- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー ECサイト
ネットショップの成功事例10選|開業後に失敗する要因と成功のコツ【2024年最新版】
今までは自社商品の販売とは関係ないBtoCビジネスを行っていたが、企業の売上が低下してきたことで、新規事業として今後オリジナル商品を販売するために、ネットショップを活用したいオンラインショップ担当者には、下記のような悩みがありませんか。
「ネットショップを開業したいが、うまくいく自信がない」
「成功事例を参考にして、自社のネットショップ開業に活用したい」
「ネットショップを成功させるコツを知りたい」
リスティング広告と違って、ネットショップは検索結果の上位表示やSNSによる拡散などによって、中長期的な集客につなげられます。しかし、ネットショップを活用する企業は多くあり、成功させるには競合他社と差別化が必要です。
競合他社と差別化できるネットショップを開業するには、すでに売上や集客数が増加した成功事例を参考にするのが効果的です。自社の業界だけでなく、全く違う業界の事例も参考にすることで、差別化するヒントを見つけられるでしょう。
本記事では、ネットショップの成功事例と失敗の要因などを解説します。本記事を読むと、ネットショップを活用して、売上や訪問者数の増加を実現させるポイントが理解できます。
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ネットショップの成功事例10選
事例を参考にすることで成功のポイントを見つけられ、自社のネットショップの活用イメージが持てるでしょう。
吉田麺業
画像引用:吉田麺業
実店舗ですでに料理を提供している会社が、ネットショップをはじめるなら、吉田麺業は参考にしたいホームページです。吉田麺業は実店舗で名古屋名物のきしめんを使用したメニューを提供している会社です。実店舗で料理を提供しており、売上に伸び悩んでいる企業におすすめの事例です。
同社では通販サイトを利用して、きしめんの販売を行っています。しかし、「通販サイトの売上を上げたい」「コーポレートサイトの構成を分かりやすくしたい」といった課題を抱えていました。
そこで、コーポレートサイトに通販を展開したような設計であり、コーポレートサイトから素早くネットショップに移動できるようにしました。また、集客の施策としてSEOを実施しています。例えば、白をベースにしたシンプルなデザインにすることで、どこに何のコンテンツがあるのかを瞬時に理解できる設計でユーザーの利便性を高めています。同社のホームページ内で、きしめんを使用したレシピを公開することで、ユーザーの興味を引き出しています。きしめん使用レシピで読者を集め、きしめんの購入につなげています。
きしめんを茹でる方法を解説したYouTube動画をネットショップに掲載しています。初めてきしめんを調理する人でも、安心して購入しやすくなる効果が期待できるでしょう。結果、同社によるとホームページ公開直後からアクセス数が約4倍に増え、通販サイトの売上は約2倍に増加しました。
ユニクロ
画像引用:ユニクロ
ユニクロは全国の実店舗展開とネットショップによるオムニチャネル戦略(企業とユーザーの接点となる各チャネルを連携させ、ユーザーにアプローチする戦略)を実施しています。顧客のリピート率が低いことで悩んでおり、口コミ・レビューなどの施策を取り入れたい企業におすすめです。
同社のネットショップは、実店舗では購入できないサイズ展開をしているのが特徴です。万が一実店舗で商品を試着してサイズが合わなかった場合でも、ネットショップから自分に合うサイズを確認でき、ネットショップでの購入を促進しているのです。ユーザーの利便性を高められ、リピート購入につながりやすくなります。
また、各商品ページ内にはお客様が自由に商品レビューを投稿したり、閲覧できたりします。購入前にお客様の生の声を確認することで、サイズ感や生地の質などの細かい情報を取得可能です。顧客が商品をイメージしやすくなり、購入の判断をしやすくなるでしょう。
同社によると、結果的にネットショップの売上が全社の18%に拡大しました。ネットショップで購入した商品を店舗で受け取れる「店舗受け取りサービス」も開始し、同社によるとネットショップ売上の40%以上がそのサービスを利用しています。
