- 更新日 2024.10.23
- カテゴリー ECサイト
ECサイトの決済方法10を比較|自社に合う選び方も解説【2024年最新版】
リアル店舗に比べて多種多様な決済方法があるECサイト。どれを取捨選択すべきか迷っている方が多いでしょう。
・どんな決済方法があるのか把握したい
・自社に必要な決済を知りたい
・不要な決済は管理が大変なので導入したくない
そこで本記事では、ECサイトの決済方法について以下をお伝えします。
・ECサイト立ち上げ時にオススメの決済方法
・ECサイトで利用が多い決済方法4つのメリットとデメリット
・自社に合う決済方法を選ぶ際に押さえておくべきポイント
リアル店舗との違いも踏まえて解説しますので、最後まで読めば、自社ECサイトに合う決済方法が見つかります。
※これからECサイトを立ち上げる方、ECサイト運用にお悩みの方は、こちらも参考にしてください。
ECサイト運用で失敗したくないあなたへ D2Cサイトの調査レポート&ECサイト運用の心得 製造から販売まで、仲介業者を挟まずに自社でおこなう「D2C(Direct to consumer)」モデル。日本でもD2Cモデルを採用したブランドが登場し、EC業界に新たな市場をつくりはじめています。 そんな中 ・ECサイトをつくりたいけど、どこまでの機能を付ければ良い... 無料でダウンロードする
ECサイトの決済とは
まずはECサイトで使える決済について解説します。この記事で取り上げる決済方法は10個に絞りましたが、その中から自社に合う決済を選んでください。
オンライン決済とオフライン決済の2種類
オンライン決済
- クレジットカード決済
- Amazon Pay
- キャリア決済
- ID決済(○○Pay決済)
- 電子マネー
- PayPal
オフライン決済
- NP後払い
- コンビニ後払い
- 代引き
- 銀行振込(ネットバンキングを除く)
ECサイトの決済方法には、ECサイトで商品を購入する際に決済が完了する「オンライン決済」と、先に商品を注文して後から支払う「オフライン決済」があります。それぞれメリット、デメリットがあるので、どれが良いなどは決められません。自社に合うもの、お客様のニーズがあるものを選ぶことが大切です。
ECサイトでよく使われる決済方法
<インターネットを使って商品を購入する際の決済手段の推移>
【参照】令和3年通信利用動向調査報告書(世帯編)
ECサイトに決済を導入するにあたり、まずはユーザーがどのような決済手段を使っているかを把握しておきましょう。上の表は総務省が調査した令和3年通信利用動向調査報告書(世帯編)のデータです。
令和3年の時点でECサイトで一番利用されているものがクレジットカード。次いでコンビニエンスストア、電子マネー(〇〇pay,Suicaなど)となっています。利用割合は以下のとおり。
- クレジットカード決済:75.7%
- コンビニエンスストアでの支払い:33.1%
- 電子マネー決済:28.1%
2位のコンビニ決済や令和元年では3位だった代金引換が下がっており、オンラインの決済が伸びていることがわかります。
後払い決済サービスが伸びている
画像引用:EC決済サービス市場に関する調査を実施(2023年)(リンク切れ)
一方で2022〜2023年に実施した株式会社矢野経済研究所の調査によると、ECサイトにおいて後払い決済サービスの需要が伸びています。要因としてはクレジットカードを持っていない若年層や主婦層の増加が挙げられます。また、宅配業者との対面を避けるために代引きから後払い決済への移行が進んだことが要因です。
ECサイトの立ち上げ時に欲しい決済サービス
参考までに、どんな店舗でも導入したほうがいい決済方法は上の3つです。初めてECサイトを運営される方は、最低限あったほうがいい3つでスタートして、店舗の規模が拡大してくる過程でユーザーの要望が多いものを徐々に増やしていくやり方がオススメです。この3つを勧める理由は本記事の各決済方法の解説をご覧ください。または、当サイトWeb幹事にご相談いただいても大丈夫です。
関連記事:ECサイト構築にお悩みならこちら。ASPカートを特徴別・比較表付きで紹介
ECサイトでオンライン決済を導入するメリット
これまで実店舗を運営していた方は、オンライン決済を導入するのに戸惑う人もいるでしょう。お客様のニーズがあるとはいえ、果たして導入すべきなのか?と迷っている方に、オンライン決済の3つのメリットを紹介します。
売り逃しの機会を減らせる
