、見込み客の購買意欲に合わせたアプローチが容易なのもメールマーケティングのメリットです。
デメリット
- 定期的にコンテンツを作らないと飽きられる
- 見込み客の選別に手間がいる
毎回同じ内容のメルマガを送ると「また同じものか」と見込み客が飽きてしまうため、定期的に新しいコンテンツを作る必要があります。
リソースが限られている会社だと毎日、コンテンツを制作するのは厳しいかもしれませんが、できれば月1回新しいコンテンツを配信しましょう。
また、ターゲティングメールやステップメールなど特定の層に配信する場合、見込み客の選別に手間がかかります。なぜなら、アクセス数やメルマガの開封率が一定以上ないとデータが集まらないため、どのコンテンツがどの層に刺さるか正確に判断できないからです。
見込み客をスコアリング(購入意欲に応じたランク付け)するためにはデータ集めに専念しなければいけないことに注意しましょう。
BtoC Webマーケティングとの違い
BtoBとBtoの違いを把握しておかないと、間違った施策を立ててお金と時間を無駄にしかねません。ここではBtoCマーケティングとの大きな違いを4つ紹介します。
投資が主目的
BtoC |
BtoB |
|
主な購入目的 |
消費 |
投資 |
例 |
・USJで遊びたい ・ステータスのための高級時計 ・おしゃれな服を楽しみたい |
・最新のロボットで生産量アップ ・DXでバックオフィスのコスト削減 ・コンサルを立ち上げ売上アップ |
BtoC向けのサービスは「体験」や「所有」などの消費が主な利用目的であることが多いです。例えば友達と遊園地に遊びに行って楽しい時間を過ごしたい、高級車に乗ってステータスをアピールしたい、といった目的です。
一方、企業がサービスを購入する目的は未来への投資で、経営者は下記のような費用対効果をとても気にしています。
- サービスを利用することで売上げは何割増えるのか
- バックオフィスのコストは何割削減されるのか
- 従業員の残業時間は減るのか
施策を打つ際には、サービス導入によってクライアントの課題が解決されることを数字でアピールしましょう。
- 最新のAI運搬ロボットを導入して人件費を1000万円削減
- SFA(営業支援ツール)を導入して成約率を10%アップ
- アクセス解析ツールを導入してサイトのPV数を半年で2倍に改善
- 取り逃がしのロスが大きい
コンビニエンスストアや飲食店のようなBtoCサービスの場合、何百万人という来店者がお客様になりますが、BtoBの場合は業界が狭い分取引先も少ない傾向になります。そして、BtoBは1社あたりの取引額が数百万円~数億円と大きい傾向にあります。つまり、1社でも取引先を失った際の影響が大きいのがBtoBの特徴です。
一方で、BtoBはBtoCと比べて業界が狭いため、情報が浸透しやすいというメリットがあります。
意思決定に関わる人が多い
BtoC |
BtoB |
一人で決める |
・担当者 ・主査 ・係長 ・課長 ・部長等々 |
レストランで何を食べるか、デパートでどの化粧品を購入するかといった個人の消費は自分一人で決めることがほとんどです。不動産や車など高額商品でも、意思決定する人は本人とそのパートナーくらいしかいません。
しかしBtoBにおいて、社員一人の決断で契約を決めるケースは稀です。担当者以外に係長や部長といった複数名の承認が必要になります。それゆえ検討期間が長期化する傾向にあり、大企業だと1年かかることもあります。担当者が良いと思ったサービスや製品でも、稟議にかけたら半年経って本社や支社に却下されたというケースは珍しくありません。
コンテンツを制作する場合は、そのコンテンツをそのまま稟議の資料に活用してもいいくらいのクオリティに仕上げなくてはいけません。例えば、オウンドメディアであれば、直感的に記事の内容を把握できるようにグラフや画像を多用する、有名企業への納入事例を載せる、といった施策が必要になります。
事例やノウハウの開示が大事
BtoBビジネスになると、自社ノウハウが流出して競争力が落ちることを懸念する企業は少なくありません。しかしBtoBのWebマーケティングこそ積極的な情報開示が成否のカギを握ります。なぜならBtoCと比べて、BtoBは見込み客が少ないからです。
そのため、オウンドメディアやSNSなどで情報発信しなければ、どれだけ素晴らしいサービスでも見込み客が調べて自社に辿り着くことはありません。
また、情報発信をする際には事例の積極的な提供が不可欠。BtoBは事業サービス内容が掴みにくい側面があるため、自社で利用しているところを想像しにくい企業も少なくありません。
- 導入企業の数
- どんな業種の企業が使っているか
- 導入企業が抱えていた悩み
- ソリューションの中身
上記の情報を惜しみなくだすことで信頼を得やすくなります。自社サービスを信頼してもらうためにも、見込み客の不安を取り除く努力をしましょう。
BtoBWebマーケティングの注意点3つ