ZOZOTOWN
画像引用:ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは国内最大級のアパレルネットショップサイトです。顧客の利便性や満足度を高めたい企業におすすめの事例です。
同社のサイトはシンプルな設計になっており、初めてサイトに訪問してもどこに何のコンテンツあるのかを把握しやすいです。「ブランド」「ランキング」「カテゴリ別」など、さまざまな方法で商品を探せる仕組みがあり、顧客が求める商品を見つけやすいです。加えて、一度閲覧した商品は、再度サイトに訪問した際にトップページに「チェックしたアイテム」というカテゴリーとして表示されます。サイトに再訪問したい際にいちから再び商品を探す手間を省けるでしょう。
商品の検索項目が細かく設定されており、キーワード・性別・価格タイプ・カテゴリー・ブランドなど、14項目の設定が可能です。商品名がわからなくても、商品の特徴がわかれば欲しいものを探せるため、そのため、顧客の利便性を高める効果を期待できます。
同社では顧客の支払いを2ヶ月後にするツケ払い、商品到着後7日以内なら返品できるなどの施策を導入。顧客の商品購入ハードルを下げる効果に成功し、気軽に買い物を楽しめるサイトを実現し、顧客満足度をあげました。結果的に同社によると、売上高は毎年右肩上がりに増加しています。
画像引用:株式会社ZOZO
麺屋武蔵
画像引用:麺屋武蔵
麺屋武蔵は、実店舗でつけ麺を提供している会社です。同社のネットショップでは、つけ麺のセットやチャーシュー・角煮のセットなどを販売しています。手軽にネットショップを構築し運用したい飲食店におすすめの事例です。
同社は新型コロナウイルスの影響で、店舗の売上が半分〜1/3に激減しました。顧客の外出自粛においても売上を伸ばすため、実店舗運営に加えて通信販売も始めています。同社のサイトは、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)と呼ばれ、インターネット経由でECサイトに必要な決済や商品登録といった機能を追加できるサービスを利用して構築されました。30分程度でショップを作成が完了し、スピーディにネットショップの運用に移行できたことで、ユーザーからの売上の増加につながっています。
ネットショップでは、トップページにつけ麺を作る職人の画像を使うことで、店舗に行けなくても雰囲気を思い出したり、親しみを感じやすくする効果が期待できます。商品画像には、店舗で出てくるつけ麺、店内、職人の仕事風景などの至近距離で映された画像を使用して、購買意欲を高めたり、店舗への疑似入店効果ももたらしています。また、商品は2食セットや3食セットにすることで、1食あたりの送料を抑えています。結果的に、同社によるとネットショップ構築後、1〜2ヶ月で約3,000食分、売上が300〜400万円程度でした。
だいし屋
画像引用:だいし屋
だいし屋は、アクセサリーの台紙や値札、ギフトボックスなどを販売しているネットショップです。商品の認知拡大に悩んでおり、SNSを活用して問い合わせ件数を増加させたい企業におすすめの事例です。創業約100年の歴史があり、長年企業向けの販促物を製造・販売していました。経営の立て直しを目的に、一念発起して既存事業をそのままスライドする形で、個人クリエイター向けに台紙や箱を販売しています。
同社のネットショップでは、トップページに「SINCE1924」記載することで、歴史ある企業であることをアピール。加えて、ブログで販売している商品のサイズやおすすめポイントなどの説明を行っています。ユーザーが実際に商品を手に取らなくても、詳細な情報までわかるため購入の判断がしやすくなっているのです。
また、ネットショップへの投稿に加えて、InstagramやTwitterなどのSNSでも商品紹介を実施しています。投稿にネットショップのリンクを紐づけることで、問い合わせにつながっています。結果、同社によると、2020年7月度に過去最高益を更新し、事業の拡大に成功しました。
SY32 SWEET YEARS
画像引用:SY32 SWEET YEARS
SY32SWEET YEARSは、イタリアンカジュアルブランドを展開するネットショップです。ネットショップに掲載する画像の活用方法に悩んでいる企業におすすめの事例です。