オンライン決済を導入するメリットは売り逃しの機会を減らせることです。決済の選択肢が多いほうがお客様の購買行動が増えることはもちろん、オフライン決済はコンビニや銀行などに支払いに行かなければならず、面倒くさいと思うお客様が多いです(筆者もその一人です)。また、クレジットカードのポイントが貯まる、PayPayなどポイント還元などキャンペーンを実施している場合もあり、オンライン決済で支払いたいニーズは多くあります。
正直、筆者もオフライン決済しかなければ買い物をしない可能性が高いです。お客様の売り逃しを減らすためにも需要の多いオンライン決済は導入すべきです。
未回収リスクを減らせる
クレジットカードや○○Payなどオンライン決済は、商品を購入すると同時に支払いが完了するので未回収リスクを減らせます。
オフライン決済は支払い期限が過ぎてもお金が振り込まれない、お客様が支払いを忘れているなど、未回収のリスクが発生します。筆者も以前、ECサイトで働いていた経験があり、未払いのお客様に電話をかけて支払いを促す仕事をしていました。しかし、電話が繋がらないケースが多く、場合によっては電話をかけた段階で「キャンセル・返品します」と言われてしまう場合もあります。
未回収リスクを減らす点でもオンライン決済は重要です。
運用の負担を減らせる
オンライン決済のメリットは運用の負担も減らせることです。先ほど説明した未払いの際の追客対応や銀行振り込みの場合、きちんと代金が振り込まれたかなどECサイト運営者が確認しないといけないケースもあります。
オンライン決済は商品購入時に決済が完了するので、入金確認の手間がありません。運用の負担を少しでも減らすためにも、オンライン決済は重要です。
※ここまで読んで、ECサイトの決済について相談したい方はWeb幹事にお問い合わせください。未回収リスクを減らすアドバイスなどもできますので、お気軽にご相談ください。
ECサイトの決済方法(オンライン)のメリット・デメリット
決済方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
クレジットカード |
・ECサイトで利用者が多い ・入金を確認しなくていい ・未払い時はカード会社が対応 |
・注文取消の場合もある ・18歳未満は使えない ・セキュリティ対策が重要 |
Amazon Pay |
・面倒な決済入力がない ・セキュリティが強い ・Amazonギフトカードも使える |
・18歳未満は使えない ・Amazonの審査がある ・返品処理に時間がかかる |
ID決済(○○Pay) |
・各サービスのポイントが貯まる ・面倒な決済入力がない |
導入するために ページ改修が必要 |
キャリア決済 |
・クレジットカード情報なしでOK ・未回収リスクが低い |
・利用できる上限金額が低い ・入金が月に1回 |
電子マネー |
・クレジットカードほど制限がない ・ポイントが還元される |
・高額商品には対応しにくい |
PayPal |
・海外で普及している ・クレカなしのユーザーも利用可能 |
・利用者が少ない |
どの決済方法を導入すべきか判断できるように、まずは6つのオンライン決済のメリットやデメリットを解説します。この中でどの店舗も導入しておいたほうがいいのは、クレジットカード決済とAmazon Payです。
クレジットカード決済
メリット
- ECサイトで利用者が多い
- 入金を確認しなくていい
- 未払い時はカード会社が対応
クレジットカード決済はECサイトの決済方法で最も多く使われている決済方法です。24時間365日いつでも商品を購入できる便利な決済方法で、初回は入力に手間がかかりますが、一度クレジット情報を登録して保存すると以降の購入手続きから決済完了までがスムーズ。手元に現金がなくても口座から引き落とされるため手軽に利用しやすいのが特徴です。
またクレジット決済は、ECサイト運営者側からしても入金待ち状態にならないためすぐに商品を発送可能。作業がスムーズに行える点と在庫管理もしやすい点がメリット。さらに代金が未払いの場合にはクレジットカード会社が対応してくれるため、運営側にとっては未回収リスクを低く抑えられます。
デメリット
- 注文取消の場合もある
- 18歳未満は使えない
- セキュリティ対策が重要
クレジットカード決済は不正使用によるチャージバック(注文取消)が起きる可能性があり、クレジットカード会社から返金処理を受ける場合があります。
また、クレジットカードは18歳未満には使えないため、ターゲット層次第では利用率が極端に低くなることを考慮しておく必要があります。
そして、クレジット決済はセキュリティ対策において常に万全を期す必要があります。せっかくクレジット決済を導入しても、セキュリティに不安があるサイトではクレジット決済を利用してもらえないため、安全性をアピールすることも大事です。
Amazon Pay