ここでは、BtoBWebマーケティングで注意すべきポイントを3つ紹介します。
- 専任のマーケターを用意する
- 見込み客に合わせてアプローチ法を選ぶ
- CVのハードルを一気に上げない
専任のマーケターを用意する
マーケターが営業や開発など他の部署と兼任していると失敗する可能性が高くなります。なぜなら他の業務に気を取られてしまうからです。
SEOやSNS運用の章で解説しましたが、マーケティングの効果が出るまでには時間がかかります。特に施策の初期はお問い合わせが増えない、アクセスが伸びないなど手応えを感じられることはほとんどありません。
そのため、兼務でマーケティングをやると他の業務に流されてしまい、メディアの更新やSNSの投稿が止まってしまうなど、施策が滞るリスクがでてきます。成果を出すためには、専任マーケターを用意し、担当者が施策に集中できる環境を整えましょう。
見込み客に合わせてアプローチ法を選ぶ
自社に対する見込み客の関心度は様々です。課題すら意識していない潜在層もいれば、課題は明確だが解決策が見つかっていない層、特定のサービスを探している層など千差万別。
そのため、見込み客の関心度に合わせてアプローチの方法を考えないと、成約には繋がりません。例えば、まだ情報収集しかしていない見込み客に特定の製品をセールスしても不評を買うだけです。一方自社へのサービスに強い興味を示しているのに、メルマガでノウハウコンテンツばかり送っては関心度を下げかねません。
見込み客が購買プロセスのどの段階にいるかを踏まえて、アプローチの方法を決めましょう。下記に見込み客に合わせた適切なアプローチ方法をまとめているので、参考にしてください。
見込み客獲得 |
見込み客育成 |
成約・受注 |
・SEO ・リスティング広告 ・SNS ・ウェビナー |
・メールマーケティング ・SNS ・ウェビナー |
・オンライン商談 ・デモ動画 ・説明資料・事例集 |
*見込み客育成:獲得した見込み客の自社への関心度を高める施策
CVのハードルを一気に上げない
見込み客が商品に興味を持ったとしても、いきなりCVを商談や商品購入にするのはハードルが高すぎます。購入プロセスの中間に以下のようなCVポイントをつけて、見込み客の行動のハードルを下げましょう。
- メルマガ登録
- 資料のダウンロード
- セミナーの招待権
- 格安商品の提案
CVのハードルを下げるメリットは、見込み客と長期的な関係を築きやすいこと。資料やセミナーなどで自社のことを徐々に知ってもらえたら、信頼を得やすくなります。主力商品の商談も見込み客との関係ができ上がった状態で進められるため、成約率アップを見込めるでしょう。
またBtoBの特徴として、サービス内容や商品によって決裁の通りやすさが変わることが挙げられます。例えば資料のダウンロードやセミナーへの参加であれば、担当者にも権限が与えられているケースは珍しくありません。
工場に新しく設備を投入する場合、本社の許可を得る必要があるかもしれませんが、修理工具や計測マシンの購入であれば現場責任者に決裁権がある企業もあります。このように、サービス内容によって決裁の通りやすさは大きく変わります。
そのため、主力商品の成約を促す前にハードルの低いCVポイントを設ければ、見込み客も行動しやすくなるでしょう。
BtoBWebマーケティングの成功事例4つ
BtoBWebマーケティングの成功事例を知ることで、成果が出ている要因を明確にできます。ここでは、主な成功事例を4つ紹介します。
株式会社ベーシック
画像引用:株式会社ベーシック
株式会社ベーシックは東京都千代田区に本社を置くマーケティング会社です。
同社では、ferretというマーケターに必要な知識を提供しているオウンドメディアを運営しています。実務に役立つ資料をダウンロードできる会員登録や問い合わせなどにより、企業名・氏名・メールアドレスといった見込み客の情報を得ることを目的にしています。
画像引用:ferret
同メディアはSEOだけでなく、メルマガ会員のリストマーケティングでもファンを獲得しており、会員数は約46万人で、月間PV数550万PV・UU(ユニークユーザー)数が350万UUという実績があります。
マーケターのよりどころをコンセプトに「SEO」「SNSマーケティング」「コンテンツマーケティング」といったカテゴリーで有益な記事を提供。トップページでは「CVRを改善するためには?」「月11,000円でSEO対策する方法」などのお役立ち記事を配置するなど、ユーザーが素早くアクセスできるように設計されています。
下にスクロールすると、ピックアップ記事やおすすめ記事、直近のイベント情報を掲載することで、必要な情報にたどり着ける点も魅力です。
株式会社シマテック
画像引用:株式会社シマテック
株式会社シマテックは、大阪府守口市に拠点を置く機械メーカーです。パーツフィーダー(※)や検査機械の納入で45年の歴史を誇っています。
※パーツフィーダー:大量の部品を一気に同一の方向・姿勢に整列させて次工程の組立機・包装機等に供給する装置
