- 更新日 2026.01.20
- カテゴリー ホームページ制作の見積もり・発注
ホームページ制作コンペの進め方!失敗しない評価基準と注意点【2026年版】
「会社でホームページのリニューアルが決まり、上司から『数社でコンペ(相見積もり)をして決めるように』と言われたものの、具体的にどう進めればいいのか分からない……」
このようにお悩みではないでしょうか?
ホームページ制作のコンペは、複数の提案を公平に比較できるメリットがある反面、進め方を間違えると「的外れな提案ばかり集まる」「結局、価格だけで選んでしまい、制作後に後悔する」といった失敗に陥りやすいリスクも秘めています。
コンペを成功させるカギは、実は事前準備、特にRFP(提案依頼書)の作成にあります。準備不足のままコンペを開催しても、質の高い提案を引き出すことはできません。
そこで本記事では、初めてコンペを担当する方でも失敗しないよう、以下のポイントを徹底解説します。
- ホームページ制作でコンペをするメリット・デメリット
- 失敗しないコンペの実施フロー(RFPの重要性)
- 合理的に発注先を選ぶための評価基準
また、制作会社選びに悩んでいる方に向け、記事内で紹介する評価シートも無料でプレゼントしております。ぜひ最後までお読みいただき、自信を持って最適なパートナーを選んでください。
※簡単な質問に答えるだけ!さくっと見積もりが知りたい方はこちらのシミュレーションがおすすめです。回答内容をもとに、Web幹事に登録されている5,000社の料金データから見積もりを算出します。
制作会社の選び方や見積依頼の仕方をまとめた資料もご用意しております。
初めて見積依頼をする前にご覧ください!
ホームページ制作会社の選び方5ポイント
【ホームページの作成を制作会社に依頼する担当者必見!】
ホームページ制作会社の選び方を5つのポイントにまとめました。
3年間、実際に制作を行ってきた、プロのWebディレクターが徹底的に解説します。
また複数の制作会社に相見積もりする際のポイントや...
無料でダウンロードする
- 1. ホームページ制作におけるコンペとは
- 2. ホームページ制作でコンペをするメリット
- 3. ホームページ制作のコンペでの注意点・デメリット
- 4. 貴社のホームページ制作の費用がいくらかかるか60秒で診断してみませんか?
- 5. ホームページ制作でコンペを開催【する】方がよい場合
- 6. ホームページ制作でコンペを開催【しない】方がよい場合
- 7. ホームページ制作コンペを実施する流れ
- 8. ホームページ制作会社のコンペの評価方法
- 9. ホームページ制作会社を評価するのに重要なポイント
- 10. ホームページ制作コンペでの失敗・トラブル事例
- 11. 優良な制作会社に発注するための3ステップ
- 12. ホームページ制作会社のコンペ・評価方法まとめ
ホームページ制作におけるコンペとは
コンペとは、競争や競技会を意味する「コンペティション(Competition)」の略称です。
ビジネスの文脈では、複数の候補者が参加し、その中から最も優れた成績や作品を選ぶ方式として使用されます。ホームページ制作におけるコンペの場合は、主にクライアントが複数の制作会社に対して要件(RFP)を提示し、「企画案・デザイン案・見積もり」などの提案を受けて、その中から最適な1社を選ぶ発注形態を指します。
一般的な「相見積もり」が決まった仕様に対して「金額」や「納期」を比較するのに対し、コンペでは「どのようなWebサイトを作るべきか」という企画やアイデアそのものを含めて比較検討する点が特徴です。
ホームページ制作でコンペをするメリット
コンペを行うメリットについて、大きく分けて以下の2つに絞り紹介します。
- 提案書から相見積もりを取ることができる
- 優れたデザインやアイデアを見ることができる
提案書から相見積もりを取ることができる
コンペをする大きなメリットは、提出いただいた提案書から相見積もりが取れる点です。
ホームページ制作について調査を行い、あなたなりの相場や価格感を持っているかもしれませんが、適切に調査していないと意図せず実際の価格・相場と乖離が生まれてしまうこともあります。
その際にコンペという形で相見積もりを取ることができるのは、依頼主の立場からすると効率的な手段となります。自分の要求に適した価格を見極めるために、複数の提案を比較できます。
優れたデザインやアイデアを見ることができる
コンペを通じて、複数の提案書や制作物を受け取ることで、自社では思いつかなかった優れたデザインやアイデアを発見できます。
ホームページ制作会社には得意分野や制作の方向性に個性があります。これにより、新たな視点や斬新な発想を持ったデザインやアイデアに出会うことができます。制作会社の個性や強みが生かされた提案を通じて、依頼主として自社のイメージや要求事項を再確認し、さらなる改善や調整を行うことができるのも、コンペのメリットの1つです。