Amazon Payもクレジットカードと同じく、できれば導入したほうがいい決済方法です。Amazonユーザーのみが使える決済ですが、そもそもAmazonユーザーが5,000万人を超えているので母数が多いと言えます。
メリット
- 面倒な決済入力がない
- セキュリティが強い
- Amazonギフトカードも使える
Amazon Payは、Amazonアカウントでログインしワンクリックで買い物ができます。Amazonに登録されている配送先やクレジットカード情報を活用できるため、使い勝手が良い決済方法。面倒な決済入力をしなくてすむため離脱されにくく、購入率を上げるメリットがあります。
また、グローバル企業であるAmazonが管理している決済サービスなのでセキュリティ面も強く、お客様から安心感があります。Amazonギフトカードも使え、利用額の最大1.0%分を還元する特典もあるので、利用するお客様が多いです。
デメリット
- 18歳未満は使えない
- Amazonの審査と実装がある
- 返品の処理に時間がかる場合がある
Amazon Payは、Amazonに登録したクレジットカードから引き落としされるので、そもそも18歳未満は使えない点でクレジットカードと同じです。Amazonの審査を受けてから実装することになり、クレジットカードの導入とは異なる実装の手間があります。詳しくはAmazon Payの公式サイトをご覧ください。
また、商品の返品が発生した場合、Amazonが払い戻しを処理するため、返金の処理に時間がかかる場合があります。
ID決済(○○Pay)
ID決済とは○○Payなどの各サービス会社独自の支払い方法のことです。先ほど紹介したAmazon Payの他に、PayPay、楽天ペイ、メルペイ、Apple Pay、LINE Payなどの種類があります。
メリット
- 各サービスのポイントが貯まる
- 面倒な決済入力がない
お客様側のメリットとしては、楽天やメルカリ、LINEなど各サービスのポイントが貯まること。そのため、クレジットカードや他の支払い方法ではなくID決済で支払いたいというニーズが増えており、ID決済を導入することで売り逃しを減らすことができます。
また、Amazon Payで説明したように住所や電話番号など個人情報を入力する必要がないので、決済が楽になります。
デメリット
- 導入するためにページ改修が必要
ECサイトの運営側のデメリットとして、新しいID決済を増やす場合は、そのサービスごとの審査を受けたり、サービスごとに実装方法が違ったりと導入が面倒です。新しいID決済を導入するたび、ECサイトをアップデートする費用もあります。
キャリア決済
キャリア決済とは、各キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)の携帯電話料金や通信料金と合わせて支払う決済サービスのことです。
メリット
- 未回収リスクが低い
- 誰でも利用できるので、ユーザーの幅が広い
キャリア決済は設定しているIDやパスワードの入力だけで、商品を購入できます。料金の回収はキャリア側で行うため、未回収リスクが低いメリットもあります。クレジットカード情報を必要とせず、スマートフォン上の操作だけで決済が完了し、誰でも利用できることもメリットです。
デメリット
- 利用できる上限金額が低い
- 入金が月1回なので、キャッシュフローに注意
ID決済のデメリットは、クレジットカードと比較して利用できる限度額が低いこと。そのため高額商品は購入しにくいです。また基本的に入金サイクルが月に1回なので、原材料の仕入れ代金のズレ(キャッシュフロー)に注意する必要があります。決済日によっては、売上入金が1か月から1か月半後になることもあるので注意が必要です。
電子マネー
電子マネーは交通系ICカードのSuicaやICOCAなど、セブン&アイ・ホールディングスのnanacoやイオン系列のWAONなどで支払う決済サービスです。
メリット
- クレジットカードほど制限がない
- ポイントが還元される
電子マネーのメリットはクレジットカードと違って誰でも作りやすいことです。例えばWAONは年齢制限なく、モバイルSuicaは12歳以上であれば誰でも作れます。クレジットカードが作れない学生や審査に通らない人でも買い物ができるので、購入者の年齢層が広がります。また、電子マネーで買い物をするたびにポイントが貯まるので、利用する人が多いです。
デメリット
- 高額商品には対応しにくい
- サービスごとに手数料が異なる
電子マネーはチャージできる金額に制限があることが多く、キャリア決済と同じく高額商品には対応しにくいデメリットがあります。また、サービスごと手数料が異なるので利益が計算しにくいデメリットもあります。