ネットショップのトップページでは、同社が販売する商品を着用した20~30代のイタリア人の男性・女性モデル画像を多数掲載しているのが特徴。ユーザーは「自分もモデルのようにカッコよくなりたい」と感じやすくなります。おすすめ商品をスライドショーで見せ、季節に合わせて掲載する商品を変更したりすることで、ユーザーの興味を引き付けています。また、商品の個別ページにおいて、掲載する画像が多くなっているため、ユーザーが商品をイメージしやすくなっています。
Twitterでも新作商品の入荷情報を発信することで、新規のお客様だけでなく、以前購入したお客様にも商品情報を届けられるのです。「この前買った商品が良かったからまた買ってみよう」と感じ、リピート購入につながる可能性があります。決済方法にクレジットカードや代金引換に加えて、Amazon Payを採用。顧客が購入ページでカード情報を入力するといった面倒な作業が発生せず、スムーズに決済を進められます。結果的に、同社によると売上は前年比で最大541%も増加しました。
北欧、暮らしの道具店
画像引用:北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、北欧発の商品を中心に、インテリアや日常雑貨などを販売しているネットショップ。ネットショップとアプリによって、成果を出しています。ネットショップとSNSを利用して、商品の認知拡大やサイトに訪問した顧客の購買意欲を高めたい企業におすすめの事例です。
同社のネットショップは、各商品ページでブログのように実際に商品を使っている画像と説明文で商品紹介をしているのが特徴です。顧客が購入後のイメージを持ちやすく、実際に商品を手にして確認できないというネットショップのデメリットを解消しています。購買意欲を高めるだけでなく、購入前後のギャップを小さくしてクレームや返品を少なくすることが可能です。
また、Instagramで商品の使用シーンなどの投稿をすることで、認知拡大に成功しています。例えば、ツームカーディガンを着用して、気持ちよく寝ているシーンがわかる投稿をしています。2022年10月時点でフォロワーが124万人を超えました。Instagramにネットショップのリンクを紐づけることで、投稿に興味を持ったユーザーの集客に成功しています。
全国農協食品株式会社
画像引用:全国農協食品株式会社
季節や月ごとといったように時期によって販売する商品が異なる企業におすすめの事例です。全国農協食品株式会社のネットショップでは、フルーツ・米・野菜・肉など、全国各地の食品を販売しています。元々は紙カタログの頒布会による予約販売を行っていましたが、顧客の要望によってオンラインへ移行しました。
同社では各地の名産品を気軽に購入できるので、需要が高くなっています。例えば、長崎県のちびまるみかん、北海道のほたて貝柱など、さまざまな商品を取り扱っています。また、福島県産の複数商品をまとめた定期コースも用意されており、毎月美味しいものが届くようになっています。
同社の商品詳細ページでは、画像にマウスを合わせると虫眼鏡のように画像が拡大表示されます。画像を隅々まで閲覧でき、購入前に商品をイメージしやすいでしょう。月や季節ごとに商品を選択できるようになっており、定期的な購入につなげやすいです。ネットショップを導入したことで、紙書類の送付費用や作業時間の削減に成功し、売上も2倍に増加しました。
石けん百貨
画像引用:石けん百貨
石けん百貨は、石けんを中心とした生活用品を販売するネットショップです。この事例は集客に悩んでおり、検索エンジンから流入を増やしたい企業におすすめです。
トップページのヘッダーに取扱商品のカテゴリーを掲載しており、サイトに訪問した顧客が何を購入できるのかを瞬時に確認できます。トップページには「新着&おすすめ商品」「セール&キャンペーン」「売れ筋ランキング」「口コミ・商品レビュー」などのコンテンツを配置。顧客がページを移動することなく、お得な情報を取得できる設計です。
また、同ショップでは、石鹸の基礎知識から使い方まで幅広いノウハウ情報を掲載しています。例えば「液体石鹸で選択する際の注意点」「石鹸で洗髪すると髪がきしむ理由」などの有益な情報を発信しています。SEOによるキーワード検索からの流入に加えて、同社の商品をまだ知らない「潜在顧客」に興味を持ってもらう効果が期待できるのです。ノウハウ記事内では関連商品へのページリンクが設置されており、商品の購入への導線を作り出すことに成功しています。