同社の特徴は、製品の性能が一目で分かる動画コンテンツを多く制作していること。特にスペック表や文章コンテンツでは伝わりづらい性能をデモ動画で伝えることで、見込み客から大きな信頼を獲得しています。
YouTubeで配信したデモ動画を自社サイトにも乗せるなど多方面にコンテンツを展開。施策開始から1年で売上額が1.7倍に増え、ブログ経由からの問い合わせで1件あたり最大3,200万円の取引も実現しました。
コベルコ建機日本株式会社
画像引用:コベルコ建機日本株式会社
コベルコ建機日本株式会社は千葉県市川市に本社を構える建設機械・運搬機械の販売・サービス会社です。
サイトのトップページには、最新のショベルカーやブルドーザーなどの販売情報、重機のメンテナンスノウハウなど、建設現場で役に立つ情報に素早くアクセスできるサイトデザインが魅力です。
また同社のTwitter公式アカウントでは、新しい重機のリリース情報やイベント告知などを毎日投稿。製品紹介の際にも動画デモを載せてツイートしているため、重機に詳しくない人でも直感的に理解できるのもポイントです。
画像引用:コベルコ建機日本株式会社公式Twitterアカウント
また同社の部活動情報を載せたり、アンケート機能を使ってユーザーとのコミュニケーションも意識するなど、見込み客に親しまれる運用も意識しています。その結果、同社アカウントのフォロワーは1万人を突破しました。
重機販売というニッチな分野で幅広いファンの獲得に成功した好例といえるでしょう。
株式会社ユーティル
株式会社ユーティルは東京都新宿区に本社を構えるWeb制作・システム開発会社で、下記のコンテンツを運営しています。
- Web幹事:ホームページを制作したい企業に、Web制作会社をあっせん
- システム幹事:システム開発をしたい会社と開発会社のマッチングをサポート
- 動画幹事:動画・映像を制作したい企業と制作会社のマッチングを支援
最大の特徴は、ユーザーファーストの良質なコンテンツを制作していることです。例えばシステム幹事では「記事をそのまま稟議資料に出せること」をモットーに、ハイクオリティなコンテンツを制作。
Web幹事では「ホームページの制作ノウハウ」や「おすすめのWeb制作会社」など、Web制作に困っている企業に寄り添う記事を作ることで、検索エンジンからの流入を獲得しています。
また、サイト内では「地域」「実績」などから制作会社を検索できるようになっており、見込み客のニーズにマッチする制作会社を見つけやすい設計になっています。
ユーザーが素早く必要な情報を見つけられることで利便性を高めた結果、メディア総計で月間1000件近い問い合わせを獲得。狙ったキーワードの80%以上が検索結果で上位10位以内に表示されています。
※BtoB企業のメディア運用で悩んでいる方は、Web幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
BtoBWebマーケティングの要点まとめ
BtoBWebマーケティングの手法と選び方、注意点、成功事例について紹介しました。
- ペイドメディアのようなWeb広告はすぐに認知を獲得しやすい
- BtoBはBtoCと違い検討期間が長く、複数人が意思決定に関わる
- CVのハードルは段階的に設定する
- 見込み客の購買意欲に合わせてアプローチの方法を選ぶ
現在は多様なWebマーケティング手法が登場しているため、どの施策が自社に合っているか分からない企業が増えています。闇雲に施策を打つだけではお金を浪費しかねません。
自社の課題と予算に合わせて手法を選びましょう。
自社にマーケティングのノウハウがなく、リソースに限りがあるという方はWeb幹事にご相談ください。予算や目的から最適なWebマーケティング会社をご紹介します。相談料などは一切かかりません
コンサルタントのご紹介
代表取締役
岩田 真
2015年にWeb制作会社を設立し、
3年間で上場企業を含む50社以上制作に携わらせていただきました。
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BtoB向けWebマーケティングの手法として「ペイドメディアを導入する」「リスティング広告を活用する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
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この記事を書いた人
喜多村道秋
新卒で大手インフラ企業に入社。約10年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。2018年からSEOブロガー・ライターとして活動を開始。「相手に伝わる文章を書く」を信条に執筆しています。
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