PayPal
画像出典:PayPal公式サイト
PayPalとは、PayPalアカウント(口座に相当するもの)を作成して利用する決済方法です。アカウント作成時にクレジットカードの情報を登録し、PayPalのアカウントで支払います。
メリット
- 海外で普及しているので越境ECに向いている
- 銀行口座があればクレジットカードなしのユーザーも利用できる
PayPalのメリットは商品を購入するECサイトに、クレジットカードの情報を送信せず購入ができること。ユーザー側のセキュリティに対する心理的ハードルを下げられます。以前はPayPalのアカウント作成時にクレジットカードが必要でしたが、銀行口座と連携し始めたので、現在ではクレジットカードの登録が不要。ユーザー側の利用のしやすさが向上したため、今後利用者が増加する見込みがあります。PayPalは海外で普及している決済のため、越境ECのような外国人をメインターゲットにする事業にはオススメの決済方法。
デメリット
・日本での浸透率は高くないので、利用者が少ない
PayPalのデメリットとしては、まだ日本での浸透率が低いので、利用者が比較的少ないことです。今後は増える可能性がありますが、今すぐ導入すべき店舗は限られます。
※ここまで読んで、オンライン決済の導入に悩んでいる方はお気軽に相談ください。専任のアドバイザーが無料でアドバイスいたします。
ECサイトの決済方法(オフライン)のメリット・デメリット
決済方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
NP後払い |
・商品を確認してから支払いができる ・未払い対応もNP側で対応 |
・利用限度額がある |
コンビニ後払い |
24時間支払いができる | ・キャンセルや返品リスクがある |
銀行振込 |
・抵抗感がない |
・入金確認に手間がかかる |
代金引換 |
・対面で商品を受け取れる | ・代金未回収リスクが高い |
次にオフライン決済のメリット、デメリットを解説します。中には「オンライン決済」だけでいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、できればオフライン決済も導入しましょう。
クレジットカードを持っていないお客様も多く(未成年者など)、オンラインで支払うことへの個人情報の流出やセキュリティ面に不安がある方もいます。さまざまなお客様のニーズに応えるためにも選択肢は増やしたほうがいいです。
NP後払い
画像引用:NP後払い
NP後払いは、商品と一緒に払込用紙が梱包され、全国のコンビニ・郵便局・銀行・LINE Payで後払いができる決済方法です。株式会社ネットプロテクションズホールディングスがサービスを提供しています。
メリット
- 商品を確認してから支払いができる
- 未払い対応もNP側で対応
NP後払いは、お客様にとっては商品を確認してから支払いできるため、初めて利用するECサイトでも安心してお買い物ができます。クレジットカードも口座登録も不要なので、学生や主婦の方など森用できます。未払いの請求もNP側がやってくれるので、ECサイト側では未決済のリスクを軽減できます。ECサイトを始めるどの企業にも導入をお勧めする決済サービスです。
デメリット
- 利用限度額がある
NP後払いのデメリットとしては支払いの限度額があることです。NP後払いの支払い前の合計が55,000円(税込)までと決められているので、それ以上の高額商品には使えません。
例えば、5万円の家電製品をNP後払いで注文した場合、その支払いが終わるまで購入できる金額は残り5,000円です。つまり、5万円と1万円の商品を同時に購入することはできないのです。せっかく注文が入ったのに審査が下りずに購入がキャンセルになることも頻繁にあります。
コンビニ後払い
コンビニ後払いは、商品到着後、コンビニのレジや専用端末で支払う方法です。NP後払いはLINE Payなどでも支払いができましたが、コンビニ後払いは必ずコンビニまで足を運びます。
メリット
- 24時間支払いができる
コンビニ後払いは、ユーザーにとっては自分の生活行動圏内のコンビニで支払え、24時間営業が多いため利便性が高めです。日中は仕事をしていて代金引換の時間に家にいない、平日に郵便局や銀行に行く時間がない人の利用が多いです。筆者のような独り暮らしには助かります。しかも、クレジットカードを持っていない人でも利用できる点もメリットです。
デメリット
- キャンセルや返品リスクがある
コンビニ後払いのデメリットとしては商品が届くまでに心変わりし、キャンセルや返品リスクがあること。消費者にとっては購入後にコンビニに支払いに行くという手間があるため、心変わりや面倒という理由で購入を無断キャンセルされるリスクもあります。