ホームページ制作のコンペでの注意点・デメリット
コンペは公平に発注先を選べる良い手法に見えますが、主催者である依頼主には多大な労力がかかり、いくつかのリスクも存在します。
安易にコンペを開催すると、かえってプロジェクトの失敗を招くこともあります。これらを知ったうえで開催するかどうかを判断しましょう。
提案の質を判断できず「金額」だけで選んでしまう
コンペを実施する依頼主は、必ずしもホームページ制作の専門家ではありません。
社内に専門のアドバイザーがいれば理想的ですが、そうでない場合、各社から提出された提案書やデザイン案を見ても「どれが本当に成果が出るサイトなのか」の判断が曖昧になりがちです。
その結果、判断基準がブレてしまい、最終的に「一番安いから」「なんとなくデザインが好みだから」という理由で選んでしまうケースが後を絶ちません。
しかし、価格だけで選ぶと、後から追加費用が発生したり、必要な機能が不足していたりとトラブルの原因になります。コンペを行う場合は、事前に「何を重視して評価するか」という判断基準を明確にしておくことが不可欠です。
判断基準がわかる資料もご用意しております。
判断基準がわかる資料を無料で差し上げます
制作会社の選び方、見積依頼の仕方などをわかりやすくまとめました。
無料でダウンロードする
優良な制作会社ほどコンペに参加しない傾向がある
「コンペを開催すれば、多くの制作会社がこぞって参加してくれる」
そう思っていませんか? 実は、技術力が高く実績のある「優良な制作会社」ほど、コンペには参加しない傾向があります。
理由はシンプルで、「コンペに参加しなくても仕事に困っていないから」です。
優れた制作会社は、既存顧客からのリピートや紹介、指名での依頼でスケジュールが埋まっています。
そのため、受注できるかどうかわからない(勝率の低い)コンペにわざわざリソースを割くメリットが薄いのです。
特に、「とりあえずいろいろな案が見たいから」といった準備不足のコンペは敬遠されます。本当に実力のある会社に参加してほしいのであれば、発注側もそれなりの準備と熱意を示す必要があります。
制作会社に多大なコストとリスクを負わせてしまう
制作会社がコンペに参加する場合、膨大な準備が必要です。
要件のヒアリング、市場調査、企画立案、デザイン作成、見積もりの積算、そして提案書の作成。
これらには数十時間〜数百時間もの人的・時間的コストがかかります。金額に換算すれば数十万円以上のコストです。
しかし、コンペで選ばれなければ、それらの準備はすべて「無駄(タダ働き)」になってしまいます。また、提出したアイデアだけを盗用されるリスクも懸念されます。
このように、制作会社に多大なリスクと負担を強いる手法であることを理解し、発注側も「RFP(提案依頼書)をしっかり用意する」「採否の連絡を必ず行う」といった最低限のマナーを守ることが重要です。
選定に時間がかかるため、急ぎの案件には不向き
コンペ形式は、通常の指名発注に比べて選定に時間がかかります。
候補企業のリストアップからオリエンテーション、各社の提案準備期間(通常2週間〜1ヶ月)、プレゼン実施、社内検討を経て決定するまでに、最低でも1〜2ヶ月はかかると見ておくべきです。
さらにそこから制作期間(3ヶ月〜半年)が始まります。
そのため、ホームページの公開希望日まで半年以上の余裕がない場合、コンペの実施は現実的ではありません。
「来月中にリニューアルしたい」といった急ぎの案件では、コンペではなく指名発注や相見積もりを検討しましょう。
成功の鍵は「精密な提案依頼書(RFP)」の作成
コンペを成功させるために最も重要なのが、「精密な提案依頼書(RFP)」の作成です。提案依頼書(RFP)とは、ホームページの目的、ターゲット、必要な機能、予算、納期などの要望を文書化したものです。
もしRFPがなく、口頭で「いい感じのサイトにしてほしい」と伝えただけではどうなるでしょうか?A社は「デザイン重視の1,000万円のプラン」、B社は「機能重視の300万円のプラン」といったように、各社の提案の前提がバラバラになり、横並びで比較することが不可能になります。
これは地図を持たずに航海に出るようなもので、プロジェクト失敗の最大の原因です。
コンペを行う前には必ず精密なRFPを準備し、制作会社に「何を解決したいのか」を正確に伝えることが大切です。
もしRFPの作り方に不安がある、プロにサポートしてほしいという方は、Web幹事にご相談ください。RFP作成のアドバイスや、最適な制作会社のご紹介が可能です。
貴社のホームページ制作の費用がいくらかかるか
60秒で診断してみませんか?