NOCE
画像引用:NOCE
NOCEは家具やインテリアを販売しているネットショップです。この事例は、ブランディングを意識してネットショップを構築したい企業におすすめです。多種多様なルームコーディネート写真を公開しているのが特徴で、サイト訪問者が「その商品を部屋に置いたときの雰囲気」をイメージできるような工夫がされています。トップページでインテリア画像を大きく使うことで、ユーザーの印象に残りやすくなるため、ブランディング効果を期待できます。
購入前のイメージと購入後の印象の差を小さくする効果ができ、顧客に満足してもらいやすいでしょう。同社の商品を活用して理想の部屋作りを実現できると信頼が高まり「次回もこのサイトの商品を購入したい」と信頼が、リピートにつなげています。また、ネットショップ内の背景は基本的に白色を採用しており、画像とテキストのみといったシンプルなデザインとなっています。ユーザーがどこに何のコンテンツがあるのかを把握しやすいでしょう。
※ネットショップの成功事例を理解しても、自社で構築することに不安があるなら、Web幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
成功するには、ユーザーに喜ばれる機能の実装が不可欠です。こちらのガイドブックにまとめました。
80個のECサイトの機能を徹底調査しました!
D2CのECサイトを徹底調査。ECサイトに必要な機能をまとめました。
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ネットショップが失敗する要因と成功に導くコツ
実際の失敗をイメージすることは難しいです。ネットショップが失敗する要因を把握することで、適切な対処を行えて集客数・売上アップにつながります。
顧客のニーズを満たせていない
ネットショップを構築する際に、目的やターゲットなどを分析しないと顧客ニーズを満たせません。例えば、例えば20代男性向けの商品を展開するネットショップなのに、ニーズを把握していないために女性向けのネットショップのようなデザインなどにして構築しているケースが挙げられます。男性向けサイトでは寒色(青・黒)が好まれますが、女性向けサイトでは暖色(ピンク・紫)が好まれる傾向にあるのです。顧客ニーズを満たせないと、ユーザーの印象に残りづらく、訪問者が離脱してしまうかもしれません。
対処法
ネットショップを構築する際は、コンセプト・ターゲット選定を行うのが効果的です。コンセプトでは「何の商品を販売したいのか」「誰にどのような価値を届けたいのか」などを明確にしていきます。また、ターゲットでは性別・年齢・居住地など、サイトに集客したい人物像(ペルソナ)を設定します。顧客ニーズに合う商品や価格設定ができるので、サイトに訪問したユーザーの購入率を高めやすいです。
例えば、男性向けアパレル商品を展開するネットショップなら、コンセプトがプチプラ商品の販売で、ターゲットが「服に興味があるけれど費用をかけられない男性」のような設定ができます。
競合他社と差別化できていない
他社と同じような商品や付加価値を提供していると、購入の決め手にならず他社の商品を選ばれる可能性があります。差別化するには「商品」「価格」「アピール」「集客」などの観点から対策を行います。例えば、他社が通常梱包に加えてギフトラッピングに対応しているにも関わらず、自社は通常梱包しか選択できないと差別化ができません。
対処法
自社のネットショップで検索結果の上位を狙いたいキーワードを分析しましょう。上位10記事を分析することで、差別化できるポイントを見つけられます。商品の見せ方やデザインなどの中から、自社に活用できそうなところは参考にし、オリジナルコンテンツも入れることを検討できます。例えば、競合よりも安い価格設定にしたり商品の使用例を掲載したりして差別化対策が可能です。
ECサイトが守るべき法律に従っていない
ネットショップを運営する際でも、特定商取引法を守る必要があります。特定商取引法とは、事業者による違法・悪質な勧誘行為を禁止し、消費者を守るために定められた法律です。特定商取引法に基づいて、例えば特定商取引法で定められている氏名等の明示をしていないことが失敗として挙げられます。ネットショップを運営しなければ、違反となり業務改善の指示、業務停止命令、または罰則を受ける可能性があります。