筆者もECサイトでコールセンターをしていましたが、「急にお金が足りなくなった」「他にほしい商品ができた」と理由をつけてキャンセル、返品がよくありました。
そのコンビニ後払いには3つの決済方法があります。
1.コンビニ払込票決済
2.コンビニ払込票決済(債権保証型)
3.ペーパレスコンビニ決済(Webコンビニ決済)
1.コンビニ払込票決済
商品と一緒に払込票が郵送されます。個人情報も事前に必要なく手軽に利用できます。ユーザーにとっては商品を確認してからお金を支払えるという安心感があります。ただし決済タイミングがユーザー次第になるため、代金未回収のリスクが存在します。
2.コンビニ払込票決済(債権保証型)
1.の決済方法に、債権保証型後払い決済サービス「DSK後払い」を付けたタイプです。DSK後払い契約を締結した取引先が、商品発送の確認をもって代金をEC事業者に立替払いするので、未回収リスクを軽減できます。ただし手数料もその分高額です。
3.ペーパレスコンビニ決済(WEBコンビニ決済)
コンビニに設置されている端末を使って決済する方法です。端末にシリアルナンバーを入力し、印刷されたシートをレジに持っていくと決済できる仕様です。
銀行振込(ネットバンキングは除く)
銀行振込決済は日本人に認知度が高く、ユーザーが最も迷わない決済手段の1つ。
昔からある主要な決済方法です。ネットバンキングを導入する銀行も増えており、従来の銀行振込に比べて、入金サイクルが早まったといわれています。
メリット
・馴染みの深い決済方法のため抵抗感がない
・一度登録すれば手間がかからず
銀行振り込みのメリットは馴染みの深い決済方法のため、抵抗感がない決済方法であること。心理的ハードルを下げられます。
デメリット
・登録の手間がかかる
・入金の確認作業に手間がかかる
・振り込まれないというトラブルが発生する
デメリットは、入金の確認作業が発生するので、人的リソースが必要なこと。また購入したにもかかわらず、振り込まれないというトラブルが発生することもあります。
代金引換
代金引換は、配達員が料金を代行して受け取る決済サービスです。購入者側には希望する方が多いですが、ECサイト運営者にとっては注意が必要な決済方法です。
メリット
・対面で商品を受け取れる
代金引換はクレジットカードや銀行口座がない方でも利用でき、対面で商品を受け取れるので安心感があります。そのため、多くのECサイトで導入される決済サービスです。
デメリット
・代金未回収リスクが高い
代金引換のデメリットとして、代金未回収リスクが高い決済方法であると言えます。受取拒否や不在の連続などキャンセル料を設定しても不払いになることが多く、在庫、配送費だけがかかって損失になるというリスクがあります。筆者が以前ECサイト運営に関わっていて最も多いトラブルが代引きの未払いでした。配達業者から「受取拒否になった」と連絡が来て、お客様に電話をしても繋がらなかったり「買った覚えがない」「間違って買った」などと返品されるケースが多かったです。
これが実店舗と通販で大きく異なる点であり通販の穴。代引きはお客様から要望が多い場合に限り、後から追加すると良い決済方法ともいえます。
BtoBのネットショップは企業ごとの対応がおすすめ ECサイトにはアスクルやモノタロウのようにBtoBのネットショップもあります。BtoBのECサイトは企業間の取引になるため、「月末締め翌月末払い」に対応できるなど、企業ごとに決済方法を変えることも重要ポイントです。
ECサイトの決済方法の選び方
ここまで読んでも自社ECサイトに最適な決済方法を決めきれなかった方に、選ぶ際に押さえておくべきポイントを解説します。事前に顧客リサーチが必須となり、自社の取扱商品のターゲットに合わせて決済方法を選択していきます。
自社で販売するEC商材との相性
ポイントの1つめが「自社ECサイトで販売する商材との相性」。たとえば高額商品を取り扱っているにもかかわらず、代金引換決済しか選択できない場合は、事前に多額の現金をユーザー側が用意しておかなければなりません。また、商品の単価が低い商材でも、まとめて購入するものであれば合計金額が高額になります。
そのような理由から、購入合計金額が高額になりそうな商材を取り扱っている場合は、現金決済以外の決済方法を用意しておくとユーザー側に親切です。それに加えてチャンスロスも防げる可能性があります。
ユーザー属性との相性
2つめのポイントは「ユーザー属性との相性」です。取り扱う商材によって、購入するユーザーの年代層がある程度偏るものもあります。例えば一般的な食材を扱うようなECサイトであれば幅広い年齢層をカバーできるクレジット決済や銀行振込等がおすすめ。