全国5,000社の見積もりから算出した、
Web幹事オリジナルの料金シミュレーターを無料でご利用いただけます。
「社内稟議の前に予算を決めたいけれど相場がわからない」
「事前に取った見積額の妥当性に不安がある」
という方は、ぜひお試しください。
まずは最初の質問です
ホームページ制作は初めてですか?
はい
いいえ
ホームページ制作でコンペを開催【する】方がよい場合
ここまでコンペのメリットや注意点等について、紹介してきました。ではコンペを開催した方が良い場合とはどんな時でしょうか。以下の3つをご紹介したいと思います。
- 新しいブランドや製品ロゴのデザイン、別視点でのアイデアが必要な時
- 限られた予算や時間の中で決めないといけない時
- イベントやプロモーションを促進したい時
新ブランドや製品ロゴのデザイン、別視点でのアイデアが必要な時
先にメリットとして紹介しましたが、コンペを行うことで幅広いデザイナーの発想を取り入れることができます。また、これまで考えていなかったデザインや、異なる視点からのアイデアにも触れることができます。
特に新しいブランドや製品のロゴを、これまでとは異なる形に刷新したい時こそ、コンペを通じて最も適したデザインを選ぶのがよいでしょう。
決まった予算や時間の中で決めないといけない時
予算や時間が既に設定されている場合でも、コンペを行うことは有益です。
予算や時間が既に決まっている場合は、コンペを開催する際に、予算と時間枠をあらかじめ提示しておきます。具体的な予算や時間枠を提示することで、限定された条件のもとで作業可能な方々が応募してくれるため、制作会社を探す手間が省けます。応募者の中からデザインを選べるのも、一石二鳥といえるでしょう。
イベントやプロモーションを促進したい時
新しいイベントやプロモーションを促進したい場合にも、コンペは適しています。
通常のコンペを行うだけでなく、コンペの結果や成果物を公開すると、企業ブランドの宣伝やプロモーション効果が得られます。実際に、コンペ形式で参加者を募り、大規模なイベントにする試みが多く行われています。
ホームページ制作ではないのですが、例えば、以下のような事例があります。
- 東京ミッドタウンで行われるデザインコンペ、アートコンペ
出典:TOKYO MIDTOWN AWARD 2023 デザインコンペ - 高校生が情報処理技術におけるアイデアや表現力等を競い合うICT分野の全国大会
出典:パソコン甲子園2023
ホームページ制作でコンペを開催【しない】方がよい場合
逆にコンペを開催しない方がよい場合とは、どんな時でしょうか。以下の3つについて紹介します。
- 信頼できるデザイナーと長期的にパートナーシップを築きたい時
- 既に企業ブランドイメージやデザインが確立されている時
- プロジェクトの機密性や制約がある時
信頼できるデザイナーと長期的にパートナーシップを築きたい時
コンペは多くのデザイナーを募り、新規で短期的な協力関係を築く手段です。一方で、自社に適したデザイナーとの長期的な協力や信頼関係を築きたい場合は、直接の依頼や契約を通じて進めることをおすすめします。
既に企業ブランドイメージやデザインが確立されている時
コンペは、新しいデザインや異なる視点からのアイデアを得たいときに有用です。
しかし、既に企業のブランドイメージやデザインが確立されている場合は、わざわざコンペを実施する必要はありません。代わりに、すでに理解のあるデザイナーさんに直接お願いして継続的に仕事を依頼する方が効果的です。
プロジェクトの機密性や制約がある時
コンペでは、多くの人々とプロジェクトの情報を共有する必要があります。極秘のプロジェクトや情報漏洩を避けなければならない場合は、コンペという形は適していません。情報が漏れてしまう可能性があるからです。
信頼できるデザイナーに直接依頼する方が、情報漏洩の可能性も低く注意して仕事を行なってもらえるでしょう。コンペをしない場合は優良なWeb制作会社を探す必要があります。おすすめの制作会社をご紹介できますので、以下よりご相談ください。