対処法
特定商取引法ではネットショップ運営における事業者が、以下の内容を守らなければなりません。
項目 | 内容 |
氏名等の明示の義務付け |
勧誘開始前に事業者名や 勧誘目的であることなどを消費者に告げる義務 |
不当な勧誘行為の禁止 |
価格・支払条件等についての不実告知(虚偽の説明)または 故意に告知しないことを禁止したり、 消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為の禁止 |
広告規制 |
広告は重要事項を表示することを義務付け、 また虚偽・誇大な広告の禁止。 |
書面交付義務 |
契約締結時等に、 重要事項を記載した書面を交付する義務 |
クーリング・オフ |
契約の申込み又は締結の後に、 法律で決められた書面を受け取ってから 一定の期間内(※)に無条件で解約すること。 |
意思表示の取消し |
業者が不実告知や故意の不告知を行った結果、 消費者が誤認し契約の申込み、 または承諾の意思表示をしたときには、 消費者は意思表示を取り消すことを認めている。 |
損害賠償等の額の制限 |
消費者が中途解約する際、 事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定 |
参考:特定商取引法とは
訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日以内、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日以内。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。罰則を受けないように、特定商取引法で定められた内容を守りながらネットショップを運営しましょう。
集客手段を考えていない
ネットショップは出店しただけでは集客数が伸びません。例えば、ネットショップの出店後の集客手段を考えていないと、対策を行えないのでアクセス数が増えず失敗する原因になります。ECモールと違って、自社の独自ネットショップを構築すると、検索エンジンでのキーワード検索からの流入を狙うことも必須になり、自分で集客する必要があります。
対処法
ネットショップを構築する際に、集客手段を検討するのが重要です。例えば下記のような方法があります。
概要 |
メリット |
デメリット |
|
SEO |
サイトを最適化し 検索結果で 上位表示させる手法 |
中長期的に流入を見込める 購買意欲が高い顧客を獲得できる |
効果が出るまでに 早くて半年〜1年間かかる |
ネット広告掲載 |
Web上のメディアやSNS、 メールなどに広告を 掲載する手法 |
広告出稿からの効果が早い ターゲット設定を細かくできる |
広告の出稿費用がかかる 広告を避けられる可能性がある |
SNS運用 |
企業や商材の情報発信や、 顧客とのコミュニケーションなどを SNS上で行うこと |
拡散を期待できる 簡単に始められる 顧客とコミュニケーションを取りやすい |
炎上リスクがある 効果が出るまでに時間がかかる |
例えば、広告費用をかけてでもすぐにでもネットショップの訪問者数を増やしたいなら、ネット広告の掲載が効果的です。
購入につながらない
「商品が乱雑に掲載されている」「購入ページがどこにあるかわからない」などが原因で、顧客が「使いづらいサイト」と判断し、商品を購入する前に離脱される可能性があるのです。
対処法
ネットショップのデザインをシンプルにして、どこに何が掲載されているのかをわかりやすくするのが重要です。とくに購入につながりやすい問い合わせや購入ボタンなどのCTAは、目立つ色にすると顧客が瞬時に見分けられます。例えばWeb幹事のように、予約ボタンのサイズを拡大し、色を緑色で強調するといった対策が挙げられます。
また、CTA(サイト訪問者に取ってもらいたい行動を促す施策)を設置する際は文言を記載して購入までの心理的抵抗を減らすのが効果的です。「カートに入れる」「購入手続きに進む」など、顧客が次のアクションに移りやすい文言を入れましょう。
リピーターを獲得できていない