10代や20代をメインターゲットとするなら、クレジットカードを持っていない方もいるので、キャリア決済やコンビニで支払える後払い決済、○○Payなどの決済があるといいでしょう。
またターゲットユーザーが個人なのか法人なのかを調べておくことも重要です。業務で利用している場合、大量注文がある可能性も考慮してクレジット決済やNP掛け払い決済などを導入しておくと、チャンスロスを防げます。自社のターゲットユーザーの行動パターンを調査して、最適な決済手段を導入することで顧客満足度を高められます。
いずれにせよ、利用金額によって別途ポイントが付与されるクレジット決済と電子決済は幅広い層で支持されるため、全属性で導入すべき決済方法といえます。
料金未払い時の対応
リアル店舗とネットショップの大きな違いが、料金の支払いです。リアル店舗は来店してその場で支払いを済ませますが、ネットショップは商品を発送したのに未払いが発生するリスクがあります。
その際、料金請求の手間もかかってしまうと店舗運営を圧迫します。カスタマーサクセスなど、お客様対応のリソースが十分でないと、未払いが起きたときに対応が難し口なります。そのようなリスクが高そうであれば、料金の請求を代行してくれる決済方法を選ぶと良いでしょう。
※さらにECサイトの決済方法の選び方を知りたい方はWeb幹事にご相談ください。ECサイトの特徴や予算などをヒアリングした上で最適な提案をさせたいただきます。
自社に合った決済システム代行会社を選ぶポイント
- 支払いの種類
- 手数料や月額費用
- セキュリティ対策
- カスタマーサービスの充実度
- 決済代行会社の信頼性(財務健全性)
自社ECサイトに導入すべき決済方法もわかったところで、自社にあった決済システム代行会社の選定ポイントを解説します。自社ECサイトに決済方法を導入するためには、決済システム代行会社の利用が一般的。
決済システム代行会社とは、クレジットカード決済をはじめとした幅広い決済手段を提供し、ECサイト等に決済システムを提供する会社です。決済システムを利用するには決済会社の審査があるため、2023年3月時点ではECサイト制作会社とは別で契約する必要があります。
支払いの種類
1つめのポイントは支払いの種類です。大前提として活用しているECサービスに対応している決済会社を選ぶことは必須。そのうえで自社で使いたい決済手段を提供している決済会社を選びます。
そのためには決済会社を選ぶ前に、自社で導入するECシステムを決めておきます。そのうえでいくつか決済会社をピックアップし、ECシステムに対応しているかどうかを調べる必要があります。
1.導入するECシステムを決定
↓
2.導入するECシステムに対応している決済会社の選定
↓
3.活用したい決済方法を提供している決済会社を選ぶ
という順番となります。
手数料や月額費用
2つめは手数料や月額費用です。導入する決済方法によって運用コストが異なり、基本的にどの決済方法を選んでも手数料がかかります。
【決済システムにかかる費用】
・月額固定費用
・1件ごとの決済手数料
・トランザクション手数料
※トランザクション手数料とは、決済データを銀行などに転送する際の1件あたりの通信費用のこと。中には無料に設定されている代行会社もあります。
月額固定は高めでも1件あたりの決済手数料が安いサービスや、逆に月額費用が低額で決済手数料が高いなど、サービスによって様々。自社の決済利用状況に合わせて、選定しましょう。
またトランザクション手数料は、決済金額の大小にかかわらず一定でかかる費用のため、少額の決済が多い商材を提供している場合は、手数料がかさむので注意が必要です。
イニシャルコスト(最初だけかかる費用)とランニングコスト(毎月かかる費用)の両面でチェックしましょう。しかしコストだけで判断せず、自社で重要視するポイントも含めてバランスで考える事も重要です。
セキュリティ対策
3つめのポイントは「セキュリティ対策」です。ECサイトの利用する上でユーザー側が懸念していることが情報漏洩です。クレジットカードやID情報などを不正利用されることに不安を感じているため、精度の高いセキュリティが不可欠となります。
総務省が調査した通信利用動向調査報告書(P50~51)によると、40代~60代を中心に全世帯平均で69.6%がインターネットのセキュリティに対して、不安を感じるという回答をしています。
それらを踏まえても、情報漏洩はサイトにとって信用問題になるため、かなり大きなトラブルになる可能性が高め。少し割高でも、高性能のセキュリティシステムが用意されている代行会社を利用することが長い目で見てもオススメです。