ホームページ制作コンペを実施する流れ
ここで、ホームページ制作でのコンペを実施する具体的な流れを説明します。
失敗しないためには、制作会社に声をかける前の「準備」が何よりも重要です。
- プロジェクトを策定する(目的・予算・納期)
- 3~5社の業者に絞って提案を受ける
- 情報提供依頼書(RFI)・提案依頼書(RFP)を作成する
- 提案内容を確認する(プレゼン実施)
- 見積もりを精査する
- 依頼する業者が決まったら早めに連絡を入れる
上記について、順にみていきましょう。
1. プロジェクトを策定する(目的・予算・納期)
まず、プロジェクトの全体像(概要・予算・体制など)を社内で固めます。
制作会社に丸投げするのではなく、発注側として最低でも以下の項目を明確にしておく必要があります。
- 現状の課題:何に困っているのか
- 目的・目標:リニューアルで何を達成したいのか(売上アップ、採用強化など)
- 予算の目安:稟議を通せる上限額はいくらか
- スケジュール:公開希望日はいつか
現状の課題とゴールが明確であればあるほど、参加するWeb制作会社は的確な提案ができます。
また、予算の目安をはっきりと提示することも大切です。「いくらかかるか知りたいから言わない」というケースもありますが、予算感が伝わらないと、制作会社は松・竹・梅どのプランで提案すべきか迷い、結果として見当違いな提案になるリスクが高まります。
2. 3~5社の業者に絞って提案を受ける
プロジェクトの計画が固まったら、提案を受けるWeb制作会社の選定に移ります。
ここで重要なのは、「むやみに多くの会社に声をかけすぎない」ことです。
まずはWeb検索や紹介などで候補となる会社を広くリストアップ(ロングリスト作成)し、そこから自社の課題解決が得意そうな会社を3~5社程度に絞り込みます(ショートリスト化)。
提案を受ける社数が多すぎると、各社への対応が散漫になり、比較検討も煩雑になってしまいます。3〜5社程度であれば、各社の提案をじっくりと比較し、適切な判断を下すことができます。
優良な制作会社の探し方については、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:30分あれば十分!効率的な優良ホームページ制作会社の探し方教えます
3. 情報提供依頼書(RFI)・提案依頼書(RFP)を作成する
候補企業を絞り込んだら、以下の2種類の書類を作成し、制作会社へ提示します。ここがコンペの成否を分ける最重要プロセスです。
- 情報提供依頼書(RFI)
会社の基本情報、提供サービス、実績、体制などの情報を提出してもらうための書類です。これにより、自社のパートナーとしてふさわしい基礎能力があるかを見極めます
- 提案依頼書(RFP)RFIでのスクリーニング後、具体的な提案を求めるために送付する書類です。口頭での説明だけでなく、文書として要件を提示することで、各社の認識ズレを防ぎます
RFPには、最低限以下の項目を盛り込みましょう。
・プロジェクトの背景・目的:なぜリニューアルするのか
・ターゲット:誰に見てもらいたいサイトか
・機能要件:CMS、お問い合わせフォーム、検索機能など必要な機能
・予算感:概算予算の上限
・納期・スケジュール:マイルストーンと公開日
RFPがしっかりしていれば、各社は「同じ前提条件」で提案を作成できるため、比較検討の精度が格段に上がります。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開しているモデル契約書なども参考になります。
参考:情報システム・モデル取引・契約書(IPA)
また、Web幹事でもRFPの書き方を詳しく解説しています。
関連記事:ホームページのRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル
4. 提案内容を確認する(プレゼン実施)