ネットショップ運営において、リピーターは重要です。ビジネスにおいて、売上の8割は2割のリピーター(ロイヤルカスタマー)によって生み出されると言われています。(パレートの法則)ネットショップでも新規顧客だけでなく、リピーターの獲得を行うとさらなる売上の増加が見込めます。加えて、リピーターの獲得は安定した売上につながります。リピーターを獲得できないと、集客するための広告費がかかります。
対処法
ネットショップでリピーターを獲得するには、下記のような対策で顧客満足度を高めるのが効果的です。
- メルマガ配信:新作商品の情報や商品の活用方法といった情報を発信する
- クーポンの配布:ネットショップで利用できる割引のクーポンを配布する
- 最新情報の発信:ネットショップやSNSなどで、新作商品の情報を発信する
- 問い合わせのサポート体制を整える:顧客からの問い合わせに迅速な対応を行えるようにする
例えば、購入者限定のリピーター割引クーポンの発行を行うと、2回目以降の購入を促せます。
経費がかかりすぎている
ネットショップの運営には、商品の仕入れやサーバー・ドメイン代、梱包材費、広告費などの経費が発生します。経費がかかりすぎると、売上が増加しても利益が減ります。例えば、自社オリジナルの梱包材を利用すると競合他社と差別化できますが、その分梱包材の製造費がかかります。販売数が多くなるほど費用がかかるので、多額の経費がかかる可能性があります。ネットショップの運営では経費を把握して、コスト削減を行うことが重要です。
対処法
ネットショップの経費の確認には、定期的に経費計算を行うことが挙げられます。仕入れ・在庫管理・発送などにかかったコストを明確にしましょう。経費を可視化できると、コスト削減できる部分を検討しやすくなります。例えば、表計算ソフトに毎月の売上・利益・経費などを記録しておくと、スムーズに確認可能です。
仕入れが不足or過多
ネットショップは適切な在庫を持つことが重要です。仕入れ不足だと予想外に売れた際に、仕入れが追いつかなくなります。例えば、注文が殺到しているにも関わらず、商品の在庫がないことで販売できないことが挙げられます。一方で仕入れ過多だと、予想よりも売れなかった際、赤字になる可能性があります。納期に間に合わなかったり、商品が提供できなかったりすると、クレームやネガティブな口コミにつながるでしょう。
対処法
例えばネットショップで仕入れを行う際は、2ヶ月分の在庫を持つようにしましょう。商品が予想外に売れて仕入れが追いつかなくても、2ヶ月分の在庫を持っていると、コントロールできるためです。ネットショップを運営していると、急に売れ行きがよくなるケースもあるので、適切な在庫を管理しましょう。
問い合わせ対応が遅い
顧客の中には、商品を購入する前に不明点を問い合わせする方がいます。その際に、問い合わせに対する返信が遅いと、顧客からの信頼が低下します。せっかくの見込み客を失うことになるので、注意しなければなりません。例えば、素早い返答が求められるトラブルに関する問い合わせにも関わらず、2〜3日後に返信するといったことが挙げられます。
対処法
複数人で問い合わせを共有すると、1人が気づかなくても他の担当者が気づいて対応できます。問い合わせの対応漏れを防げるでしょう。また、よくある質問をまとめてネットショップに掲載するのも効果的です。些細な問い合わせであれば、ネットショップを見るだけで解決できるので、顧客が企業に問い合わせする手間を軽減できます。
ネットショップの始め方
ネットショップの成功事例や失敗例などを把握したら、実際の始め方が気になるでしょう。ネットショップの始め方を把握していると、スムーズに構築を進められます。
売れるECサイトの始め方の詳しい情報については、関連記事をご参照ください。
関連記事:【プロ監修】売れるECサイトの始め方・作り方を準備から開設・集客まで解説
販売する商品を分析する
ネットショップは自社が販売したい商品を出品しても、必ずしも売れるわけではありません。競合分析を行って売れる見込みがあるものを販売することで、売上につながります。ネットショップ開設後に商品が売れないといった失敗にならないため、販売する商品を吟味しましょう。
例えば、商品の分析をするなら3C分析が効果的です。3C分析とは市場、競合、自社の3つの調査を行うことです。3C分析を行うことで「ネットショップを始めても勝算はあるのか?」「そもそも立ち上げるべきなのか?」を判断できます。緻密に分析できているのかで、初速の売上、その後の成功確率が大きく変わります。