カスタマーサービスの充実度
4つめのポイントは「カスタマーサービスの充実度」です。決済システム上の人的操作ミスはどうしても起こってしまうため、緊急時の対応力があるかどうかを事前にチェックしておきましょう。
たとえ自社に過失がなかったとしても、決済会社の対応次第で連帯して信用を落としかねないので、カスタマーサービスが充実している決済会社を選ぶことが重要です。
決済代行会社の信頼性(財務健全性)
決済代行会社はお客様の個人情報など、外部に漏れてはいけない情報を扱うので、信頼性が重要です。主に下記のことを調べてみましょう。
決算情報:決済代行会社の公式サイトや有価証券報告書などから、売上、利益、資産、負債、純資産などを確認してください。
顧客の数や評判:決済代行会社の顧客数が多いかどうか、どんな企業が代行会社の顧客になっているかなどを調べましょう。また、お客様の声などで評判がわかれば参考になります。
※自社に合う決済システム代行会社を知りたい、紹介して欲しい方はWeb幹事にご相談ください。ECサイトの特徴や目的、予算などをヒアリングした上で最適な済システム代行会社を無料で選定させていただきます。相談料も紹介料も一切かかりません。
決済システムを提供する代行会社おすすめ2選
自社に合った決済システム代行会社を選ぶポイントも説明したうえで、決済システムを提供するオススメの代行会社を2社紹介します。
Veritrans4G
【参照】veritrans公式サイト
Veritrans4GはECや実店舗などで使える総合決済サービスです。業界No.1の幅広い決済方法を備えており、EC事業者は導入したい決済方法の選択肢が多いです。
セキュリティの高さも特徴の1つであり、決済処理との完全自動連携をする「不正ランチラインナップ」や、カード情報を非保持・非通過する「進化型カード決済」を採用。
不正探知ラインナップ
代表的な3Dセキュア、セキュリティコードの認証など、本人認証サービスに加え、オンライン決済やクレジット決済などのシステムと自動連携を実 現。事業者の不正被害対策をサポート。
進化型カード決済
トークン型・リンク型などのカード情報の非保持化・非通過化に 完全対応した、国内最高水準のシステムを提供。このようにセキュリティに強みを持つ決済代行サービスです。
利用可能な決済サービス
・クレジットカード決済
・コンビニ決済
・銀行決済
・電子マネー決済
・キャリア決済
・ID決済
・国際決済(Alipay国際決済、銀聯ネット決済(中国本土に住む消費者向け)等)
・ポイント決済
・PayPal決済
・Apple Pay
・Google Pay
・ベリトランス後払い
その他、よく利用される決済に関しては網羅されています。
費用
具体的な記載がなし。利用したいオプションや利用量によって利用料金が異なるため、問合せにて対応。
PayPal
【参照】PayPal公式サイト
PayPal(ペイパル)はクレジットカードやデビットカード、銀行決済を簡単に受け付けられる決済サービスです。ペイパルが使える店舗は世界2,400万以上、約3億人が利用しており、海外の販売やインバウンドにも対応しています。
フリーランスや副業、個人事業主様から中小~大企業様までニーズに合った決済サービスを利用可能です。PayPal(ペイパル)は買い手と売り手の間に立って決済を行うため、売り手には支払い情報を伝えずに決済が可能。情報漏洩を防ぎます。
利用可能な決済サービス
・メールで決済
・かんたん決済ボタン(HTML)
・API決済
・ペイパル+カード決済
・従量課金
・アプリ内課金
・マーケットプレイス用決済
・ペイアウト
・Sandbox
費用
初期費用・アカウント作成:無料
月額費用:無料
銀行口座への引き出し手数料:無料
決済手数料:2.9%+40円
※自社に合う決済システム代行会社を知りたい、紹介して欲しい方はWeb幹事にご相談ください。ECサイトの特徴や目的、予算などをヒアリングした上で最適な済システム代行会社を無料で選定させていただきます。相談料も紹介料も一切かかりません。
ECサイトと決済システムの接続方式
続いては、自社のECサイトと決済システムを接続する方法を4つ紹介します。自社に合う方法を選んでください。なお、4つの接続方式については株式会社ゼウスの情報を参考にさせていただきました。より詳しく知りたい方はあわせてそちらもご覧ください。
API連携
API連携は、ECサイト運営者がSSL対応のサーバーを構築し、ユーザーのクレジットカード情報を決済サービス側へ送信し、決済処理を行う接続方式です。「データ伝送型」とも呼ばれます。