各社から提案書が出揃ったら、内容を確認します。書類上のチェックだけでなく、実際にプレゼンテーション(オリエンテーション)の場を設けることを推奨します。
確認すべきは、「RFPの要件を満たしているか」はもちろんですが、プレゼン時の「質疑応答」も重要なチェックポイントです。
こちらの意図を汲み取ってくれるか、質問に対して的確な回答が返ってくるか、専門用語をわかりやすく説明してくれるかなど、担当者のコミュニケーション能力や熱意を見極めましょう。
5. 見積もりを精査する
提案内容と合わせて、見積もり金額を精査します。
この際、「Webサイト制作一式:○○○万円」といった内訳の不明瞭な「一式見積もり」には注意してください。
ディレクション費、デザイン費、コーディング費、システム開発費など、工程ごとの費用が明確になっているかを確認しましょう。内訳が詳細であれば、予算オーバーした際に「ここの機能を削って調整しよう」といった交渉もしやすくなります。
見積もりの妥当性が判断できない場合は、Web制作の相場記事も参考にしてください。
関連記事:ホームページ作成費用・制作費用の料金相場をプロが解説
6. 依頼する業者が決まったら早めに連絡を入れる
提案内容と見積もりを総合的に評価し、依頼する業者が決まったら、早めに連絡を入れましょう。人気のある制作会社ほどスケジュールが埋まりやすいため、決定が遅れると希望の納期に間に合わなくなる可能性があります。
また、採用しなかった企業に対しても、必ずお断りの連絡を入れるのがマナーです。
「今回はご縁がありませんでしたが、貴重なご提案をいただきありがとうございました」と感謝を伝え、真摯に対応してくれたことへの礼儀を尽くしましょう。
ホームページ制作会社のコンペの評価方法
制作会社からの提案を評価するためには、なんとなくの印象で決めるのではなく、「明確な評価軸を決めておく」ことが重要です。評価軸は大きく分けて以下の3つです。
- 提案について
- 制作会社について
- 担当者について
この3軸の各項目について評価を行い、総合的に発注先を選定していきます。
評価は点数化しても良いですが、慣れていない場合は「◯、△、×」の3段階評価でも十分です。
評価方法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ホームページ制作会社の選び方|チェック項目・注意点までプロが徹底解説
提案についての評価
最も重要なのは、その提案が「自社のビジネス課題を解決するものになっているか」という視点です。
ついつい、デザインの見た目(かっこいい、おしゃれ)だけで判断しがちですが、ホームページの目的はあくまで成果を出すことです。
- RFPで伝えた課題(集客不足、採用難など)に対して、現実的な解決策(ソリューション)が提示されているか
- 自社の事業内容やターゲット顧客を深く理解しているか
- 見積もり金額は予算内で、かつ費用対効果が見込めるか
- スケジュールに無理はないか
これらを冷静に見極めましょう。「デザインは好みだけど、課題解決のロジックが弱い」という提案には注意が必要です。
制作会社についての評価
制作会社の実力(ケイパビリティ)を評価するパートです。過去の実績や提案内容を通じて、その会社が「今回のプロジェクトを遂行する能力があるか」を判断します。
- 実績:過去に同業種や類似の規模のサイト制作実績があるか
- 企画・設計力:言われた通りに作るだけでなく、コンセプト設計や要件定義からリードしてくれるか
- 開発力:CMSやシステム開発など、必要な技術力を持っているか
- 運用体制:作って終わりではなく、公開後の保守・運用やマーケティング支援に対応しているか
特に「運用体制」は重要です。公開後に「更新作業は対応できません」と言われてしまわないよう、アフターフォローの充実度は必ず確認しておきましょう。
担当者についての評価
筆者が一番重要だと考えるのが、この「担当者」についての評価です。
いくら会社の実績がすごくても、実際にプロジェクトを進行する担当者との相性が悪ければ、プロジェクトは失敗します。