市場では「自分が取り扱う商品・ジャンルの市場の規模、動向、成長性、どんな商品が売れ筋かなど」を見ます。顧客では「ホームページを訪れる性別や年齢、どんなニーズを持っているかなど」を洗い出します。競合分析では競合サイトの強み・弱みを明確にします。複数サイトをピックアップし、商品価格・レビューの書き込み、購入者の人物像などを分析しましょう。自社サイトの調査では「ヒト」「モノ」「カネ」に着目して、自社の強みや弱み(現状の課題)を分析しましょう。
ただし、3C分析に時間をかけすぎると市場が変化する恐れがあります。古い情報をもとに分析すると、効果的な戦略を検討できません。スムーズに行動を始め、可能な限り早く分析結果と戦略を導き出しましょう。
売り場を決める
種類 |
費用・相場 |
代表的なショップ |
特徴 |
ECモール |
無料〜10万円 |
・Amazon ・楽天市場 ・Yahoo!ショッピング |
・ECモール自体に集客力がある ・カスタマイズしにくい ・売上手数料が引かれる |
自社サイト (ASP) |
無料〜100万円 |
・Shopify ・BASE ・カラーミーショップ |
・構築費用・維持費が低コスト ・カスタマイズにも対応 ・集客は自助努力が必 |
ネットショップは一度導入すると、売り場を入れ替える労力が大きいです。最初に適切なプラットフォームを選んで入れ替えをしないようにするのが重要です。
ネットショップを構築するなら、自社サイトの他にECモールでも出店するのがおすすめです。そもそも自社ECに来る顧客とECモールに来る顧客は異なります。顧客の中には、Amazon以外では買い物をしない、楽天市場でしか買わないといった人がいます。複数のショップに出店することで、より多くの顧客との接点を持ち集客につなげられます。
ただし、いきなり2つのネットショップを構築・運営すると、在庫管理・仕入れ管理、問い合わせ対応など担当者の負担が増えてしまうでしょう。まずは自社サイトまたはECモールのどちらかを構築し、軌道に乗ってきたら他のネットショップも構築してさらなる集客を行ってみてください。
ネットショップの構築方法と費用については、関連記事をご参照ください。
関連記事:ECサイト構築の費用と料金相場、開設手順をかんたん解説!【相場早見表・事例あり】
デザイン・機能・決済方法を決める
3C分析をもとにデザイン・顧客が求める機能や決済方法などを決めるのは、ネットショップを開発するために必要です。デザインは自社の企業イメージを反映すると、顧客の印象に残りやすいです。自社の要望だけで機能や決済方法を決めると、顧客ニーズと乖離してしまい利便性が低下する可能性があります。
デザイン作成では、ネットショップ全体の構造図(サイトマップ)を作成し、ページ同士の位置関係を洗い出します。ネットショップは商品点数が多いので、その分ページ数が多いのが特徴です。構造図のサイトマップを作成すると、メンバー間で情報共有がしやすくなり、サイト制作の効率化が可能です。
機能設定では、主に下記の4種類が必要となります。
機能 |
必要な理由 |
商品のレビュー |
口コミの効果で購入を後押しする |
再入荷のお知らせ |
売り逃しの機会損失を防ぐ |
お気に入り登録ボタン |
買いそびれを防ぎ、購入率を上げる |
カートリマインド |
カゴ落ちによる販売機会の損失を防ぐ |
ネットショップを構築したら、さまざまな機能を実装したいと思うかもしれません。顧客にとって不要な機能があると、情報量やボタンが多すぎて利便性が低下する可能性があります。とくに初めてネットショップを構築する場合、どの機能が必要なのかイメージしづらいです。上記4つの機能を押さえましょう。
また、決済設定では、最低限下記の3種類が必要です。
- クレジットカード
- コンビニ払い
- Amazon Pay
クレジットカードは、ネットショップの決済方法で60%以上を占める方法なので必須です。コンビニ払いは、クレジットカードを持っていない顧客もいるので、実装すると顧客の離脱を防げます。Amazon Payは、通販において利用者数が増えており、購入画面で氏名や住所、クレジットカード情報などを入力する手間が省けるため、購入率アップが図れます。
公開後サイト分析を行う