決済機能を自社側のシステムに組み込むため、自社のもつECサイト内で決済を完結できるメリットがあります。また、セキュリティ性も高く維持でき、ECサイトの規模が拡大して注文件数が大規模な場合にも適した接続方式です。
メールリンク型
メールリンク型は、お客様が購入後、決済サービス会社から提供される決済URLをお客様にメールし、決済サービス会社の入力フォームで決済を行う方法です。
支払いが完了したことを確認してから商品を発送でき、ECサイトのカートシステムを変更する必要がないことがメリットです。
リンク型
リンク型の接続方法は、決済代行会社の決済ページに移動して決済処理を行う方法です。「画面遷移型」とも呼ばれ、ECサイト側はお客様のクレジットカード情報を保持しない特徴があります。
ECサイト側で決済システムを導入する必要がないのでサイトや運営の負担が少ないことが特徴です。
トークン型
トークン型は「JavaScript型」とも呼ばれ、自社ECサイト内の決済時に、決済代行会社のJavaScriptプログラムを組み込んでクレジットカート情報を入力・決済を行う接続方式です。
トークン型は利用者のクレジットカード情報を自社では保持することなく決済完了できるため、個人情報の漏洩やセキュリティ面でリスクを抑えることができます。
ECサイトの決済システムを自作したい場合のサービス
こちらは番外編として、ECサイトの決済システムを自作できるサービスを紹介します。1ページ内で商品説明→申込入力→決済までできるサービスのため、チラシをイメージするとわかりやすいと思います。
単品商品を取り扱っている方向けになっており、取り扱い商品が多数ある場合には不向きのサービスです。1ページあたり12アイテムまで登録できますが、商品数が多いとごちゃごちゃするため見にくくなる恐れもあります。
パパっとレジ
【参照】パパっとレジ公式サイト
「パパっとレジ」は、クレジット・銀行引き落とし・代引きの3種類の決済ができる、決済付き申込フォーム作成サービスです。本サービスの運営はネットショップ老舗の「株式会社ストアテック」と、ソニー銀行系の決済大手の「ソニーペイメントサービス」が行っています。
「商品情報」「注文フォーム」「決済情報」を1つにまとめたWebページを作成することが可能。クレジットカードは5大ブランド(アメックス・VISA・mastercard・JCB・ダイナーズクラブ)が利用できます。
他にも以下のような機能があります。
・スマホ対応
・HTML独自デザイン機能
・パスコード機能
・自動生成QRコード機能
・フォームカスタマイズ機能
・送料設定機能
・決済履歴
・自動メール送信機能
・メール簡単請求機能
スタートプランを利用すれば無料でお試しできるので、自社で扱えそうかどうかを事前に試せます。
料金プラン
スタートプラン (スポット・短期) |
ビジネスプラン (月商20万) |
プレミアムプラン (月商100万以上) |
|
---|---|---|---|
初期設定費 |
0円 |
0円 |
0円 |
月額利用料金 |
0円 |
2,980円 |
7,980円 |
決済手数料 |
4.8% |
3.8% |
3.28% |
対応商材 |
物販/サービス |
物販/サービス |
物販 |
作成できる画面数 |
3画面 (1画面12アイテムまで登録可能) |
30画面 (1画面12アイテムまで登録可能) |
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【まとめ】ECサイトの決済方法について
本記事では、ECサイトの決済方法についてお伝えしました。
ECサイトを運営するためには、決済方法は多いに越したことはありません。選択できる方が、ユーザーの満足度も高まります。しかしむやみやたらに決済方法の種類があっても、ECサイト運営側の管理が煩雑になってしまいます。
ECサイト運営初期には最低限の決済方法を準備して、運営しながらユーザーのニーズを聞き、徐々に対応していけばいいのではないでしょうか。本記事でお伝えした内容を参考にしていただき、ぜひ自社のECサイトの運営にお役立てください。
関連記事:【プロ監修】売れるECサイトの作り方!準備から開設・集客まで徹底解説
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この記事を書いた人
吉崎 孝幸
専門分野: Webディレクション・Webライティング
元パン屋。マーケティングとライティングの面白さにハマり、生地作りから記事作りに転身。現在は店舗ビジネスを中心にWebコンサルティングやWebディレクションを行っている。
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