Web制作は数ヶ月にわたる長いプロジェクトになるため、ストレスなくコミュニケーションが取れる相手かどうかがカギとなります。
相性・コミュニケーション能力:こちらの話を正しく理解してくれるか(聞く力)、レスポンスは早いか
熱意・モチベーション:自社のプロジェクトに対して熱意を持ってくれているか
特に「熱意」は提案の質や量に表れます。「ビジネスパートナーとして一緒に仕事をしたいと思えるか」という直感を大切にしてください。
ホームページ制作会社を評価するのに重要なポイント
続いて、ホームページ制作会社を評価・選定するプロセス全体において、成功率を高めるための重要なポイントを4つ解説します。この4点は最低限、頭に入れておきましょう。
提案依頼は「3~4社」に絞り込み、比較検討の質を高める
提案を細かく評価していくためには、1社1社と向き合う時間が必要です。
例えば、10社も提案依頼をしてしまうと、対応に膨大な時間がかかり、各社の提案内容を深く理解できなくなってしまいます。結果として、比較検討が浅くなり、正しい判断ができなくなる恐れがあります。
コンペ(提案)を依頼するのは、3~4社程度に絞るのがベストです。そのためには、手当たり次第に声をかけるのではなく、事前の書類選考やWeb調査の段階で、提案依頼をする制作会社を厳選しておくことが重要です。
優良な制作会社の候補の探し方はこちらをご覧ください。
関連記事:30分あれば十分|効率的な優良ホームページ制作会社の探し方教えます
「大手・中小・フリーランス」と、依頼先の規模を散らす必要はない
コンペを依頼する場合、「大手制作会社・中小の制作会社・フリーランスのデザイナー」など規模をバラバラにする方法が散見されますが、筆者は必要ないと考えます。コンペ依頼の際に、予算と納期をしっかり制作会社に伝えておけば、「条件内で最大限できること」を提案してくれるからです。
※予算100万円のサイトに500万円の見積・提案をしてくる制作会社はまずいません。(予算が制作会社の料金と合わない場合、提案依頼時に制作会社の方から断りを入れてきます)
逆に予算や納期を伝えず、「大手・中小・フリーランス」とバラバラに提案依頼をすると、提案もバラバラになってしまい判断が難しい状態にもなりかねません。コンペ先を工夫するより、事前準備をしっかり行った方が提案の質は格段に上がります。
見積金額(価格)だけで判断するのは危険
ホームページ制作会社を選ぶ際にありがちな例は「価格だけで発注先を選んでしまう」こと。特に役員や上司など「意思決定権者」に知識がない場合、分かりやすい価格で選んでしまいがち。
格安の制作会社には「格安」の理由があります。格安ホームページ制作のカラクリや手口についてはこちらをご覧ください。
格安ホームページ制作の裏側暴露! 制作会社がこっそり教えます。
安易に格安の制作会社を選んでしまうと
- 全く成果のでないホームページが出来てしまった
- 成果物をコントロールするのに時間が取られ、時間が取られてしまった
- 運用時点の要望に答えてもらえず、改善ができなくなってしまった
など苦い思いをすることにつながります。注意しましょう。
サイト公開後の「運用」についてしっかり決めておくこと
制作会社の選定段階で、運用フェーズについて以下の項目を確認する必要があります。
- ホームページ公開の運用は対応してもらえるのか?
- 集客のための改善まで対応してもらえるのか?
- 運用にはどれくらいの費用がかかるのか? など
いざ運用をお願いしようとすると「月額の運用費が非常に高い」「そもそも運用に対応していない」事実が納品直前に発覚した。という問題は意外と散見されます。そうすると、制作会社を選び直さないといけなくなり、時間も費用もかさんでしまうので、必ずチェックしておきましょう。
関連記事:運用費用の相場に関する情報はこちら
ホームページの管理・運用に関する料金の情報をまとめました。ぜひご覧下さい。
ホームページ管理費の内訳と相場を徹底解説!