ネットショップを公開したら、分析して改善を行います。ネットショップは初めから、うまくいくとは限りません。顧客のアクセス数や購入率(CVR)などの状況に応じて、改善していく必要があります。
主なサイト分析の施策は下記の通りです。
- 購買行動を把握する
- CVRを改善する
ネットショップを運営する上で「顧客がどのような購買行動を取るか」を把握するのが重要です。購買行動がわかれば、ショップへのアクセス状況から、改善ポイントを探れます。例えば、アクセス数で伸び悩んでいる場合、SEOやWeb広告などの集客対策を検討できます。また、ネットショップを構築しても売上につながらなければ意味がありません。CVRは売上に直結するので、売上に伸び悩んでいるなら改善が必要です。
自社サイトを運用している場合、Googleアナリティクスを利用すると、商品ページごとのCV率を計測できます。CVRの業界平均は自社ECサイトで1%、ECモールは5%ですので、平均に満たない場合、原因の分析と改善を図りましょう。例えば「商品の説明・画像に問題はないか」「商品の配送はスピーディーか」のような問題を分析してみてください。
ネットショップの成功事例【まとめ】
ネットショップを構築したからと言って、うまくいくとは限りません。ネットショップを成功に導くポイントのイメージが湧かないかもしれません。まずはネットショップの成功事例を参考にすることで、成功のポイントを見つけられ、自社サイトにも活用しやすくなります。
また、ネットショップの成功事例を確認するのに加えて、失敗の要因も把握することが重要です。事前に失敗の要因を知っていると、ネットショップの構築時に失敗しない対策を行えます。この記事を参考にして、成功に導くネットショップを構築してみましょう。
※ネットショップの成功事例や失敗の要因を理解しても、自社のみで構築することに不安があるなら、Web幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
コンサルタントのご紹介
代表取締役
岩田 真
2015年にWeb制作会社を設立し、
3年間で上場企業を含む50社以上制作に携わらせていただきました。
ホームページ制作のオンライン相談窓口「Web幹事」は、35,000件を超える豊富な相談実績と幅広い知識で、お客様のあらゆるニーズにお応えします。
Web制作業界のプロが丁寧にヒアリングしますので、
初心者の方でも安心してご相談ください!
Q. ネットショップの成功事例にはどのようなものがある?
ネットショップの成功事例として「吉田麺業」「ユニクロ」等が挙げられます。その他の事例は記事をご参照ください。
Q. ネットショップを成功させるコツは?
ネットショップの成功ポイントとして「目的やターゲットなどを分析する」「競合他社と差別化する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
Q. ネットショップを成功させるためには、どのような集客手段が効果的ですか?
効果的な集客手段は、SEO(検索エンジン最適化)、ネット広告などがあります。SEOでは、良いコンテンツを提供し、検索結果で上位表示させることが重要です。ネット広告では、Google広告やFacebook広告などを活用することで、ターゲットを絞った広告を配信できます。
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・ランディングページ
・ECサイト
・オウンドメディア
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の相場の情報を徹底解説。
さらに相場を理解するためのポイントや
ホームページを業者に依頼する前の準備方法も
合わせて解説。
ホームページを依頼したいが、相場が分からず心配
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この記事を書いた人
坂田憲亮
専門分野: Webマーケティング
フリーランスのSEOマーケター/Webライター。業界大手の採用メディア制作部を経て30歳を機に独立。各種オウンドメディアのSEO構築、ディレクション、ライティング、取材撮影、デザインまで一環して担当する自称・マルチクリエイターとして多岐にわたり活躍中。