ホームページ制作コンペでの失敗・トラブル事例
ここからは、ホームページ制作コンペにおける失敗・トラブル事例を紹介します。これからコンペを行う企業は、参考にしてください。
1.ビジュアル重視で選定したらUI設計やSEO対策などがボロボロだった
かっこいいデザインを重視していたため、コンペで最もサイトのビジュアルがよく見積もり額も妥当なWeb制作会社へ依頼。
想定通りサイトのビジュアル設計は良かったのですが、SEO対策やUIの設計など他の面がボロボロで、別のWeb制作会社に依頼することに。結果、リリース日も予算も超過し手痛いスタートとなってしまった。
2.RFP資料が不十分だったため、意味のないコンペになってしまった
RFP資料の作り込みやコンペに参加する企業への説明を十分に行わなかったために、意味のないコンペになってしまった事例です。
担当者はRFP資料の作成やコンペ前の企業への説明に対して重要性を感じておらず、前任者の資料をもとに説明を行いました。前提条件を固めていなかったため、コンペであがってきた提案内容や見積もり額には各社大きなバラつきが出ることに。
自社の要件を満たしていない提案も多く、比較検討が難しい状態になりました。判断が難しいため結局コンペのやり直しをする羽目に。
優良な制作会社に発注するための3ステップ
優良なホームページ制作会社に出会い、プロジェクトを成功させるためには、以下の3ステップを着実に進めることが重要です。
- 自社の課題解決が得意そうな「制作会社候補リスト」を作る
- 要件を漏れなく伝達するための「質の高い提案依頼書(RFP)」を作る
- 各社の提案内容を公平に評価し、「良い制作会社」を見極める
本記事では主に「3. 提案を受けて、良い制作会社を見極める」方法について解説しました。しかし、その前段階である「候補企業の選定」や「RFP作成」が不十分だと、そもそも良い提案が集まらず、コンペ自体が失敗に終わってしまいます。
もし、「自社に合う会社をどう探せばいいかわからない」「しっかりとしたRFPを作る自信がない」という場合は、ぜひWeb幹事にご相談ください。
Web幹事では、経験豊富なプロが「要件整理」から「最適な制作会社の選定・紹介」まで、これら3つのステップを無料でサポートいたします。
ご自身で進めたい方は、以下の記事も参考にしてください。各ステップの具体的なノウハウを解説しています。
・「良さそうな」制作会社候補リストを作るにはこちらをご覧ください
30分あれば十分|効率的な優良ホームページ制作会社の探し方教えます
・「良い」提案依頼をするためにはこちらをご覧ください
ホームページのRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル|事例&サンプル付き
・良い制作会社を「選ぶ」方法はこちらをご覧ください
ホームページ制作会社の選び方|チェック項目・注意点までプロが徹底解説
ホームページ制作会社のコンペ・評価方法まとめ
ホームページに関する知識やノウハウがない状態で発注先を選ぼうとすると、どうしても主観や「なんとなくの好み」に左右されてしまいがちです。それを防ぎ、コンペを成功させるためには、「事前の準備(RFP作成)」と「明確な評価基準」が不可欠です。
もし迷った時は、本記事で紹介した評価の視点を参考にしてください。あまり項目を細かくしすぎる必要はありません。「自社の課題を解決してくれるか」「担当者に熱意はあるか」といった重要な要素を取り出し、一つひとつ丁寧に評価していくことが重要です。
そして、最終的に一番見るべきは担当者の熱意です。「この人となら一緒に仕事をしたい!」と思えるかどうかを、よく考えてみてください。
その際、下記の点も忘れずに念頭に置いておきましょう。
- コンペを依頼するなら3社程度を目安に
- コンペ先制作会社の規模をバラバラにする必要はない
- 見積金額(価格)だけで判断するのは危険
- サイト公開後の「運用」についてしっかり決めておくこと
制作会社をしっかり選んで良質なプロジェクトにするために、ぜひ実践してみてください。
制作会社の評価シートを無料でダウンロード
本記事で使用した評価シートのサンプルを、Excelファイル形式でご提供しております。
下記のページから無料で資料ダウンロードが可能です。Excel形式ですぐに編集・修正が可能です。
ぜひご活用ください。
HP制作会社 評価シート(Excel形式)
ホームページ制作会社からの提案を社内で評価するための評価シートです。Excel形式ですぐに編集・集積できます。社内で依頼先を決定する際にご活用ください。
無料でダウンロードする
Q. Web制作におけるコンペとは?
Web制作におけるコンペとは、クライアントが複数の会社に対してプロジェクトの目的・要望・条件などを提示し、それに対して各会社から企画案・見積を提案してもらう発注形態のことです。
Q. ホームページ制作会社の選び方として、会社規模は重要ですか?
制作会社の規模は重要な要素の1つです。 大手企業は信頼性・安定感がありますが、個別のニーズには対応しづらい場合もあります。 中小企業やフリーランスは柔軟性がありますが、安定性に欠ける場合もあります。
この記事を書いた人
岩田 真
専門分野: ホームページ制作,ディレクション,Webマーケティング
株式会社ユーティル代表取締役。2015年にWeb制作会社として株式会社ユーティルを設立。Webディレクター・営業担当として、3年で上場企業を含む50社以上のホームページ制作に従事。経験・スキルがゼロの状態からホームページ制作事業を始めたので初心者の方に分かりやすく、業界の知識をお伝えできます!
このライターの記事一覧